映画といえばフィクションとして現実離れした世界を楽しむことができるものがほとんどです。
しかし、中には実際の事件や事実に基づいて作られた作品もあります。
今日は特に奇想天外な実在の事件をもとに作られた作品を紹介したいと思います。
映画 死霊館~エンフィールド事件~
アナベルの人形で有名なホラー映画「死霊館」。
その続編となるエンフィールド事件は実際に起きたポルターガイスト現象が元になっています。
【エンフィールド事件】
エンフィールドのポルターガイスト事件は1977年8月からイギリス、ミドルセックス州のエンフィールドで起きました。
ラップ音と呼ばれる家中に音や声がするものからはじまり、小さな家事が起きたり、物が勝手に移動するなどが実に2年2ヶ月にわたり続いたとされ、史上最長のポルターガイストといわれています。
記録されたポルターガイスト現象だけで1500以上あり、その体験をしたのは当時調査をしていた英国心霊調査協会メンバーだけでなく警察、報道関係者も経験していることから誰かのヤラセやいんちきでないことがわかります。
特にマスコミで議論になったのは映画内でも展開されている「謎の男の声」です。
11歳の少女から発せられる声は、通常は発することができないような卑猥な話であったり、不自然な発声だったそうです。
結果的に原因は不明で、ポルターガイストはパタっと止まったといいます。
映画はこちら↓↓↓
また、死霊館自体も実在の霊能者を元に作られています。
死霊館シリーズはこちら↓↓↓
映画 隣の家の少女
ジャック・ケッチャムの1989年発売の小説を元に制作された作品ですが、もともとは「インディアナで起きた最も恐ろしい犯罪」と称された「シルヴィア・ライケンス殺害事件」からインスピレーションを受けて作られた児童虐待の映画です。
【シルヴィア・ライケンス殺害事件】
シルヴィア・ライケンスはこの事件の被害者となった女性の名前です。
ライケンス姉妹はバニシェフスキー家へ下宿していました。当時16歳でした。元々旅芸人だった両親のために各地を転々とし、よその家に下宿することが多かったのです。
事件はライケンスの親がバニシェフスキーへの下宿代の支払い遅延から始まりました。
はじめはバニシェフスキー自身の殴打からはじまり、後にバニシェフスキーの恋人や子供たちも彼女に暴力をふるうようになりました。
虐待の後期になると、タバコの火を押し付けられたり、クラスメートや友人たちの前でストリップを強制的にさせる、性器へコーラ瓶を強引に挿入するなど行為がエスカレート。
その後に地下室に閉じ込められ、熱湯をかけられる、食事を与えないようになりました。
最終的に虐待の結果、シルヴィアは死亡してしまいます。
以上が事件の概要ですが、これでもかなり残酷な表現を避けて書いておりますので実際に知りたい方は調べてみてください。
この事件の特殊性は女性の虐待にもかかわらず、性的暴行の後がないことです。
なお、映画では性的暴力の描写があり、個人的には事実と違うこれらの作風にがっかりしています。
映画 全員死刑
福岡県で起きたとんでも事件といえば「大牟田4人殺害事件」です。
ヤクザ一家が起こした事件とはいえ、あまりに行き当たりばったりで行動する彼らは文字通り、父親も母親も兄も弟も「全員死刑」になりました。
【大牟田4人殺害事件】
2004年9月16日福岡県大牟田市の暴力団組長一家(北村一家)が、知人の闇金融業者一家3人とその友人1人の計4人を殺害し、車ごと川に死体を遺棄しました。
動機はお金でした。北村一家はヤクザの家族で、殺害した闇金業者は北村一家の威光で貸し金のビジネスをやっていましたが、闇金業者は儲かる一方で北村一家は常にお金に悩んでいました。
彼らがたどりついたのは「じゃあ、あいつらを殺そう」という単純なものでした。
この事件の怖いところは彼らがとにかく行き当たりばったりで行動するところです。
「殺そう」と思いついてからほぼ直後に殺害、近くにいた知人もついでに殺害、お金を取るはずがお金の隠し場所も聞かずに殺し、死体の遺棄もお粗末で車ごと川に投げ捨てるという始末でした。
作中でもとにかく無茶苦茶やる一家ですが、それをドライな笑いに変えています。
とんでもない事件ですが、ドライな笑いが好きであれば一度ご覧ください。
愛なき森で叫べ
「愛なき森で叫べ」はネットフリックスで見られる北九州監禁殺人事件にインスピレーション受けた作品です。
愛なき森で叫べ
2002年(平成14年)3月に北九州市小倉北区で発覚した監禁、殺人事件です。
その内容があまりにも残虐で非道なものだったため当時報道自粛もあり、世間にあまり内容が知られていない事件です。
詐欺師の松永太が拷問と監禁、そして相手の弱みを握ることによって、ある家族や友人たちをマインドコントロール下において殺し合いや死体処理をさせた事件です。
映画 ヒルズ・ハブ・アイズ
原作というよりは多くの食人族系の映画全般に影響を与えた事件といえば「ソニー・ビーン」が挙げられます。
ヒルズ・ハブ・アイズだけでなくクライモリなど多くの作品へ影響しているといえます。
【食人鬼ソニー・ビーン】
アレクサンダー・“ソニー”・ビーンは、15世紀頃スコットランドにいた一族を率いて多数の人間を殺害、その肉を食したとして処刑されたという伝説で知られる人物です。
ビーンは若いころから怠惰で粗暴で労働を嫌って家を飛び出し、洞窟で暮らすようになりました。女性と2人で住んでいたとされる彼は日々の生活の糧のために旅人を襲っていたといわれます。
そして、犯行がばれないように死体を持ち帰り、結果的に飢えに耐えかねて殺した人間の血肉を食べていたと言われています。
また、ビーン一家は近親相姦を繰り返し、結果的に48人の大家族を作ったと言われ、常に旅人を襲っては食べる殺人集団になっていき、犯行は25年にわたって続いたとされます。
ソニー・ビーン – Wikipedia
www.horrorxzombi.com
多くの映画で食人族が奇形をしていますが、これらは核実験によるものであったりしますが、ソニービーンの事件を見ると近親相姦によるものだと推測されます。
多くの食人系の映画を作るきっかけになる事件です。
他の食人系の映画はこちら
映画 子宮に沈める
社会的にも大きな影響を与えた事件が大阪2児餓死事件を映画化した作品「子宮に沈める」です。
【大阪2児餓死事件】
2010年7月30日、「部屋から異臭がする」との通報で駆け付けた警察が2児の遺体を発見しました。
子供は餓死しており、死後1ヶ月ほど経っていたと言われ、遺体が発見されるまで「子供の泣き声がする」と虐待を疑う通報が児童相談所に何度かあったが発覚しませんでした。
同日に風俗店に勤務していた2児の母親(当時23歳)を死体遺棄容疑で逮捕し、後に殺人容疑で再逮捕することになりました。
非常に残酷な話ですが、この被告自体も自身が育児放棄を経験していたことから本当に彼女だけが悪いのかは難しいところです。
映画自体も育児放棄の重要性を訴える作品として不定期に放送されています。
映画クリーブランド監禁事件~少女たちの悲鳴~
アメリカで起きた驚きの監禁事件がこの映画の題名にもなっている「クリーブランド監禁事件」です。
【クリーブランド監禁事件】
クリーブランド監禁事件は2013年にアメリカ合衆国のクリーブランドで発覚した誘拐監禁事件です。
2002年から2004年にかけて行方不明になった女性3人が、監禁されていた家から約10年ぶりに救出されたことで当時ニュースとなりました。
容疑者として逮捕されたアリエル・カストロは被害者宅の近隣地区に住むスクールバス運転手の男で、なんと監禁中に女性に自分の子供を産ませていました。
複数の女性を監禁する事件は日本でも起きていましたが、よくこの事件が引き合いに出されます。
女性たちは性的暴力を継続的に受けており、妊娠すると暴行を受けて流産させられていたというからひどい話です。
なお、カストロ被告には禁錮1000年が言い渡されました。
ポゼッション
サム・ライミ監督が実在する”ディビューク”の呪いの箱を映画化した作品です。
【”ディビューク”の呪いの箱】
2004年7月25日のロサンゼルス・タイムズ紙に、世界中の読者が関心を寄せた驚くべき記事が掲載されました。大手オークション・サイトのeBayに、所有者に厄災をもたらすアイテムが出品されていたというのです。
サム・ライミが震え上がった“実話”……『ポゼッション』 | RBB TODAY
見た目はなんともない木箱ですが、降霊術にも使われたりするものでした。
中にはディビュークというユダヤ民話の中に出てくる悪魔です。なお、古代ヘブライ語で「封じ込めた霊」という意味です。
実話を元に作られた映画の最後に
衝撃的な映画を見た!と思ったら実はそれが実話だった、ということで二度も衝撃を受けることがあります。
作品によっては一番最初に「この作品は事実に基づいて制作されています」というテロップが出たりもします。
中には犯人が未成年であったり、解明されていないため詳細が伏せられている事件もあります。
たとえば映画「正体不明THEM(ゼム)」はルーマニアで実際に起きた事件ですが、犯人は子供で動機もいまいち(「遊びたかったから、、、」)ということで、なんとも怖い話です。