Netflixオリジナル映画『チューズ・オア・ダイ:恐怖のサバイバルゲーム』のあらすじとネタバレ感想です。
映画の概要
監督
トビー・ミーキンズ
製作
マシュー・ジェームズ・ウィルキンソン セバスティアン・レボ ジョン・ゾイス
製作総指揮
サイモン・アレン ライザ・グルコット ニック・エンジェル
キャスト
アイオラ・エバンス
エイサ・バターフィールド
アンジェラ・グリフィン
ライアン・ゲイジあらすじ
あらすじ
ヒステリックな妻と自分をバカにしている息子に嫌気がさしているハルは、80年代レトロゲームが趣味です。いつものように妻と息子がけんかしているのをしり目に彼は「Curs>R」というテキストベースのレトロゲームをしています。
不思議なことにそのゲームは彼の周囲の出来事とシンクロします。そのうち彼は「妻の耳か息子の舌か?」という決断を強いられます。彼が選択をすると本当に息子は下を切り取られていたのです。
ゲームは毎日行われ、ハルは「家族を守るかゲームをコピーして拡散するか」求められ、彼はコピーを選んでしまいます。
3か月後、母親と二人で清掃のアルバイトをしているケイラは、友人のアイザックの家で「Curs>R」のレトロゲームをみつけます。
賞金がかかっていることもあり、入用だったケイラは指定の電話番号にかけると録音されたメッセージが流れ挑戦を受けるか聞かれます。
ケイラは当然のように挑戦を受け入れますが、それが地獄の始まりでした。
その日の深夜、ケイラがレストランでゲームを起動すると、彼女の周囲で起こる出来事が画面にテキストとなって表示され、奇妙な選択肢が出現します。その選択は現実に影響を及ぼし、ケイラは命のかかった恐ろしいゲームに巻き込まれていくのでした。
調べを続けるケイラとアイザックはいつしかゲームを作ったのはその昔、シンボルの呪いを発見したベックという人物にたどり着きます。
ラスト結末
ゲームをクリアし最後にハルの家にたどり着いたケイラ。ハルの妻ローラと息子ゲイブはすっかりハルにおびえていました。ケイラに出された最後のゲームは「ボス=ハル」を倒せという指令となっており、そのゲームではケイラとハルの両方に、それぞれが経験する痛みを逆転させながら戦うように命令されていました。激しい戦いが続きましたが、ハルは溺れ、ケイラはかろうじて生き残りました。ケイラはゲームの賞金を受け取り、呪いを完全に制御できるようになります。彼女はこの能力を使って自分の大家であり、いやがらせばかりしてくるランスを殺すことにしました。
その後、このゲーム制作者であるベックから電話がかかってきます。彼は実はケイラが働いていた建物の所有物であり、ベックは次に誰が苦しむのかを尋ねます。ケイラは、「苦しんで当然の人」と答えます。
Curs>Rのゲームの概要
「Curs>R」のゲームの概要は主に以下の通りです
- プレイヤーはテキストベースの命令を入力してゲームを進行させる。
- ゲーム内の選択は現実世界に直接的な影響を与え、しばしば危険または致命的な結果を招く。
- プレイヤーはゲームのシナリオに従って「選択」または「死」の二択を迫られる。
- ゲームは終了させられず、一度始めるとプレイヤーはゲームを完了させるか、または現実世界の結果に直面することになる。
- ゲームの作成者(制御者)はプレイヤーの苦しみと同等の利益を得ることができる。
アーサー王の聖杯伝説
本作のストーリー展開は、聖杯伝説における「大きなリスクを冒して大きな価値のあるものを求める」テーマにとても似ています。
聖杯伝説とはアーサー王とその騎士たちが聖杯を探し求める物語に由来しています。聖杯は、キリストの最後の晩餐で使用されたとされる杯であり、キリスト教の文脈では最高の聖遺物とされています。
この伝説では、アーサー王の騎士たちが聖杯を探し求める冒険に出ますが、それは単に物理的な旅ではなく、自己発見と精神的な成長の旅でもあります。聖杯を求める過程で騎士たちは多くの試練に直面し、内面の悪と戦い、自己の限界を超えることを要求されます。聖杯を見つけることができるのは、最も純粋な心を持つ者だけであり、これは高い倫理的、霊的な理想を追求することを象徴しています。
聖杯を求めるクエストは、しばしば内面の変化や成長の象徴として描かれ、その過程で人々は自己の欠点に直面し、それを乗り越えなければなりません。そのため、このテーマは多くの物語で繰り返され、主人公が非常に価値のあるものを追求する際に直面する内面と外面の両方の闘いを象徴するものとなっています。
本作において主人公であるケイラは、お金も仕事も恵まれず、人生が詰んでいる状態でした。さらに内面では、自分の責任で弟がプールで溺死しています。ケイラは実はこのゲームを通じて、内面も外面もすべてにおいて前向きになり、人生が好転することになります。
レベル3では弟は死んだことを再確認するように、アイザックを助けるために偽物の弟を殺します。
さらに最後のハルとのゲームでは自身が石像を抱えてプールに飛び込み、自殺(=ハルの殺害)を図ります。彼女にとってプールは弟が死んだ場所であり、最後そのまま自らを責めて死ぬか、再びプールから起き上がるかは彼女自身の重要な決断でした。(結果彼女は自身の命が尽きる最後の瞬間に生きる意志を貫きました)
感想・レビュー
★★★☆☆
ホラー映画としてはオーソドックスな映画ではないでしょうか。題材としては面白いですし、殺人ゲームの指示に従って進んでいくのは楽しみでした。
一方で、選択肢がしょぼかったり、実際に自分の周りの人間が襲われるシーンがカットされていたりと表現の幅が狭いことからいまいち恐怖感が感じられず、もう一歩という感想です。
ですが、テンポがよく、最後ケイラが呪いの力を手に入れて力強く生きていくのは見ていて気持ちよかったです。