黒人魚の評価
★★★☆☆
ロシアンホラーという未知の領域のホラーに興味を持って鑑賞しましたが、結果はまあいい意味でも悪い意味でも普通のホラー映画でした。
いい意味で言えば、人魚の形相も怖いし、お話のテンポとしても速すぎず遅すぎず、適度に人が襲われますのでホラー映画としては十分見れるものになっています。
他方で、ワンパターンの脅かし方とストーリーには意外性も何もないのでこの手のホラー映画を見慣れてる人からすると(私もそうですが)見終わった次の日に「あれ?どんな話だったっけ?」と記憶に残らないリトルインパクトな映画でした。
黒人魚のあらすじ
水泳の期待の選手であるローマは友人たちと独身お別れパーティのために湖の別荘にやってきます。
婚約者マリーナと喧嘩中だったローマはそんなパーティを楽しむ気になれず一人、湖で泳いでいると謎の女性に出会い、キスしてしまいそのまま気を失います。
気を失ったローマは友人たちに助けられ、そのそばには女性用の櫛が置いてあるのでした。
その日を境に彼は恐ろしい幻想に襲われ、日ごと体力が衰えていくようになります。
心配したマリーナはローマの介抱をしますが、ローマと同様、不気味な幻影に悩ませられはじめます。
ローマは湖で出会った女性の話をすると、ローマの姉は彼女の父が昔していた話を思い出し、彼らを連れて、湖の別荘へ行くのでした。
そこではかつて、ここで女の入水自殺があったことを知り、自殺した彼女の墓が湖の底にあることを知るのでした。
黒人魚のネタバレ感想
あらすじの通りですが、湖に住み着いた女性の悪霊が悪さをする話でロシアでは伝統的な”ルサールカ”という水の霊の伝説をホラー化した話のようです。
残念ながらこの手の民謡的なホラー話はそのマイナー度合によって、ロシア人以外はその世界観から振り落とされてしまいます。
ただ、話としてはよくある話で、女が捨てられた男を逆恨みし、男を殺して自分も死んで勝手に悪霊化する、というあまり同情の余地がない話なわけです。
黒人魚という題名が。。。
特に”黒”要素はなく、単に人魚というと世界ではアリ●ルが知名度では抜群なわけなのでア●エルよりもダークサイドが強いので安易に黒人魚と題名したものと想像できる。
ちなみに、英語では「THE LAKE OF THE DEAD」というこれもまた、誤解を生みそうな題名で、ゾンビファンに間違って手に取らせようという配給会社の魂胆が見え見えなので、その点ではまだ黒人魚のほうがマシでしょうかね。
ちなみに人魚といっても半人半魚ではなく、しっかり足が生えています。というより完全に人間よりなんですね、エラとかもないですし、ですのでこれ本当に人魚の翻訳であってるのかもちょっと気になります。
作品自体の評価
さて、作品自体の評価としては「普通」の一言に尽きます。
普通が一番という人にとっては見てしかるべき作品でしょうし、期待するとがっかりするというのが正直なところでしょう。
特にストーリーについてははじめのほうは結構いい感じに主人公のローマが呪われるのでワクワクするのですが、後半に連れて着地する場所を明らかに見失っていきます。
ローマの不調の原因もわかった、悪霊の正体もわかった、でも倒し方どうしよう、、、ラストのオチどうしよう、、、ということでとってつけたように「髪の毛が弱点や!」など突然現れます。
また、ストーリーも細かいところは気になってしまいます。
そもそもですが、呪われた親父はなぜわざわざ別荘を息子に渡したのか、、、非常に迷惑ですよね。
なぜか突き合わされたローマの友人は結局一人人魚に連れていかれるわけでかわいそうすぎます。
さらにはローマの姉がばっちりとマリーナを裏切って生贄に捧げようとしますが、どう考えてもハッピーエンドでは終わらない関係崩壊の一途をたどっています。(しかも本当に意味のない生贄でしたしね)
普通のホラー映画であるがゆえにこういうところが結構目立ってしまうのでちょっと残念ですね。
最後に
ロシアホラーというのは未知の領域ですが、これだけをもってロシアのレベルは低い!なんて言えませんね。
人魚の顔なんかは一瞬しか出てこないのも残念です。なんだか残念残念残念とネガティブなことばかり書いてしまいましたが、それほどひどい作品ではないので、気軽に期待値を下げてご鑑賞いただければと思います。