映画P2の評価・あらすじとネタバレ感想【その男要注意】

P2

映画 P2の評価

★★★★★

紛れもない良作。

2007年と言う古い作品ながらなぜ今まで知らなかったのだろうか。

ホラー・パニック両面から見てもよくできた作品でしょう。

キャストも正直知らない人だし、他にも出演作品が無いのですが、おそらく製作サイドが優秀だったと考えられます。

それもそのはず。『ハイテンション』『ヒルズ・ハブ・アイズ』のアレクサンドル・アジャの製作ではないですか。

私が好きでないはずがないわけです。

こちら2作品はホラー好き、スプラッタ好きなら当然知っている作品であり、本作はスプラッタ描写も一部本格的に出てくるのでその辺も私の満足感を押し上げています。

2作品は異常者と食人の話ですが、こういう日常系のホラーも描けるなんてアレクサンドル・アジャの鬼才がうかがえます。

見どころはネタバレ感想で詳しく書いていきます。

映画P2のあらすじ

クリスマス・イブに残業していたアンジェラは家族のもとへ帰るために急いでいました。

地下駐車場にとめた自分の車のエンジンをかけようとしますが、どうしてもかかりません。仕方なく駐車場の警備員の人に助けを求めタクシーを呼びますが、ビルのドアはすべてロックされていて外に出ることができませんでした。

電気まで落とされてしまい途方に暮れていると、何者かに襲われ意識を失ってしまいます。

意識を取り戻した彼女は、足かせをはめられ警備員室でトーマスという警備員に監禁されてしまいます。

彼はアンジェラに好意を寄せているストーカーだったのです。

アンジェラはなんとかしてトーマスとこのビルから逃げ出そうと画策します。

映画P2のネタバレ感想

まずP2とはパーキングの2階、地下2階のことです。日本だとB2のほうがわかりやすいのでしょうが。

さて、評価でも書きましたが、とても面白かったです。

アレクサンドル・アジャの作品はホラー映画にありがちな単調な展開ではなく、しっかりと起承転結ができているストーリー性のある作品なのですが、この映画もそれをしっかりと体現しています。

あり得る恐怖

ストーカーものの名作と言えばキング作の「ミザリー」なんか思い出しますが、「あり得そう」という恐怖はホラー要素としてとても重要だと思っています。

今回も美人な仕事一筋のキャリアウーマンが、おそらく毎日会っているであろう警備員に実は好意を寄せられる、なんてどこにでもありそうです。

華奢な女性=弱者が、警備員=強者、しかも本来は守るべき立場にいる人間に追い詰められるという設定が秀逸です。

(ミザリーも骨折した男性が女性ストーカーに監禁されるという話なので同じ構図ですね)

ビルの王様は警備員

しかも今回はビルの警備員という設定がかなり秀逸です。

改めて思えば、高層ビルというコンクリートジャングルの王様は社長ではなく、ありとあらゆる場所をロックできる警備員ですよね。

いわば彼の牙城にみんな何も知らずに入って行ってるわけなので、恐ろしい話です。

しかも地下駐車場と言えば、出口は1つでエレベーターと非常階段だけという密室なわけです。叫んでも誰にも聞こえない。

走り回るシーンがありながら、なぜか閉塞感を感じるのは上も下も壁もすべてコンクリートに覆われて薄暗い中に監禁状態だからなんですね。

 グロ描写も健在

アレクサンドラ・アジャならやはりグロシーンでしょうが、本作も健在です。

特にトーマスがアンジェラの上司を車で轢き殺すシーンがこの作品をR18にしてしまったのでしょう。

しっかり臓物が飛び出てましたからね。

あのシーンは入れる必要ない、という意見もあるようですが、アジャがどうせ製作するならばっちり入れてOKだと個人的に思いますね。

最後に

今まで全然知らなかった作品ですが、 久しぶりに掘り出し物を見つけました。

アンジェラ役とトーマス役の人は全然見かけませんが中々いい演技していたと思うんですがね。

ぜひ一度ごらんください!