【映画レビュー】恐怖の人体研究所アティカス・インスティチュートのあらすじ・ネタバレ感想

恐怖の人体研究所アティカスインスティチュートの評価

55/100点

俳優の演技だけで持っている作品。

展開が超能力者から悪魔祓いまで速すぎて途中で振り落とされました。

恐怖の人体研究所のあらすじ

人知の及ばぬ力を持つ女生と、彼女に対する人体実験の恐怖を描く。1970年代のペンシルヴァニア州に存在した超心理研究所で、超能力に関する研究を行うことになったヘンリー博士は、なかなか思うような結果を出すことができないまま日々を過ごしていた。ある日、超能力を持つというジュディスという女性が研究所を訪ねてきた。検査の結果、ジュディスはとてつもないパワーを秘めていることが判り、その能力に軍が目をつける。そして、兵器としてジュディスの力を利用しようと恐ろしい人体実験を始めるのだが…。

恐怖の人体研究所のネタバレ感想

もともとは70年代の超能力ブームでソ連の超能力に対抗するためにアメリカでも超能力に関する育成をしていたというお話ですが、それが勢いあまって超能力を持っているどころか悪魔に乗移られている女を見つけてしまいました、というお話。

当初は念力だったり透視だったり、まあ眉唾ぽい感じの施設なわけですけど、アメリカのドキュメンタリー映画風に話が進んでいくのでどんどんその気になっていきます。

ちょっとそれっぽい人たちが、カメラに向かって自信満々に自分は超常現象を見てきましたって、話してくる感じがなんだかワクワクしてくる作品です。

撮り方◎演技◎俳優◎

物語は単純なんですが、さっきも言ったとおりドキュメンタリーのような風で撮られているので、テレビの奇跡体験アンビリーバボー風に話が進んでいきます。

俳優人も有名な人ではないけど、ちょい役でよく見かける名わき役みたいな人たちがいっぱい出てきて高評価です。

悪霊の存在がいまいち雑ではありましたが、女性の演技でカバーして、あたかも悪魔にのっとられている女性を演じ、臨場感ある感じに仕上がっています。

シナリオが微妙

作品としてはそれなりにしっかり仕上がっているものの、無難な展開と若干微妙なシナリオが作品の高評価を難しくしています。

当初超能力を発掘する研究所だったはずが、そのうちになぜか悪魔研究所になっていき、突然神父まで出てくる始末。

しかも神父は突然現れて、突然負傷して退場していくという展開。

しかも途中から研究所はのっとられてしまい、国の政府関係者が管理して、とにかく拷問に近い実験を繰り返すのですが、それも意味があるのかよくわからないという展開がお粗末すぎます。

個人的にはもう少し悪魔にフォーカスすべきだったと思います。結局はじめは超能力という設定なのでそのつもりで見てたら、ラスト30分くらいで悪魔ものに切り替えるという思い切った舵取りに完全に見ていて振り落とされました。

女優の方の演技がいいのでされば無駄に超能力に時間を取られることなく、悪魔VSアメリカ政府ぐらいの感じで撮っていけば、いい抑揚になったと思います。

アティカスインスティチュートの最後に

どうも実話っぽいのであまり突拍子もない設定でシナリオ展開はできなかったのかもしれません。

ただ、なぜ突然博士が頭がおかしくなったのかもよくわからないですので、おそらく監督も「俺もなぜ博士が頭がおかしくなったのかはわからない」って思いで作っているように思います。いやいや史実をもとに映画つくるのはいいけど、監督独自の仮定でいいからどこか落としどころを見つけてよ、と言いたくなりますね。

実際に彼は1970年代に姿を消してからいまだ見つかっていないということなので、どこかで悪事を働いているのかもしれません。ぜひ死霊館みたいな良作のホラーでもこれをリメイクしてほしいですね。