ゾンゲリアの評価
★★★★★
カルト映画の名作ゾンゲリア。
興行収入こそ振るわなかったものの、不気味な雰囲気とその完成された世界観は似た映画を寄せ付けない完成度だと思います。
奇妙な村でハラハラドキドキなホラーとしての良さと、そこで捜査に乗り出す警官のミステリーとしての要素が見ていて飽きさせない名作です。
ゾンゲリアのあらすじ
小さな町ポッターズブラフで写真家の男が写真を撮っています。
するとどこからか女性が現れ彼を誘惑しますが、突然男たちに囲まれ縛り付けられた上ガソリンをかけられ焼かれてしまいます。
その夜保安官のダンは車の中で焼かれた男を発見しますが、葬儀屋のドッブスが調べていると男は息を吹き返し、昏睡状態になります。
入院したその男の身元を調べたところ、ジョージ・ルモインという外の町から来たもので行方不明になっている男でした。
ダンが捜査をすすめていくとダンの妻で教師のジャネットが写真家とホテルで会っていたことがわかります。
彼女は学校の教材をお願いしたと言い訳しますが、それは嘘でした。
妻を怪しいと思いながらもダンは追及しきれませんでした。
その後も、漁のためやって来た漁師が殺害されます。
入院していたルモインは看護婦の女によって殺されてしまいます。
しかし、不思議なことに死んだはずのルモインは翌日にはガソリンスタンドで働いていたのでした。
その後もヒッチハイクしていた女性も行方不明になります。
相次ぐ殺人に困惑するダンですが、さらにジャネットの引き出しからブードゥー教や魔術の本を発見し、事件との関与を疑います。
捜査を進めていくと死体が消えていく原因にドッブスを疑い始め、彼の身辺調査をします。
すると、彼が以前ロードアイランド州プロビデンスで主任病理学者であったこと、そして10年前に無許可の検死を行い解雇されていた事を知ります。
結末ラスト
ドッブスの元に向かったダンは驚愕の事実を知ります。
なんと実は町の住民は皆死んでおり、ドッブスが蘇らせ、その後も体を修復しているというのです。
そして、ジャネットもその一人なのでした。
自らが死人であることを知ったジャネットは自分を殺して埋めることをダンにお願いします。
ダン悲しみながらジャネットを埋めます。
ドッブスの部屋に戻った彼は映像の続きを見て衝撃を受けます。
自分自身も死人だったのです。
ゾンゲリアのネタバレ感想
ロメロの「ゾンビ」とフルチの「サンゲリア」を併せただけの安易な邦題で、落とし穴では?と思ってしまうのがこのゾンゲリアです。
題名からゾンビ映画か?と想像してしまいますが、そうではありません。
待てども待てどもゾンビは出てこず、新興宗教の信者のような死んだ目をしている頭のおかしい殺人集団しか出てきません。
それでもこの家がゾンビを彷彿させるのは確かに死人が歩き回るからなんですね。
新しくて古いゾンビ映画
ゾンビの亜流映画としては(そうではないのかもしれませんが)ホラーとしての要素を多く含んでいる不気味な雰囲気をしっかり持っています。
あまりホラー映画を見ない人にとってもミステリーとしての要素が見る人を楽しませてくれるので個人的にはぜひともホラー映画が苦手な人に見てほしい作品です。
もちろん、注射針を顔に刺したり、硫酸を顔に流し込んだりグロ描写もばっちりですので、ホラー玄人にも大満足な内容になっています。
ラスト結末は好みが分かれる
人によってはラストは余計だったという人もいるかもしれません。
ただ、私としては結構楽しめたラストでした。
奥さんが実はすでに死んでいたという事実から、さらに自分も死んでいたというどんでん返しが二重に来るのでいい意味で裏切られました。
まるでシックスセンスのような(一説には元ネタになったとか)ラストに個人的には大満足です。
最後に
カルト映画のおすすめ作品の一つがこのゾンゲリアです。
ぜひともホラー映画苦手な人も見て楽しんでください!