映画IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のあらすじ考察と結末のネタバレ解説【ペニーワイズの正体は?】

ホラー映画というよりはジュブナイルアドベンチャーというほうが正しいと思いましたね。グーニーズやスタンドバイミーのような子供たちが冒険に出かけるような作品で、その中でバケモノが出てくるというほうが正しいでしょう。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。の評価

★★★★★

非常におもしろかったです。

リメイクということですが、CG技術の発達も素晴らしいですし、子供を狙うペニーワイズの存在が一皮むけているので話の展開よりもその演技に集中することができます。

ピエロは子供にとっては魅力的な存在でもあり、恐怖の証ですので、このペニーワイズはその二つを見事に両立していると言えます。

R15ですが、子供が中心の描写ということもあり、だれでも見ることのできるものになっています。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のあらすじ

とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。

自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。

彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かうが……。

ITイットの疑問をネタバレ解説

映画ITイットに関しての疑問点を個人的な視点から解説します。

なお、小説や旧作は無視してあくまでも今回の映画ITを前提に考察をしています。

監督や脚本が違えばそれは全然違う作品になると私は考えています。

それでは見ていきましょう。

ITイット=それ、は何なのか

大事な前提ですが、ITイットは決してピエロそのものではありません。

あくまでもピエロは仮の姿であり、IT(イット)自体は別の何かです。

これはDVDのメイキング時にペニーワイズ演じたビル自身が、ピエロを演じるのではなく、地球にやってきた”何か”を演じたと言っています。

結論としては、「子供の恐怖を餌にする何か」というのが正しいかと思います。

”何か”は悪魔かもしれないし、地球外生命体かもしれません。

それでもその”何か”は常に子供の傍にいて、虎視眈々と子供を狙っている存在、スティーブンキングは広げた風呂敷を畳まない作品を多々作りますので(映画セルしかり)、今回の作品も具体的にIT(イット)=それ、が何かを明示はしていません。

それは実体がない、と考えるのがいいと思います。

多くがピエロの恰好をしていますが、スタンリーのときは絵に描かれた不気味な女性に化けていたりします。

あくまでも子供の恐怖を引き出すことがIT(イット)の目的なので、その子供が恐怖に感じているものに姿を変えるということが正しいでしょう。

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もう少し捕捉すると、本作で最もスプラッタなこのべバリーのシーン。

これはIT(イット)がべバリーの恐怖を引き出そうとして仕掛けたことですが、これはべバリー自身の生理に対する不安だと考えられます。

友達も母親がいなく、父親に性的虐待を受けている彼女にとって生理は精神的にもつらいことでしょう。

なぜIT(イット)はピエロの恰好が多いのか

そうはいってもイットはピエロである時間が大多数です。

もちろん、イット自体は恐怖をおびき出す何かですので、スタンリーの場合は得に掛かれた不気味な女性であったり、潔癖症のエディには病気持ちのホームレスのような姿だったりします。

それでもピエロが多いのは一つはピエロ恐怖症を上げる人がいます。

ネット上でも多いこの意見はピエロこそ怖い不気味な存在であるからという話です。

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しかし、私は真逆の意見を持っています。

冒頭のジョージが排水溝に引きずり込まれてしまうシーンを思い出してください。

ジョージはペニーワイズに脅されてついていってしまったでしょうか?

いいえ、はじめ警戒していたジョージは、ペニーワイズと少し打ち解けて彼に手を伸ばしてしまった結果連れて行かれました。

ピエロというのは大人の私たちの視点から不気味そのものですが、子供にとっては道化師であって、あくまでもエンターテイナーであり、楽しい存在なのです。

つまり、基本的にピエロは「恐怖の象徴」ではなく、子供の視点に立つと「楽しい象徴」であり、子供をおびき寄せるためのパンダとしてのピエロというのが正しいでしょう。

子供だけに憑りつくのはなぜか

純粋な恐怖は子供だけが持つ恐怖を餌にしていると考えられます。

これはあくまでも持論ですが、大人の恐怖というのは結構不純物が混じっていると考えています。

まだ死にたくないとか、痛いのがイヤとか、家族のために死ねないとか、大人が持っている恐怖とは死に対する後悔や忌避による副産物であり、純粋な恐怖とは違います。

対して子供の恐怖は、単純にお化けが怖いとか、気持ち悪いものが怖いとか、その恐怖は純粋そのものと考えられます。

なぜ27年ごとに起きるか

作中に27年ごとに起きる理由は示されていません。

ネット上では初めの公開が1990年のテレビシリーズであり、舞台も1990年であることが27年後の2017年に本作が公開になったことから27年周期という設定になったという意見があります。

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子供たちが浮いているのはなぜか

ペニーワイズに捕まった子供たちが、井戸の中で浮いていたのはなぜでしょうか。

これも明確には理由が述べられていませんが、生還したべバリーが言っていたのは「大人になったみんなで貯水棟の中にいて、何をしていたかは覚えていないが、恐怖を感じていた感情だけ覚えていた」というセリフです。

純粋な恐怖を食べ物にするIT(イット)を考えると、これは子供たちが恐怖の感情を無理やり感じさせられていたと考えられますので、ペニーワイズは子供たちを集めてひたすら家畜のように恐怖を集めていた、ということが考えられます。

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べバリーはなぜ生き残れたか

ペニーワイズに捕まって、浮かんでしまっていたべバリーですが、奇跡的に生還しますがそれはなぜでしょうか。

ビルが最後にペニーワイズに対して「べバリーはお前なんか怖くないと思ったから死ななかった」と言っていますが、これも一つの答えでしょう。

個人的には、べバリーが作中で生理用品を購入しているシーンがあるので、生理が始まったこたで純粋な子供としての枠を超え、大人の女性に一歩足を突っ込んでいたからではないか、という気もしています。

 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。の最後に

続編は2019年に公開予定です。

ただし、大人の物語ということで、子供のときのこの純粋な物語をどう引き継げるか、そしてペニーワイズを演じるハードルが一つ上がっていますのでより完成度の高いIT(イット)が期待されます。さてさて、どうなるか、ネタバレありでどうぞ↓