映画パズルの評価
★★☆☆☆
バイオレンス描写は十分すぎるくらいありましたが、肝心のストーリーがもう一歩というところでしょうか。
湯浅のサイコパスぶりはたいした物で、胸糞映画として見る人を選ぶ作品になっています。
映画パズルのあらすじ
高校の屋上から女生徒が屋上から飛び降りる事件が発生します。
彼女の名前は中村。
一命を取り留めましたが、全身を強く打っており、入院を余儀なくされます。
その後、放課後の高校をマスク姿の集団が占拠する事件が起きます。
彼らは妊娠中の女教師の安田を人質に取り、学校に残っていた教師たちに理不尽なゲームを仕掛けます。
そして、同時に理事長と3人の男子生徒が失踪してしまいます。
異様な事態に学校や街が騒がしくなる中、入院中の中村に湯浅が会いに行き、封筒を渡します。
封筒の中にはパズルのピースが入っていました。
不思議に思っていた中村ですが、今度は中村の入院している病院で理不尽なゲームが仕掛けられることになります。
そのゲームとは中村に渡されたパズルのピースと同じようなピースを探すというゲームで、それによって理事長の生死が決まるというものでした。
映画パズルの疑問を解説
山田悠介の小説が原作ということもあり、意味不明の部分もいっぱいあったと思いますので私なりに覚えている部分を整理したいと思います。
理事長と三人の生徒の罪
理事長は中村の学費の支払いが滞ることをネタに中村に肉体関係を要求していました。
また、中村に力づくで肉体関係を持とうとしていた理事長に便乗して3人の学生は中村に性的暴力を働きました。
これが湯浅には許せなかったと思われます。
湯浅がこの事件を起こしていたきっかけ
湯浅は中村に好意を抱いていましたので、中村が性的暴力を受けたことに復讐を誓ったものと考えられます。
女教師の安田も復讐の対象に入っています。
なぜ、女教師の安田が選ばれたのか
暴力を受けた中村を理事長の部屋に連れて行ったのは安田でした。
また、安田だけが、中村が性的暴力を受けたあとを目撃をしていたのですが、結果的に警察や公にせず黙殺したので、間接的に事件に関与していたと湯浅は考えたのでしょう。
そのため、安田自身の命を奪わず、おなかの中の子供を奪い間接的に安田を攻撃したものと思われます。
安田が理事長からお金をもらっていたのはなぜか
安田には定期的に理事長からお金が振り込まれていました。
これは中村の暴行の現場を目撃したのが安田だけであり、口封じのためのお金だったと考えられます。
大和田理事長の拘束具が外れた理由
大和田理事長だけが拘束具が外れました。
これは「殺す苦痛」よりも、自分が娘を「性的暴力した上で殺す」ほうが苦痛が大きかったからと考えられます。
パズルという題名は何か
もともと本作品は山田悠介の「パズル」という小説が原作になっています。
その小説は「学校中に散らばる2000ピースのパズルを集めないと死ぬ」というパズルを用いたデスゲームでした。
映画ではこのデスゲームを採用していませんので映画の内容と小説の内容には大きな差があり、映画での「パズル」という題名が少し浮いているように感じるのです。
また映画を補完するとすれば、中村が湯浅と接点を持つきっかけや犯行にかかわるきっかけを作ったのは「中村が湯浅から渡されたパズルを差し出さなかった」というところからスタートしています。
そのため、このパズルは大きな意味を持っていると考えられます。
映画パズルのネタバレ感想
あ~やっぱりこうなっちゃうんだ、という作品でした。
というのも山田悠介原則の映画といえばリアル鬼ごっこが思い出されますが、リアル鬼ごっこも小説は結構面白かったのに映画がな、、、、パズルもなぜか原作と違う方向に進んでしまったのでそれだけが心残りです。
バイオレンスの面は本当にがんばっていると思いますので私としては結構見てよかったな、という感じですがほかの人に勧められる映画かといわれると少し微妙ですかね。
この映画の賛否でよく出ているラスト10分の夏帆については個人的には好きですね。
なんとも意味のない演出かもしれませんが、とにかく血に溢れる姿が意味のない脚本、意味のない映画には合っていますし、なんだかかわいい子が血を顔射するところだけでも見てよかったなと溜飲が下がる思いでした(最低)
映画パズルの最後に
あまり人に勧められる映画でないことは確かですね。
わかる人には「原作山田悠介」と聞くと「あ~」となるので説明は不要ですね。
小説は本当にいいのに、ところどころ定点カメラだったりで低予算なのが山田悠介の頭の中の世界を表現しきれていないんでしょうね。
残念残念。