映画ジグソウ:ソウ・レガシー(SAW)のあらすじとラスト結末を解説!【ネタバレあり】

ジグソウ:ソウ・レガシーの評価

★★★☆☆

ソウ・ザ・ファイナルから7年、待望のソウ最新作です。

作品がすでに7つも出ており、脚本に苦労したことがとてもわかります。

ジグソウのジョン・クレーマーが出た時は本当に心躍りました。

ファンとしては十分合格点を上げたい作品だと思います。

ジグソウ:ソウ・レガシーのあらすじ

【概要】

ある街で、おぞましい死体が次々と発見される。その常軌を逸した状態から、かつてジグソウという名で多くの人間を死に追いやったジョン・クレイマーの存在が警察の捜査で浮かび上がる。

しかし、彼は十数年前にこの世を去っていた。ジグソウに後継者がいたのか、彼に心酔する者による犯行なのかと、さまざまな推測が飛び交うが……。リンク

【詳細あらすじ】

犯罪者エドガーは警察のカーチェイスから逃げています。

彼は警察によって用意されたスパイクによって車が横転して、ある工場に逃げ込みます。

彼の逃げた屋上の柱には×印があり、そこにはリモコンのようなものが貼り付けられていました。

同じころ、刑事のキースとハロランも現場に到着し、エドガーを追い詰めます。

エドガーは自分が死ぬか、5人が死ぬかどちらか選ばないといけない、自分はまだ死にたくないと言います。

警察は手に持っているリモコンを置くように説得しますが、彼は聞かずやむを得ず発砲します。重傷を負った彼は「ゲームは始まった」と言葉を残し昏睡状態に陥ります。

その頃、リモコンのボタンと同時にはじまったカウントダウンで一つの部屋で5人の男女が目を覚まします。

彼らはバケツのようなものを頭にかぶせられ、首には太い鎖がつながれています。

状況が全く読めない彼らはとても混乱し、互いに助けを求めたり、罵倒したりします。

同時にスピーカーからは今は亡きジョン・クレイマー(ジグソウ)の声が流れます。

ここから「脱出するには血を捧げて、自らの罪を告白するしかない」声が途切れると、突然ブザーが鳴り、壁に設置してあった電動ノコギリが回転し始め、彼らに繋がれた鎖が動き出します。

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なんとか逃げ出そうとする5人でしたが、鎖は切れずどんどん追い詰められます。

その時アナが自らをのこぎりで傷つけると鎖が止まることに気づきます。

他の人間も自らをのこぎりで傷つけて血を流すと仕掛けが止まりました。

これが血を捧げる、という意味でした。

しかし、一人だけ目覚めるのが遅く、状況が読み込めない人がいました。

彼はここでゲームオーバーになりました。

一命を取り留めた4人の前に、扉が開きます。

彼らが恐る恐る進んでいくと、扉の先は農場の小屋の一部のようです。

奥からジグソウ人形が仕掛けと共に向かってきました。

「再生しろ」と書かれたテープを持っています。

4人はとにかく逃げ出そうと小屋を調べていると突然鎖の仕掛けが発動し、動き出します。あわてて抵抗しますが、今度もどうにもなりません。

その時ミッチが人形のテープを取ります。すると仕掛けが止まりました。

テープを再生すると参加者の1人、カーリーが喘息持ちの女性から金目当てでバッグを奪った事で、女性を喘息で死なせてしまった過去が明らかになります。

3ドル53セント。

彼女が奪ったお金はたったそれだけでした。

そして、そのために人を一人見殺しにしたのです。

すると突然部屋の天井から注射針3本降りてきます。ジョン・クレイマー(ジグソウ)の声によると、カーリーには毒物が投与されており、それぞれ解毒剤、生理食塩水、酸だと判明します。

その中の1本を自身に注入するように迫られます。

すると天井に繋がれた鎖が動き出し、4人は首吊り状態になってしまいます。

このままでは全員死んでしまうと判断したライアンは注射針3本全てをカーリーに注入します。

鎖からは解放された4人でしたが、3本の注射の中には酸が含まれていた為、カーリーは死んでしまいます。

3ドル53セントと書かれた注射だけを指せばよかったのに、全部を指したライアンを他のメンバーが責めます。

一方、ハローラン刑事とハント刑事は発見された男の死体とカーリーの死体を元に事件の捜査をしていました。

そんな中、何者かが病院に侵入し、昏睡中のエドガーを覚醒させ、脱走させます。

同じころ、知事が市民を安心させるためにジョン・クレイマーの墓を掘り起こすことを求めました。

刑事たちが墓を掘ると、そこにはジョン・クレイマーではなく、エドガーの死体が出てきます。世間ではジョン・クレイマーが生き返ったのではないかという声が高まっていました。

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場面は農場の3人に戻り、新しい部屋への道を見つけます。

その部屋は大きなカギのついた扉以外に「出口ではない」と書かれた扉がありました。ライアンが「出口ではない」と書かれた扉の方へ行くと床が抜け、脚をワイヤーで固定されて身動きが取れなくなってしまいます。

アンナとミッチはサイロに繋がれた部屋へ入ると天井からリモコンがぶら下がっています。一人では取れないため二人で肩車をして撮りました。

すると仕掛けが作動し、扉が閉まり出られなくなります。

ビデオが再生され、ジグソウからのメッセージが流れます。

「自分の罪を告白し、何の仕掛けが作動するかわからないレバーを引くことでアンナとミッチが助かる」

メッセージが終わると、頭上から大量の穀物が落ちてきます。

また、穀物に埋れ、身動きが取れない2人の元へ更に包丁や鋭い農具が落下してきます。

アンナとミッチが助かるには、ライアンの近くにあるレバーを引く必要がありました。

ライアンはジョン・クレイマー(ジグソウ)に「レバーを引けばお前は自由になれる」と言われ、その言葉の真意に戸惑っていましたが、遂にレバーを引き、アンナとミッチを解放します。しかし、ライアンに絡まっていたワイヤーは更に彼の脚を締め付け、ライアンの脚はワイヤーによってバラバラにされてしまい、身動きが取れなくなります。

一命を取り留めたアンナとミッチでしたが、容赦なく新たなゲームが彼らを襲います。ミッチはジグソウの甥を轢き殺した男にブレーキが壊れたバイクを売りつけた事が発覚します。

ミッチはブレーキを引かないと身体が切り刻まれる装置の中に入れられますが、失敗し死亡します。

検死を受け持っているローガンとエレノアはハロラン刑事を疑っていました。

一方でハロラン刑事はローガンとエレノアを疑っていました。

エレノアはジグソウの熱狂的信者で、彼のファンサイトを出入りしたり、殺人装置のレプリカを収集していたからです。

エレノアはローガンにアリバイを尋ねられ、実は自分は家にはおらず、自分の収集品の倉庫にいたことを打ち明けます。

しかし、ハント刑事が跡をつけており、写真を撮り、ハロラン刑事に密告します。

そんな中、ローガンとエレノアは死体からでた豚の特殊なウィルスから現場の場所を特定していました。

彼らが農場へ向かう中、ハロラン刑事は2人を追跡します。

一方アンナは次の部屋へ進もうとしたら、豚の被り物を被った男に気絶させられます。

アンナが目を覚ますとライアンと同じ部屋に囚われていました。

そこには10年前に死んだはずのジグソウの姿がありました。

ジグソウはアンナの罪を語ります。

アンナはなかなか泣き止まない幼い息子を、旦那が寝ているベッドへ移し、旦那が寝返りをうった際窒息死するように仕向けたのです。

これがきっかけで旦那は精神を病み自殺してしまいます。

実はジグソウはアンナの隣人でその一部始終を見ていたのでした。

ジョンは「優れたゲームは常に単純だ、一発の銃と弾、これが生きるための鍵だ」と言い、2人の間に銃を置き立ち去ります。

アンナは素早く銃を取り、ライアンに向け撃ちます。

しかし弾は銃口とは逆に発射され、アンナは顔面を打ち抜かれ死亡します。

実は弾の中に脱出する鍵が入っていたのですが、アンナの暴発により鍵は破損し、脱出が不可能と悟ったライアンは途方に暮れ泣きだします。

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ローガンとエレノアは事件現場に到着し、捜査を始めます。

2人を追跡していたハロラン刑事も到着します。

現場には風化した2体の死体が横たわっていました。

その死体はライアンとアンナのものでした。

実は一連のゲームは10年前に行われていたものだったのです。

ハロランは農場を捜索していましたが、突然何者かに襲われ、気付くと首に謎の装置を付けられていました。

2人の間にはボタンがあり、「ボタンを押した方から罪を告白せよ」と告げられます。ハローランはローガンのボタンを押し、強制的に罪を告白させようとします。

すると首につけられた装置が作動します。

8方向から放たれたレーザーメスが顔面に迫ってきます。ローガンは臨床医時代にジグソウを担当しており、彼のミスによりジョンの癌は手遅れになってしまったことを告白します。

しかしレーザーはローガンの顔面を貫通し、ローガンは血を流して倒れます。

続いてハロランの仕掛けが作動します。

ハロランは、これまで自分が賄賂をもらったこと、汚職に手を染めたこと、証拠をでっちあげたこと、罪のない人たちが自分たちのせいで死んだことを告白しました。

すると首元のレーザー止まります。

安心していたハロランですが、死んだと思われたローガンが立ち上がるのを見て驚きます。

ジグソウ:ソウ・レガシーのラスト結末

ローガンはハロランに罪を告白させる為に捕まり死んだふりをしていたのです。もちろん全て録音してあります。

更に最初のゲームで目を覚ますことが出来ず死亡したと思われる男もローガンだと判明します。

ローガンは10年前のゲームのときに装置のミスで死にかけたのです。

しかし、ジグソウは悪意のないのミスでローガンが死ぬ必要はないと考えローガンを助けます。

その後ローガンはジョンの弟子になり、様々な仕掛けをつくりました。

更に、発見された男の死体はハローラン刑事が見逃した犯罪者だと発覚します。

また、ローガンはハロラン刑事が開放したエドガーによって、妻が殺された事も明かします。

彼の告白と、エレノアがアリバイを証明してくれることから、見事にハロラン刑事を真犯人に仕立てることに成功しました。

すべてを話した後に、レーザーメスはハロラン刑事の頭部を切断します。

ローガンは「俺は死者の代弁者だ」と言って立ち去ります。

ジグソウ:ソウ・レガシーネタバレ解説

待望の続編とあり、その出来は大変注目されていた作品です。

結果的に、SAW2以降のグログロ拷問ホラーから脱出する形の作品でした。

SAWと言えば、とにかく残虐なゲームや拷問のトーチャーポルノとしての時代を築いた作品と言えます。

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実際、出てくる人間はそのほとんどが悲惨な死を遂げたり、残虐な方法で死を遂げます。

ですが、10年以上前に出たSAWは残虐ホラーではなく、犯人は誰かという謎解きの要素がとても強かったです。

SAW2でもその流れは少しは引き継がれていました。

謎解きとしてのスリラーがSAWの原点なのです。

原点回帰

今回の中心は拷問ホラーから犯人捜しのスリラーへの回帰が見られる作品になっています。特にグロシーンはほとんどがカットされています。

むしろ、ラストのハロラン刑事がレーザーでバラバラにされるシーンだけが多少グロありでしたが、特にスプラッタのような血が飛び散るシーンもありませんでした。

これまでのSAWの作品ではホフマン刑事やアマンダ、ゴードン医師など意思を継ぐ者を前面に押し出してきていましたが、今回犯人捜しとしての面がとても強く、ジグソウの意思を継いでいるのは誰なのかが最後までわかりません。

 ジグソウにもう一度会いたい

多くのレビューがちぐはぐな脚本と無理矢理な展開を批判しています。

言っていることはわかりますし、色々な意見はあるのでしょうが、ソウシリーズのファンとして言わせてもらえれば、ジグソウをもう一度スクリーンに復活させただけでも褒めたたえたいと思います。

シーズン3でジグソウが死んだときに誰もが大事な恋人を失ったような喪失感にさいなまれたものでしょう。

そのあとのホフマンのただの残虐な拷問に見ている側も拷問を受けているような屈辱を味わいました。

トビン・ベル演じるジグソウにもう一度会いたい。彼の哲学のもとにもう一度人が本気で生きていこうとするパワーをもう一度見たい、そんなファンの願いを叶えてくれたのがこのジグソウ:ソウ・レガシーなのです。

 最後に

夢で逢えたら、のようにもう一度10年前の彼の活躍を見ることができました。

トビン・ベルのいないソウなどやはりまがい物でしかありません。

シリーズを通してもう一度ジグソウが活躍する姿を次回作に期待したいと思います。