フリークスシティの評価
★★★☆☆
「最も好きな映画化されていない脚本」という文句に誘われて見ました。
★3つという評価の通り、思ったほどおもしろくもなく、つまらなくもない作品。
ホラーコメディという割にはホラー要素もほとんどないし、コメディ要素は少し物足りなさを感じた。
フリークスシティのあらすじ
アメリカの片田舎にあるとされる街、ディルフォード。
その街はヴァンパイアが上位カースト、人間が真ん中、ゾンビが下位として共存し、平和に暮らしていた。
そんな街にある日、空を覆うほどのUFOに乗ったエイリアンが襲来!エイリアンによって平和な共存関係が壊され、街は壊滅状態に。
エイリアンからディルフォードを救うため、3人の高校生:人間のダグ(ニコラス・ブラウン)、ヴァンパイアのぺトラ(マッケンジー・デイヴィス)、ゾンビのネッド(ジョシュ・ファデム)は英知を結集し協力してエイリアンに挑むが…?
映画フリークスシティのネタバレ感想
まず着眼点は素晴らしいと思う。
ゾンビとバンパイアと人間が共存するという危なかっしい世界は聞いただけでもワクワクする。
なぜなら通常はバンパイアと対するのは狼男だからだ。
しかし、そこを規定通りの狼男にせずにゾンビを据えたのは見事な脚本であると言える。
そのため、ネタバレになるが主人公が狼男になるのはいただけなかった、というより必要なかった。
コメディとしては微妙な立ち位置であろう。下ネタも若干あるが、最近の映画の流れであればバンパイアの性生活をネタにするぐらいの勢いが欲しかったところ。
ゾンビは、想定通りのグダグダストーリーを展開していたのは予想の範囲内である。
フリークスシティの見どころは
やはりおバカな世界観であろう。役者がそれほど演技がうまくないので面白い会話のやり取りなどは期待できない。
期待できるのは人間とバンパイアとゾンビが共存している世界でのちぐはぐな出来事だ。彼らは違う種族であることに今更気づき、互いを全滅させようと衝突する。バンパイアがゾンビを噛むとどうなるかという議論もありそうだが、本作では全力でスルーされている。
前半は特に世界観が珍しくて、「へーそうなんだ」と感心しながら見れて楽しめる。
一方で後半は前半ほどの勢いもなく、「そういえばエイリアンを倒す話だった」と今更思い出したかのように適当にエイリアン退治が唐突にはじまり、唐突に終わる。
むしろ「アメリカ人ってやっぱりバカばっかりなんだな」と日本人の私だからこそ笑ってしまう。それぐらいの心の余裕で見ないと本作は最後まで見ることはできないだろう。
最後に
私だったら、バンパイアとゾンビの子供を作ってみたり、バンパイアの弱点にフィーチャーして、ドタバタコメディのようにするのがいいのではないかと思った。
ゾンビは低能だが、バンパイアは弱点が多すぎるので、非力な人間と並べても3人とも十分アホを演じさせることはできたはずだ。