映画「テリファー」の続編となる「テリファー 終わらない惨劇」は前作で死んだと思われていた「アート・ザ・クラウン」が再び復活し、ハロウィンの街を恐怖に陥れる作品です。
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前作から引き続きデイミアン・レオーネ監督が携わっています。
映画の概要
『テリファー 終わらない惨劇』(テリファー おわらないさんげき、原題:Terrifier 2)は、2022年制作のアメリカ合衆国のホラー映画。
アメリカでは公開時に「気分が悪くなった」「嘔吐した」などをSNSで話題となりヒット作となった。
なお、テリファーというタイトルは「Terrify」=恐怖、という言葉に人を表す”er”を足すことで「Terrifier」=恐怖を与える人というのがもとになっていると考えられます。
キャスト
シエナ:ローレン・ラヴェラ
アート・ザ・クラウン:デヴィッド・ハワード・ソーントン
ジョナサン:エリオット・フラム
バーバラ:サラ・フォークト
ブルック:カイリー・ハイマン
アリー:ケイシー・ハートネット
ヴィクトリア:サマンサ・スカフィディ
エリック:グリフィン・サントピエトロ
タラ:ジェナ・カネル
ドーン:キャサリン・コーコラン
あらすじ
深夜のマイルズ郡で神出鬼没の連続殺人鬼「アート・ザ・クラウン」が次々と人を惨殺していった事件。
あの惨劇から1年後。死体安置所では復活した「アート・ザ・クラウン」により事務員の男が無残にもなぶり殺される。。。。
絶命したかにみえたアート・ザ・クラウンがハロウィンの町へ再び現れる。アート・ザ・クラウンはハロウィンで仮装した人たちに紛れ1人1人と持ち前の残虐さと冷酷さで人々を殺していく。
そして、彼が狙ったのは父親を亡くしたシエナとジョナサンの姉弟でした。
友人、家族が殺される中シエナとジョナサンはアート・ザ・クラウンからの追跡を逃れようと夜の遊園地を走り回る。
映画の見どころ・感想レビュー
前作から6年、待ちに待ったアート・ザ・クラウンが帰ってきました。ジェイソンだってマイケルマイヤーズだってハロウィンには何度も復活して帰ってくるんだから、殺されたぐらいじゃ死にません(?)。
前作に続き、不気味な衣装に無言のパントマイムの動きは超人的な怖さを持ち続けています。「低予算の作品が資金潤沢なハリウッド映画に勝つにはありきたりなことをやっていてはだめだ」、というデイミアン・レオーネ監督の意気込みどおり、本作もハリウッド映画では見れない、ゴア描写・スプラッタ描写のオンパレードになっています。
ゴア・スプラッタ描写は健在
ホラーファンにとっては1に続き満足できるゴア・スプラッタ描写だったのではないでしょうか。むしろ1に比べると場面の移り変わりがかなりあるので、TPOに合わせてその場所や状況に応じて使う武器屋殺し方も変わっているところは2の一番の見どころではないでしょうか。
特にスラッシャー描写だけでなく、殺した生首にキャンディーをいれて子供たちに配ったりするシーンは見てるこっちのほうがハラハラドキドキしてしまいます。
そういう意味では親の前で娘を惨殺したり、かなりインモラルな部分の描写もあるので、気分が悪くなったりする人がいるのも納得です。(ただ、不思議と悲しくはならない。。。。)
デイミアン・レオーネ監督の高い特殊メイクや特殊効果
でもやっぱりデイミアン・レオーネ監督は「人体破壊の表現」がうまいですよね。
スプラッタだと血が飛び散りまくるというイメージあるかもですが、実は本作はそんなに血が派手に噴き出る、ということもなくどちらかというと人体破壊が血で見えなくならないように抑え気味だったりします。
一方で、女性の大量の経血を彷彿とさせるようなシーンが何度かあったり(一度じゃないんですよね。。。)、人間の骨をダンボールやぶるように裂いていくのはやりすぎだと思う部分もありますが、まあそれも1つの表現法やエンタメだと思えばむしろ見ていて満足です。
少女版アート・ザ・クラウンの存在感
個人的に本作で一番テンションがあがったのはクラウンの少女。
アート・ザ・クラウンと同じ化粧をして時に彼と遊び、時に彼と協力する彼女は、もはやアート・ザ・クラウンにとってなくてはならない存在。
作中彼女は誰も殺さないですし、実は残虐な一面は見せないのですが正直座ってるだけでもう見ているこちらの血の気がひきます。
おそらくこれはアート・ザ・クラウンだけでもヤバイのに同じようなやつが実はもっと、2人、3人、4人といたら世の中ヤバすぎる!というざっくりな恐怖だと思ってます。
まあ、実在しないはずなのにシエナとジョナサンには見えていたりちょっと矛盾も感じるところがあったりしますがそれを超える存在感がありました。
ネタバレ解説
前作を見て本作を見た人の中には「テリファー2はどこからどこまでが現実なんだ?」とか「つじつま合わないところが多くないか?」と感じた人もいるのではないでしょうか。
私なりの解釈を書くと、本作で復活したアート・ザ・クラウンはもう生きている人間などではなく、もう化け物や悪魔の類になっていると考えるのが妥当でしょう。
ジェイソンしかり、初期のころの殺人鬼からナンバリングタイトルについてはもはや殺しても死なないし、なんだったら宇宙に行っても死なないぐらいの化け物になるのがこの世界のお約束みたいなものなのでアート・ザ・クラウンももはや不死の化け物になったと考えたほうがいいでしょう。
それを象徴するようにラストで精神病棟に隔離されているヴィクトリアがアート・ザ・クラウンの頭部を出産するシーンがありますが、もはやアート・ザ・クラウンは常にリボーン(再生)することができることを表しています。
最後に
アート・ザ・クラウンが化け物になって不死になったことからも今後作品が続くことが考えられるでしょう。むしろシエナと剣の力もまだまだ解明されていないわけですし、これからアート・ザ・クラウンとシエナたちの戦いは続くとみて間違いないでしょう。