デーモン・インサイドの評価
★★★★☆
悪魔や悪霊系の話かと思いきや、いい意味で裏切られた作品でした。
お話はシンプルなのですが、それでも展開が2転3転して、飽きない作品です。
この手の映画はラストがグダグダになるケースが多いのですが、ラストも個人的にははじめて見る感じの終わり方でとてもよかったです。
それにしても女性って怖いですね、、、、
デーモン・インサイドのあらすじ
レズ夫婦のジャッキーとジュールズはジャッキーが子供のころ住んでいた山奥の湖畔のロッジを訪れます。
その日の夜に近所に住むジャッキーの幼馴染がやってきます。
彼女はジャッキーを違う名前で呼び、2人のぎこちない会話を不審に思ったジュールズは翌日に湖の向かいの彼女の家を訪ね、ジャッキーが昔湖で友人を失ったときの話を聞きます。
2人の違和感の原因の理由に納得したジュールズはジャッキーと仲直りし、山を散策しはじめます。
すると突然ジャッキーがジュールズを崖から突き落として殺害しようとします。
ジュールズは瀕死の重傷を負いながらも、一命をとりとめジャッキーから逃げ出します。
しかし、ほどなくしてジャッキーにつかまってしまいます。
すぐに逃げ出したいジュールズ、すくに殺したいジャッキーでしたが、幼馴染夫婦との食事の約束を果たすために仕方なく共に行動します。
食事中隙を見てジュールズは幼友達にジャッキーがサイコパスであることを話しますが、それを見つかってしまい、ジャッキーは幼馴染夫婦を惨殺します。
ジャッキーはジュールズを車に乗せて彼女を突き落とした崖まで連れていこうとします。ジュールズは隙をついて落ちていた麻酔銃の弾をジャッキーに突き刺し逃げ出します。
結末ラスト
追いかけるジャッキーでしたが、麻酔が聞いて意識を失います。その隙にジュールズは一度は逃げ出しますが彼女を殺すために戻ってきます。
しかし、すでに彼女は意識を取り戻しており、ジュールズを崖から突き落とし殺しました。
警察に通報したジャッキーはいつものように演技をして悲劇のヒロインを演じます。
ふと、ジャッキーは立ち眩みや吐き気を催します。
ふと、パソコンを見ると動画が再生されます。
そこにはジュールズが映っており、彼女がジャッキーの注射器に漂白剤を塗って彼女を殺すために仕込んでいたいたことを告白します。
デーモン・インサイドのネタバレ感想
一見幸せそうな レズのカップルが実は片方がサイコパスという展開の映画です。
B級低予算映画であることは間違いないのですが、久しぶりにいい映画を見たなという満足を得られる作品でした。
音楽がよい
まず一番に思ったのはBGM含めて音楽がよく考えられていること。世界観の醸造のために重低音の音楽も流れますし、映画中にジャッキーが歌うデーモン・インサイドの歌は見ていてなんとも意味深な歌です。
内に秘めた悪魔を血を流して外に出して
また私を愛する?
悪魔が中にいる
血を流して外に出して
また私を愛する?
街に一人残し、森に一人残した
そして、あなたを置いて川を越え、ここに来た
朝に置いてきた二人の驚いた表情
夜に舞い戻り、祈る者を襲う
内に秘めた悪魔を血を流して外に出して
また私を愛する?
悪魔が中にいる血を流して外に出して
また私を愛する?
悪魔よ出ておいて
悪魔が中にいるよ 早くお逃げ
悪魔よ出ておいて
悪魔よ出ておいて
私と顔を合わせたら目をくりぬくよ
一人は赤ん坊のようにひたすら泣いた
一人は罪人のように許しを乞うた
あなたを置いて
映画を見終わったあとにこの曲をもう一度聞くとジャッキーの心のうちが透けて見えるようです。
ジャッキーは実は心の中に悪魔がいるようなサイコパスで、これまで何人もの女性を虜にしては殺してきました(ジュールズが見つけた血の付いたペンダントの束から)
それを悲しいような、切ないような、鋭いような、恐ろしいような目で歌うジャッキーは本当に人の心を諦めた悪魔のようでした。
レズ同士のバイオレンス映画
通常男女の仲で男もしくは女が相手を殺すというのはよくある話だと思いますが、今回は女性同士の殺し合いというのはありそうでなかった設定だなと思いました。
女性は力がない分、相手を知略やはったり、隙をついて殺そうとします。
ジャッキーもジュールズを突然崖から突き落としましたし、ジュールズもジャッキーを漂白剤で毒殺しようとしました。女性らしいバイオレンス映画というのは必ずしも殴り合いや暴力でなく、騙しあいや不意打ちになるわけですね。
美しきジャッキー
今回の殺人鬼はいかにも、という醜い顔やマッチョだったりではない。
白い肌に深紅の口紅が似合う美しい女性なのです。
ジャケットも斧を持った血しぶきをあびたジャッキーだが、それも妖艶な面持ちであり、女性の美しさと怖さの両方を兼ね備えており、見ているこちらは恐怖とともに心惹かれるという魅力がありました。
デーモン・インサイドの最後に
同名の作品がメキシコの作品であるようです。
断然こちらのほうが面白いでしょう。
バイオレンス作品とはいえ、男だけでなく、美しい女性が女性を襲うという素晴らしい作品です。
ぜひバイオレンス作品に耐性がある方はご覧ください!