ワールド・オブ・ゼットの評価
★★☆☆☆
一言で言えば「よくある残念ゾンビもの」
ハリウッド映画でブラッド・ピット主演の「ワールド・ウォーZ」のパクりタイトルなので嫌な予想をしながら視聴しましたが、そうなってしまったかという感じ。
パニックシーンは3割、残りは7割はそこに生き残った人間同士のやり取りが繰り広げられます。
つまり、7割は役者の演技力で決まってしまうという危険なパターンです。
B級映画としてはそこそこな作品で、ゾンビ好きな人はOKです。
あらすじ
ゾンビが蔓延する世界で生き残っている二人の男がいました。一人は学者でもう一人が軍人でした。
二人は銃火器を駆使して迫り来るゾンビを撃退していました。
ある日、生活していくために一緒に医療関係者がいたほうがいいという話になり二人は病院へ向かいます。
そこには医者と看護師の二人の姉妹がおり、彼らに合流して一緒に病院を脱出します。
脱出する際に一人の生き残りの男性が軍人を追ってきます。
彼は軍人を昔から知っているようで彼を非難します。
叫び続ける彼を無視して一向は隠れ家に移動して、女性たちに銃火器の使い方を教えました。
しかし、隠れ家を変えても知恵のないはずのゾンビが何度も襲ってきます。
実は病院で出会った男性がゾンビを引き連れて追いかけてきたのでした。
森の中で男性を追い詰め、いろいろ学者が聞き出そうとしました。
しかし、途中で女医の女性が撃ち殺してしまいます。
彼らもついに最後の隠れ家でゾンビを向かい打ちます。
学者が長年試行錯誤で作ったお手製のダイナマイトを使ってゾンビを撃退します。
しかし、ついに大量のゾンビの前になすすべもなく女性の一人と軍人が犠牲になります。
軍人は最後に自分が兵器開発のためにゾンビの原因となるウィルスを作ったことを告白します。
生き残った学者と妹は軍人に軍服を着せて船乗せて水の上を進ませ丁重に弔いました。
ワールド・オブ・ゼットの感想
見る前にハードルを高く持っているか低く持っているかで評価が大きく別れる作品でしょう。
ワールド・ウォーZと勘違いして見ると完全に想定違いの作品となってしまいます。(予算も俳優の格もぜんぜん違いますからね)
人間ドラマのゾンビ映画
本編の救いになるのはゾンビ映画の根本的な部分です。
大ヒットアメリカドラマの「ウォーキングデッド」はゾンビがはびこる世界で生きる人間たちの生き様のドラマです。
「ウォーキングデッド」が教えてくれるゾンビの世界で必要なものは3つあります。
それは「食料」「武器」「助け合える集団」です。
特に3つ目が重要になります。
おそらく本作品もこの「助け合える集団」をしっかり描いていこうと作品を作ろうする気概が見えますが、中々うまくいってないかな、というのが正直なところです。
これはこの作品というよりは映画という90分の尺に収めるのが難しいというのがあります。
なぜなら軍人が抱える悩みや秘密というのが多いため、その謎の提起から解明までがすごいスピードで行われてしまうため、結果的に内容が薄い作品になってしまうのです。
雰囲気は良い
チープな作りなんですが、聖書?創世記?の引用なんかは個人的には好きです。ただ、内容が少し伴っていないのでそこは残念です。
銃撃戦や逃走シーンなどパニックシーンなんかもゾンビ映画なりに迫力があります。
スケールが大きいんだか小さいんだか
少し話が大きくなりすぎてしまった感じはあります。
世界を滅ぼすほどの作戦を脳みそ筋肉っぽい軍人が大佐とは言え、秘密に指揮するなんてあるのかなぁというのがちょっとスケールの割に現実味がないですね。
一方でゾンビの世界で感染した家族を殺すなんて当たり前すぎて今更、、、という感じなのに軍人が騒ぎすぎるのも今度はスケールが小さすぎます。
ワールド・オブ・ゼットの最後に
レビューサイトを見るとワールドウォーZと間違えたというのが多く、少しクスッとなります。たしかにあの作品と思って見るとかなりチープな作りに愕然としますね。