映画ポルターガイスト(2015)のあらすじとネタバレ感想【サム・ライミ製作】

 映画ポルターガイストの評価

★★★☆☆

ホラー映画としては真面目に作られた作品であるのはよくわかりますが、真面目すぎて少し面白みに欠けるかなというのが正直な感想です。

ホラー映画で人が死なない映画というのは果たしていかがなものかというのを改めて感じる作品でした。

まあ確かに怖いっちゃ怖いけど結局、モノが動いたり、大きな音が鳴ったり、行方不明になったりと迫力に欠ける作品です。

そうは言っても怖すぎるホラー映画が苦手という方にとってはちょうどいいビギナー向けの作品かもしれません。

映画ポルターガイストのあらすじ

失業中のエリックは住んでいる家を売って、やむなく郊外に格安物件の一軒家を見つけます。そこは高圧電流がすぐそばを通り、昔は墓地だった場所に家を建てたといういわくつきの物件でした。

心機一転、新たな生活をスタートさせる彼らですが、子供たちは次第に、家の中に潜む不気味な雰囲気を感じ取ります。

クローゼット、TV、天井裏……庭からは骨片のようなものが見つかる中、ある日、家にいたはずの幼いマディソンが忽然と姿を消してしまい、ケンドラ、グリフィンも不思議な現象に遭遇します。

実はこの場所は昔墓地が移設したという話は嘘で、いまだに遺骨が残っているというのです。一家は、霊媒師に助けを求め、娘を取り戻すために決死の戦いを始めます。

映画ポルターガイストのネタバレ感想

評価に書いた通り、当たり障りのないホラー映画を見慣れた人からしたら物足りなさを感じる作品だと思います。

それでもこの作品に魅力を感じるのはなぜだか考えてみました。

劣化版の死霊館

ホラー映画の私の最近のヒットはこの死霊館です。

「死霊館」を知る!ネタバレ徹底解説【シリーズ第1作目】

この作品はアナベルという人形の呪いに除霊士が立ち向かうストーリーで正直このポルターガイストと似ている流れだと感じました。

そういう意味で安心できるストーリー展開であるものの、いまいち人が死なないことと、敵が実体がないことから盛り上がりに欠けます。

もう少し子供の何人かが死んでしまったり、大人がひどいめにあってもよさそうですが、結構このポルターガイストの霊たちはただ異世界に子供をさらって終わりという紳士な態度に徹していました。

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エリックの好演

それでもこの作品が憎めないのはエリック役を演じたサム・ロックウェルが好演したからだと思っています。

サム・ロックウェルを知らない人に解説しておくと、私が彼のファンになったのは実はスリービルボードという映画からです。 

彼はこの作品ではじめてアカデミー賞にノミネートされ、しかも助演男優賞をとっています。

スリービルボード内でも偏屈な警官を演じていましたが今回も一筋縄ではいかないキャラです。

通常ホラー映画の父親というのは真面目で、頼りがいがあって、心温まる心の持ち主であることがほとんどです。

だからこそ、温かい家族ををぶち壊す悪霊が引き立つわけですが、今回のエリックは失業中だし、子供から慕われているとも言い難く、余計な一言を言わなくては気が済まないようなダメな大人です。

つまり、サム・ロックウェルがめちゃめちゃ得意なキャラなのです。(彼が独自に演じているのかもしれませんが)

もしかしたらこれが彼の素なのかもしれません。

私生活でも「俺は親には向かない」という理由で一度も結婚していないらしいので、少し偏屈なところは素なのかもしれません。

ポルターガイストの怖さ

結局これが映画の良さを決めると思っています。それは登場する霊が怖いかどうか。エクソシストの悪霊は最高に怖かったです。死霊館のアナベルもエンフィールドのシスターもとにかく鬼のような形相に神出鬼没な行動に度肝を抜かれました。

しかし、ポルターガイストと言えば、ご存知の通り、家具が動き出したり、窓や家が揺れたりする超常現象のようなもので、霊自体が具現化して襲ってくるというキャラクター性がありません。

そのため少し怖さが半減してしまったのでしょう。

映画ポルターガイストの最後に

色々マイナスの点を書きましたが、それでも見てよかったと思います。

サムライミが参加しているとみて少しハードルが上がったのも事実ですし、ホラーが苦手な人が手始めに見る映画としてはとてもいいと思います。