ゴーストストーリーズのあらすじ
心理学者のフィリップ・グッドマン教授は、イギリス各地でニセ超能力者やニセ霊能者の嘘を暴いてきました。
彼は目の前の見えている者だけ真実と信じています。
ある時グッドマンは、自身が憧れていた学者キャメロン博士から連絡を受けます。
彼は長らく行方不明になっており、博士は隠れるようにトレイラーハウスで暮らしていました。彼はこれまで多くの嘘を暴いて怪奇現象や心理現象はないと言い切ってきましたが、彼自身ある3つの事件に出会ってからは自分が間違っていたと考え隠居していたのでした。そこでは彼はグッドマン教授に3つの事件を調べなおして欲しいと言います。
夜間警備員、家族関係に問題を抱える青年、妻が出産を控えた地方の名士……3人の超常現象体験者に話を聞くため、グッドマンは旅に出ます。
しかし、そこで彼が知るのは想像を絶する残酷な現実でした。
ゴーストストーリーズネタバレ感想
ある意味印象に残る映画ですね。好みは分かれるところでしょうか。
まず演技派俳優が揃っており、展開はベタでありつつ丁寧に作られているので、「よくできた世にも奇妙な物語」や「よくできた怪談話」というところでしょうか。
怪談話好きな日本人
特に個人的には1つ目の警備員の話なんかは王道の怪談話としてとても好きです。
例えば口裂け女みたいな怪談話は多くの場合、事実が淡々と述べられるケースが多く、そこになんらかの練られたシナリオなんて存在しません。
日本人は特にそういうシナリオよりも、「その幽霊はこういう子供の霊だ」とかの霊魂の由来のようなものがすっきりすればそれでOKな不思議な生き物ですよね。(それじゃ何も解決しないのですが、、、)
その点前半は結構楽しんだ日本人が多いのではないでしょうか。
結末のオチ解説
さて、問題は後半から結末にかけての展開ではないでしょうか。
前半は単にインチキを暴くお話から、後半は一転マーティン・フリーマンが出てきたあたりから雲行きがあやしくなってきます。
それはインチキを暴くリアリティショーから突然不思議の国のアリスの世界に飛び込んだようで、壁をはがせば別の世界へ飛んでいき、死んだ人間が目の前にいたりとSFのような世界に様変わりです。
そして、ラストでグッドマンは実は植物人間状態で、彼が昏睡状態の意識下で見ていた夢だったという結末オチになります。
散りばめられた伏線を回収する楽しみ
最終的に全て植物状態であるグッドマンの夢であることが明かされます。
しかし、3つの事件を体験している時に多くの伏線があることがわかります。
3人の登場人物
まずは3つの事件の3人の登場人物は全員グッドマンを担当している医師、研修医、総事業者であることがわかります。
9つの数字
そして、数字です。
「6 79 19 20 48 92 1 32 11」という数字はいじめられっこだったキャラハンが水路に探しにいった数字です。これらがそれぞれの3つの怪奇現象の現場のいたるところに登場します。
ラジオ
1つ目の警備員が聞いていたラジオは、現実世界で清掃員が聞いていたラジオでした。
他にも多くの伏線があるので探してみるといいでしょう。
英国らしい皮肉
「目に見えるものしか信じない」と言っていたグッドマンは結局自分が見ているものが全て幻想であることに気づかされます。
こういったブラックジョークを挟まない皮肉がなんともイギリスらしい映画だと思いました。
評価
ゴーストストーリーズ-英国幽霊奇談-は元々舞台からスタートしているため展開が目まぐるしい、というよりは話は王道の道筋をたどることになります。
それゆえに安心して見れる作品とも言えますが、私個人としては少し物足りなさも感じました。
★★☆☆☆
映画を見たら舞台も見たくなりますし、舞台を見た方はぜひ映画もご覧ください!