映画嵐の中で の評価・あらすじとネタバレ感想【Netflixサスペンス】

Netflix(ネットフリックス)映画「嵐の中で」のネタバレレビューです。

嵐の中で
嵐の中で

嵐の中での評価

★★★★★

タイムトラベルものは脚本次第で良作にも駄作にもなるのですが、本作はとても面白かったです。

嵐の日に過去と未来がつながるという設定は少し乱暴ですが、その雑設定を吹き飛ばす、謎解きとしてのサスペンスが面白かったです。

嵐の中でのあらすじ

1989年ベルリンの壁が崩壊した日の夜はイベリア半島は嵐でした。

ニコはビデオカメラで自分のギター演奏を録画していると、突然隣の家で悲鳴のようなものを聞きます。

様子を見に行ってみるとヒルダが夫のアンヘルに殺されていました。

それを目撃したニコは逃げるように家から飛び出すと車に轢かれてしまいます。

そして何十年か後。

ベラは夫のダビドとともに友人のアイトルの隣に引っ越して来ました。その家はニコが住んでいた家でした。

ベラたちが押し入れを整理していると、テレビとビデオカメラが出てきます。再生するとギターを弾いているニコが出てきます。

夕食時にアイトルはかつて住んでいたニコの話をします。クララはなぜか憂鬱そうでした。

その夜物音がしてベラはあのビデオカメラの部屋に行くと、テレビに電源が入っておりニコが写っています。

あろうことか、ニコと会話することもできたのです。

ベラはニコが事故に巻き込まれないように物音がしても外へ出てはいけない、と忠告します。

はじめは半信半疑だったニコですが、結局殺人を目撃することはありませんでした。

ベラが気が付くと病院のベッドに横たわっています。

そしてどうも周りの様子がおかしく、混乱するベラですが、

・自分が脳外科医になっている

・ダビドが別の女性と結婚していて、自分を知らない

・娘のグロリアが存在しない

など、まるで昨日までとは違う世界のようです。

あの嵐の日にニコ少年を助けてしまったために、未来が変わってしまったのでした。

ベラは娘のグロリアを探すために奔走します。

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結末ラスト(ネタバレ)

真実が明らかになる中で、その世界でベラはニコと結婚していました。

そのためグロリアは生まれてきませんでした。

しかし、ベラはグロリアに会いたい一心でニコに過去を変えるようにお願いします。

ベラと一緒にいたいニコは拒みますが、ベラが自殺したことで、過去を変えることを決意します。

ベラが目を覚ますと、ちゃんとグロリアがいました。

喜ぶベラですが、隣人のアンヘルとクララは警察に捕まっていませんでした。

ベラはニコの無念を晴らすためにアンヘルの食肉工場に埋まっている死体を掘り出し警察に通報します。

現場にはベラを覚えていないニコが捜査担当として現れて自己紹介します。

ベラは「私のことを必ず思い出すわ」と言って微笑みました。

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嵐の中でのストーリー解説

タイムトラベルものの映画「嵐の中で」は少しストーリーが前後するところがあるのでネタバレ解説していこうと思います。

3つのパラレルワールド

そもそもの前提として、ベラが少年のニコに「外に出ると死んでしまう」と伝えてしまったことから、未来が変わりベラ(の意識)はパラレルワールドへ転移してしまいます。

その転移先のもう一つの世界ではベラは脳外科医になり、ニコと結婚しています。

そして、ラストでベラが自らの命を犠牲にして、大人のニコが少年のニコに接触することでさらにもう一つのパラレルワールドができることになります。

以上をまとめて整理すると以下のようになります。

ニコアンヘルクララダビド
ベラが元々いた世界アンヘルに殺されているニコを殺してしまい、逮捕されている独身でベラの隣に住んでいるベラと結婚し、娘がいる
1回目に転移した世界ニコはベラを探し、ベラと結婚しているクララと再婚しているアンヘルと暮らしている別の女性と結婚しベラを覚えていない
2回目に転移した世界生きているが、ベラを覚えていないクララと再婚しているアンヘルと暮らしているベラと結婚し、娘がいる

アンヘルは直接ニコを殺したわけではありませんが、そのきっかけを作っています。

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大事な分岐点

この物語の大事な分岐点はベラとアイトルが出会うかどうかにあります。

元々アイトルの紹介でダビドと出会ったベラは、アイトルと列車の向かいの席に座っていたことがきっかけでアイトルと出会いますが、生き残ったニコがアイトルの代わりに向かいの席に座ったことでベラがニコを好きになってしまうのです。

結果的にラストの世界ではニコがベラを追わなくなったことで、(おそらく)アイトルがベラと出会い、うまくダビドと結婚することになったと思われます。

嵐の中でのネタバレ感想

良質サスペンス映画「嵐の中で」

ネットフリックス独占配信のこの映画は少し複雑なストーリーながら大変よくできていて面白かったです。

 伏線が秀逸

ストーリーもよく練られていると思います。

旦那のホテルのマッチやナース同僚が自分の引っ越しにやけに詳しいなど旦那の浮気の証拠が目白押しでした。今思えばそれもニコがダビドの浮気をベラに教えるために仕組んだものだと納得でした。(ニコがダビドの浮気現場をベラに教えたわけですしね)

アンヘルも実は自分が殺したのではなく、クララが殺していたというのも納得です。原題でクララが食事中落ち着かなかったのはそういう意味だったのですね。

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ベラの残された使命

自らの命をかけてまで娘に会いたかったベラの願いを聞き入れるために、ニコはベラとの結婚を諦めて、ベラとは出会わない選択をします。

余談ですが、この展開を見た時に映画バタフライエフェクトを思い出しました。

これも名作ですね。「バタフライエフェクト」ラスト結末のネタバレ解説

ですが、結果的にアンヘルとクララは野放しのままなため、ニコは幼少期のことを幻覚だと周りに思われたままでした。ベラにとってニコのためにラストは一矢報いたのでしょう。

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子は強し

ベラにとって、ニコと結婚することは正直浮気していたダビドよりも幸せになれるのではないかと思っていました。

ラストでもニコがベラに「このままここに残ってほしい」と言っていたのも、どうなるのかハラハラしました。

ただ、そこは「子はかすがい」でグロリアの存在が勝敗を分けました。

女性にとってやはり子供は何よりも大事な存在なんですね。(旦那かわいそう、、、)

嵐の中で の最後に

タイムワープ系の映画でまた一つ良作を見つけてしまいました。

これが好きならバタフライエフェクトやアバウト・タイム~愛おしい時間について~もいかもしれません(両方とも恋愛中心ですが)