ヒッチハイク・キラーの評価
★★☆☆☆
一言「何か起きそうで何も起きない」
ヒッチハイクして人を殺す殺人鬼が出る、という題材はそれなりに面白そうな話ですが、残念ながらその本質的な面白さが表現できていない作品です。
出だしからそれなりにワクワクし、ヒッチハイクして乗った車がとんでもない男の車だった、、、というのであればいいのですが、下手にひねってしまっているため最後まで少しグダグダになってしまいます。
ヒッチハイク・キラーのあらすじ
ジャックは恋人は友人の寝取れられるわ、旅行中にバッグは盗まれるわで災難な旅をしていました。
一文無しの彼は仕方なく、ヒッチハイクで故郷のイギリスを目指していましたが、中々道中で乗せてもらえません。
同じころフランス人女性 ベロニクと出会い、ジャックは運命を感じ二人でヒッチハイクを試みますがうまくいきません。
ベロニクはここらへんでヒッチハイカーを狙った連続殺人事件が起きているため運転者は警戒しているとのことでした。
ある日、道でヒッチハイクに成功し、グリザードという男の車に乗ります。妻がイギリス育ちという彼はジャックたちに自分たちの家に来て欲しいと懇願します。
乗り気でないベロニクに対してイギリス行きの船がストで動いていないという話を聞き、仕方なく彼の家に滞在することにしました。
しかし、彼の家では精神的に不安定な妻や気味の悪い出来事が起きます。
翌朝、起きるとジャックは「ベロニクは朝早く出て行った」と言われてしまいます。
結末ラスト(ネタバレ)
ベロニクは実は幼少のころから人を殺すことに快感を覚えるサイコパスでした。
グリザードたちはベロニクの実の両親で、ベロニクが外に出ていくたびに連れ戻していました。また、今回も殺人を犯さないように密かにジャックとベロニクを遠ざけようとしていました。
しかし、そんな両親の思いと裏腹にベロニクはジャックを利用して外の世界に飛び出してしまうのでした。
ヒッチハイク・キラーネタバレ感想
出だしのほうの雰囲気はとてもいい作品です。「ここらへんは殺人鬼が出るんだ」という感じといかにも怪しいおじさんが車に乗せてくれるあたりはワクワク感が感じられます。
ただし、少し肩透かしの感じを受ける作品になってしまいました。
伏線が回収されない
ベロニクが殺人鬼なのはよしとしても、なぜグリザードたちはジャックに親であることをひたすら隠すのでしょうか。ベロニクにしても親であるグリザードたちを完全に他人扱いですし、パスポートを勝手に見ていた部分なんかも親なら別に問題ないように思います。
そこらへんが最終的に「私たちはベロニクの両親だ」と言われても「あ、え?!そうなの?!」と思ってしまうわけです。
結局誰も死なない
ヒッチハイクキラーというからには誰か死ぬのかと思いきや一切その状況はなく、むしろ狩猟上のおじさん(結局彼はなんなのか?)にちょっと脅されるだけでした。
彼はジャックを縛って運んでいますが、結局何がしたかったのか、、、、、殺すつもりだったのか、助けるつもりだったのか、、、ご飯も作ってましたが、普通のスープ見たいでしたし(自分も食べていたので)そこらへんも解説はほとんどなく「想像にお任せします」と言う感じでした。
最後に
スリラーとしては不気味な雰囲気がありいい部分もあるのですが、一方でラストに近づけば近づくほど投げやりな展開に少し残念です。
もう少し意外な犯人や意外な動機、隠された秘密があればよかったのですが、結局ジャック自身もベロニクの正体に気づかず旅を続けるわけなので、結局彼がそのあと殺されたかどうかも不明です。
ぜひとも愛を選んだ末にジャックはベロニクに殺されるという展開を期待して今日はここらへんにします。