【ネタバレあり】映画IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。のあらすじと解説【リメイク成功か?】

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IT イット THE ENDの評価

 ★★★☆☆

映像としての完成度は文句なしです。(もちろんその分お金も時間もかかっているでしょうが)

イットのリメイクということでまず1段階ハードルが上がり、1作目が中々に良かっただけにもう1段階ハードルが上がったことで評価は少し厳しいものになるでしょう。

もともと前作のテレビ映画の時も2作目はレビューが荒れたようですので仕方ないかもしれませんね。

まずは1作目のIT/イット”それ”が見えたら、終わり。を見てから勧奨することをおすすめします。

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IT イット THE ENDのあらすじ

メイン州、デリー。ペニー・ワイズの惨劇から27年後、ゲイのカップルがペニーワイズらしきピエロに襲われる事件が起きます。

ベリーに住んでいたマイクは警察無線で事件を知り、ペニーワイズの犯行だと確信します。

マイクはすでに町を出てしまっていたルーザーズ・クラブのメンバーをまたデリーに集めるため連絡を取ります。

ビルは小説家として大成していました。

ビルは建築家として成功を収めていました。

リッチーはコメディアンとして名をはせていました。

エディはリスクコンサルタントとして働いていました。

ベバリーは夫とファッションブランドを立ち上げましたが、暴力をふるう夫におびえて暮らしていました。

それぞれ成功を納めていた彼らはデリーへ向かいますが、スタンリーだけは電話の後で手首を切って自殺してしまいます。

デリーの中華レストランでルーザーズ・クラブは久し振りに再会し楽しい時間を過ごしますが、マイクがそこで今回集まった理由を話し始めます。

みんな不思議なくらい27年前の事件の記憶がないこと、ペニーワイズが再び覚醒し事件を起こしていること、27年前に誓いを交わしたことを話し始めます。

楽しかったこれまでの会話をぶち壊されたリッチーは不機嫌になりましたが、ふと食後に運ばれたフォーチュン・クッキーのおみくじが不吉な文字に並びます。

その直後クッキーは不気味な化け物に代わり彼らを襲います。しかしそれはペニーワイズが彼らに見せた幻影でした。

店を出た彼らはスタンリーの家に電話すると、妻から彼が自殺したこと聞きます。

さっきまで話半分だったエディとリッチーは突然事の重大さに気づき、町を出ると言いだします。

なんとかみんなの協力を得たいマイクは必死にビルを説得します。

町の図書館で司書をしながら、長年ペニーワイズの抹殺方法を模索してきたマイクはかつて先住民が行っていたチュードの儀式について説明します。

同じ頃、ペニーワイズは野球場で幼い少女を誘い出し、襲っていました。

また、地元の問題児で過去にマイクやベンをいじめていたヘンリーは、父親を殺害後精神病院へ収監されていましたが、ペニーワイズの手助けで病院を脱走します。

その頃、町の宿泊所へ戻った残りのメンバーは、過去にペニーワイズの口から放たれたデッドライトを浴びたベバリーがメンバーの未来を見たことを知ります。

べバリーはスタンリーだけでなく、ルーザーズ・クラブ全員が死ぬ悪夢を見たと告白します。

遅れて宿泊所へやって来たマイクとビルは、団結してチュードの儀式を行えばペニーワイズを倒せると皆を説得します。

そのためには27年前の過去でそれぞれ自分にとって思いが残る記念の品を見つける必要があるとし、彼らはそれぞれの思い出の品を探しに町へ散らばっていくのでした。

ビルは町の骨董屋で自分が昔乗っていた自転車を見つけます。

自転車に乗った彼は自分が昔住んでいた家に向かいますが、そこでジョージーが亡くなった排水溝を見つけます。

覗き込むとそこには黄色いレインコートを着たジョージーがいて、ビルを手招きします。腕を差し出した彼は排水溝に引きずり込まれそうになりますが、なんとか逃げ出します。

そこには27年前にビルがジョージーに作ってあげた紙の船がありました。

べバリーも昔住んでいたアパートへ向かいます。そこには既に父親は住んでいなく、老婆住んでおり、彼女はすでに父親は亡くなったとべバリーに伝えます。

老婆の行為で部屋の中に入りお茶を飲むことになったべバリーはふと壁の隙間を掘り出します。そこには27年前自分が隠したタバコや差出人がわからない手紙が入っていました。

老婆とお茶を飲んでいたべバリーですが、突然老婆は豹変します。彼女はペニーワイズの幻影で、きれいな部屋は荒れ果てた風景に戻ります。べバリーはなんとか思い出の品を持って逃げ出すのでした。

リッチーはゲームセンターへ来ていました。昔そこでストリートファイターのアーケードゲームをやっていました。

ふと彼は広場で巨大な人形に襲われたことを思い出します。

エディは薬局に来ていました。彼は幼いころから喘息の吸入器をそこでもらっていました。彼は薬局の地下で母親が襲われる幻影を思い出します。

驚いた彼はその場から走って逃げるのでした。

ベンは学校に来ていました。

べバリーに好意を寄せた日々を思い出しますが、そこでペニーワイズに襲われます。

なんとか学校を脱出した彼でしたが、思い出の品はずっと持ち歩いていたべバリーのサインをもらった卒業ノートだったことに気づきます。

彼らはそれぞれの思い出の品を手にもう一度集まり、チュードの儀式への準備を進めるのでした。

IT イット THE ENDのネタバレ解説

ここではIT/イット THE ENDの疑問を整理して解説していきます。

もちろんネタバレを含みます。

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それぞれの思い出集め

今回ペニーワイズを倒すために重要なのがチュードの儀式です。そのためにはそれぞれの忘れていた記憶と思い出の品を集めることが重要になります。

ここではビルをはじめそれぞれの忘れていた思い出(というより多くがトラウマ)とその品を整理します。

ビル

思い出…27年前、弟のジョージーに遊びに行こうと誘われた彼は、面倒に思い仮病を使って彼を1人で遊びに行かせ結果的にペニーワイズに殺されてしまいます。

自分が弟を殺す原因を作ってしまったと彼の思い出になりました。

思い出の品…手作りの紙の船

ベバリー

思い出…べバリーは父親から暴力を含む虐待を受けていました。ある日彼女は父親から逃れるため家を飛び出します。

彼女は差出人のわからない(本当はベンから)ラブレターを大事に家の壁に埋めました。

思い出の品…子供の時にもらったラブレター

ベン

思い出…太っていた彼は激しいいじめにあっていました。卒業の時にだれも書いてくれなかったサイン帳にべバリーだけがサインをしてくれました。

彼はキレイで快活なべバリーに恋していましたが、それを打ち明けられませんでした。

思い出の品…ベバリーが書いてくれたサイン帳

マイク

思い出…両親が焼死して、ヘンリーたちの激しいいじめにあっていた彼はルーザーズクラブが石合戦でヘンリーたちを撃退したことでルーザーズクラブに仲間入りします。

思い出の品…いじめにあっていたころにベバリーが石合戦で助けてくれた石

 リッチー

思い出…幼少期からひょうきんな彼でしたが、実はゲイであることを周りに隠していました。ゲームセンターで一緒にストリートファイターで遊んだヘンリーのいとこの男の子に一目ぼれをしました。また、友達の中ではひそかにエディに好意を持っていました。周りに打ち明けられない彼は木の板にひそかに自分とエディのイニシャルを刻むのでした。

思い出の品…ゲームセンターのメダル

エディ

思い出…幼いころから臆病だったエディ。その原因は過保護すぎる母親の歪んだ愛情でした。母親はエディを弱い子供だと思わせるために彼を喘息持ちだと思い込ませます。母親の支配下にあった彼は喘息でもないのに常に吸入器を持ち歩いていました。

思い出の品…喘息の吸入器

スタンリー

思い出…ベンが作ったルーザーズクラブの秘密基地で遊ぶ彼ら。スタンリーはみんなの紙に蜘蛛の巣がかからないようにシャワーキャップを人数分もってきてつけていました。

思い出の品…秘密基地のシャワーキャップ

なぜ彼らは過去の記憶がないのか

マイク曰く、町を離れれば離れるほど過去の記憶がなくなっていました。

一方で町にとどまっているマイクは27年間忘れることなく、新たにペニーワイズが復活したときにいち早く気づきました。

記憶が消える理屈は詳細には明かされていませんが、ラストでマイクとビルの会話から「今回記憶が消えないのは「忘れたくない」という思いが勝ったから」ではないかとマイクが電話で話しています。

幼少期の時は色々トラウマや秘密を抱えたまま時が過ぎましたが、今回はそれを乗り越えたために町を離れても記憶が消えないものと思われます。

スタンリーはなぜ死んだのか

ルーザーズクラブで真面目な存在スタンリーは27年後集まる場に来ませんでした。

彼はバスタブで手首を切って死んでおり自殺しました。

元々原作ではペニーワイズによって自殺に見せかけて殺された、という設定でしたが、リメイク版の本作ではラストで手紙によってスタンリーの真意が明かされます。

曰く、27年後にペニーワイズに立ち向かうときには必ずルーザーズクラブ全員で立ち向かわなければならないが、自分は心が弱いので立ち向かえないと思い、自ら自分の存在を消すことで他のルーザーズクラブのメンバーに後を託したのでした。

原作と映画のチュードの儀式の違い

原作でのチュードの儀式は「ペニーワイズとルーザーズ・クラブのメンバーがお互いに舌を伸ばし、重ね合わせたものを噛み、どちらかが笑ってしまうまでジョークを言い合う」というとんでもない儀式でした。

さすがにこれを実写化するのは不可能ということで、映画のチュードの儀式は思い出の品を集めそれを燃やすしながら呪文を唱えるというものになりました。

結果的に映画ではチュードの儀式は失敗してしまいます。

マイクはなぜ嘘をついたか

ペニーワイズを倒すためにチュードの儀式を行おうとするマイクですが、彼はビルたちにはある事実を隠していました。

それはチュードの儀式をやっていた先住民族たちが過去に何度もペニーワイズの退治に失敗していたという事実です。

マイクはこれをビルたちに伝えなかったのは「成功する」という気持ちを強く持ってもらうためと説明していました。

チュードの儀式は「精神的な意志の戦い」であるため、恐怖心などが勝ると失敗してしまうためです。

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IT イット THE ENDのネタバレ感想

あれから27年すっかり大人になったルーザーズクラブ(負け犬たち)が復活したペニーワイズと対決する本作は1作目、IT/イット”それ”が見えたら終わり、の続編です。

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さてIT/イット”それ”が見えたら終わりは歴代ホラー映画としては記録的なヒットを生んだ作品であり、その続編とあり、世界的にも期待が高い作品だと言えます。

しかし個人的には残念な出来であったと言わざるを得ません。

ここでは1作目を越えられなかった本作の感想を解説していこうと思います。

ペニーワイズの描き方

1作目の最大の立役者はペニーワイズ演じるビル・スカルスガルドの怪演が大きな部分を占めました。

ただ、残念ながらこの2作目のペニーワイズはとにかく化け物の描写が多いです。原作でも蜘蛛の化け物が現れますが、もはやペニーワイズの姿はピエロというよりただの化け物でした。

大人VSピエロ

このイットの良さは子供たちが勇気をもってピエロの化け物に立ち向かうところです。そこに勇気、友情、冒険、そしてちょっとの恋愛が入ります。

残念ながらいい大人になった彼らがピエロに立ち向かうというのはどうしても構図として違和感があります。

さらに言えば、ルーザーズ・クラブのメンバーの多くはかなりの成功を収めており、高級車に乗ったり、もはや負け犬軍団ではないのです。そこのあたりもちょっと感情移入しずらいところではあります。

 長い・薄い

やはり、長いです。もともとは4時間近くあった作品をなんとか2時間40分くらいに落とし込んだために、内容としてははしょりすぎて薄く、時間としてはそれでも長いという帯に短し、タスキに長しという状況になってしまいました。

個人的にはイットほどの知名度があれば3部作にするという手もあったのではないかと思います。

思い出集めを第2部として、チュードの儀式を第3部とするとちょうどよかったように思います。

 よかった部分

ですが、作品としてよかった部分もあります。

一つは純粋なホラー映画としては完成度が高いということです。

それはゴア描写もしっかり描かれ、怖さという面では最近のホラー映画として十分満足できる内容でした。

また、個人的にベンとべバリーの恋愛はいい感じに描かれていたように思います。

そこだけはまだ甘酸っぱい感じがあり、イットのいい部分が出ていたように思います。

最後に

ラストでスタンリーからの手紙が届きます。これは完全に映画リメイクオリジナルでした。(原作ではスタンリーはペニーワイズに殺される)

やはりハッピーエンドで終わるのはいいことです。キングの作品は結構ふわっと終わったり、バッドエンドもあったりするのでその点は見終わった後にすっきりする映画になっています。

特にホラー映画が苦手な人は血が飛び散るゴア描写に耐えられないかもしれませんが、それさえ我慢すれば十分楽しめる作品だと思います。