人狼ゲームのあらすじ
高校生の仁科愛梨は、突然何者かに拉致され、気が付くと巨大な施設の部屋にいた。
10人の見知らぬ男女もそこにおり、円形に並べられた椅子とテレビだけがある。
テレビには次々と文字が映し出され、一同は不可解な状況に戸惑います。
画面の文字によると、村人と人狼という個別の役割に分かれ、互いに正体を見破りながら、相手チームを全滅させる「人狼ゲーム」に強制的に参加させられることになります。
ゲームでは一晩ごとに毒薬を誰かに飲ませて殺し、次の朝までに今度は人狼が誰かを殺すということを繰り返します。
最終的に人狼が村人を上回るか、村人が人狼を全員殺せばゲームが終了になると言われます。
彼らはなぜここに集められたのか理由もわからぬまま、生死を懸けたゲームに巻き込まれていきます。
一人また一人死んでいき、最後にだれが生き残るのか。
人狼ゲームの評価
★☆☆☆☆
有名な室内ゲームの人狼ゲーム。
大人から子供まで楽しめる室内ゲームの代名詞で私もよく大学の友人とやります。
続編も続々と出ている中での原点と言える作品。
リアル鬼ごっこのような制作側の自己満足の作品群を見させられているシリーズ物の匂いを嗅ぎながら視聴し、不覚にも期待通り、いや、期待以上の超絶駄作であることを認めざるを得ませんでした。
なぜ映画人狼ゲームは駄作なのか
低予算であることが明らかにわかりますが、低予算でもアイデアと工夫で映画は何とでもなります。
増してや人狼ゲームというテーブルゲームを単にやるだけなら豪華な設備もいらないし、演出もいらないはずなんです。
多くのB級映画を見てきたからこそ、この人狼ゲームという映画がなぜ駄作になってしまうのかを見ていこうと思います。
稚拙なカメラワーク
映画の命ともいえるカメラワーク、寄ったり、引いたり、撮り方によって臨場感や視聴者に見せたい描写を見せたいイメージで見せることができる映画の命ともいえる生命線。
しかし、この映画ではそれがまったくのノープランです。
基本すべて引きでの撮影をしながら、ときどき誰かが持って歩いているようなとんでもない手ぶれをお越します。
他の方がレビューでも書いているとおり、ワーキャーギャーというただ叫ぶだけのシーンが不快というのがありますが、これは叫んでる人間を引きで撮っているからでしょう。
映画の基本はしゃべっている人間に寄って台詞や表情をしっかりアップするのが大事ですが、この映画では叫んでいる人の背中ばかり映っているのでパニック描写ではなく、ただやかましいだけの描写に成り下がっています。
音楽・効果音なし
無音映画なのか?といいたくなるような効果音や音楽がない映画です。
映画にとって効果音は時に大事な味付けや隠し味だったりしますが、そういったものがない本作は味のしないカレーを食べているような気持ちになります。
毒を飲ませて、人を殺さなきゃならない殺す側と、不条理なルールで殺されないといけない殺される側の葛藤は本策の見所ですが、ここで効果音がうまく挿入されていないため臨場感がなく、ただ、ワーキャーいうだけの鬱陶しい場面になっています。
人狼ゲームというゲームを理解していない
これが一番腹立たしいかもしれませんが、おそらく脚本の人はこの人狼ゲームをやったことないのではないかと思います。
このゲームの面白みは、汚い言葉を吐きかけることではなく、相手の嘘を見破るために質問を互いにぶつけていくことです。
変な話「あなたは占い師?」と1回目から聞くだけでも十分効果があるのです。そして、2回目以降はとにかくロジカルに行くのです。
占い師がでてくれば、別室で別々に占い結果を聞くなど、工夫次第でいくらでもうそつきを絞り込むことができます。
それを単に感情だけで相手の悪口ばかり言う作品にしてしまうことが人狼ゲームのおもしろさをしっかりと壊してしまいます。
まるで近々に冷やしたカレーを食べているような気分です。
人狼ゲームの中で一番白ける展開
経験からわかりますが、実は人狼ゲームでは喋らないほうが有利というケースが多いです。
しゃべるとしゃべるほどボロがでたり、鬱陶しいと思い、序盤で死にやすいです。
激しい議論を繰り広げる奴らは大抵刺しあって死んでいくのです。そして、え、お前人狼だったの?という展開でとても白けるゲームになります。
このゲームではディベートを繰り返す中での互いの議論に面白みがあり、騙し、疑うことが醍醐味です。なのに、今回はあまり議論に参加しない主人公が人狼って、、、麻雀で言えば安手ばかりで上がろうとする奴です。とにかくポンして、カンして安手で流そうとする奴。
現実にはそういう奴がいてもいいですが、わざわざ映画にして第1作目の台本としてはあまりに残念すぎます。
まるでビアガーデンでウーロン茶ばかりずっと飲み続けている人を見ているようです。
最後に
さて、ここまでボコボコにいいましたが、唯一俳優の演技は十分すぎるものでした。
それぞれが活躍している人だったりするので演技事態は十分合格です。残念ながらスタッフの稚拙さがこの作品をボロボロにしています。
もちろん私が人狼ゲームをよく知っているからこそ、こういう辛口評価になるともいえますが、それでも見る人を楽しませたいという情熱を全く感じない作品にがっかりしてしまうのです。