あらすじ
エディは離婚を機に実家に戻りますが、その時に友人の妹のアシュリーと出会います。エディはすぐに彼女を口説き恋仲になります。
ある日エディが弟の遺品を整理していると不気味なパペット人形が出てきます。その人形は「トゥーロンの魔法のパペット」と呼ばれており、かつてナチスが全世界に偵察や暗殺のために世界中に送り込んでいた殺人パペットでした。
そんないわくつきのパペットですが現在ではマニアが高値を付けており、エディは生活の足しにするためにトゥーロンで行われるパペットのオークションでそのパペットを出品することにします。
エディはアシュリーと上司のマーコウィッツとともに「トゥーロンの殺人記念集会」に出かけるのでした。
ホテルに着いた彼らは観光や食事を楽しんでいましたが、エディが自分の部屋に戻るとなんと人形がありません。盗まれたと思ったエディはすぐに警察に通報しますが、警察は盗まれたものが人形だと聞くと真面目に取り合ってくれません。しかし、同じころオークションに参加予定で人形を持ち込んだほかのお客さんたちが次々と覚醒した人形の餌食となっていきます。
殺人事件が発生し、事態を重く見た警察はお客さんをロビーに集めてホテルから出ないように言いますが、パニックに陥ったお客さんは一目散に外に飛び出ます。しかし、そこを狙った殺人パペットたちは次々と彼らを殺します。エディは今回の経緯をパペットによるものと考えパペットについてのパンフレットを見ながら、彼らが何らかのきっかけで覚醒し、ユダヤや同性愛者などを殺して回っていると説明します。
人数の少なったエディたちは仕方なくバーに立てこもることにします。が、そこには人間に扮したパペットもおり、バーも混乱と化します。
各々客室に逃げ込んだ彼らですが一人、また一人と殺されていきます。ついにマーコウィッツも殺されてしまいます。このままでは全滅すると感じたエディは外の車から脱出するためことにします。
エディはアシュリーとともに車でトゥーロンの館に向かいます。エディはそこにこそ今回のパペットが起動したきっかけがあると確信していたのでした。
館についたエディは館の外の埋葬地へ行きます。奇妙な棒が突き刺さった小屋にはかつて人形に呪いをかけた本人が眠っていますが、なんと彼は蘇っていたのでした。
エディはなんとか彼をもう一度殺し人形を止めますが、アシュリーが殺されてしまいます。悲しみに暮れるエディですが、今回のお話を漫画にし、来る人形の覚醒にまた備えるのでした。
ネタバレ感想
往年の名作パペットマスターのリメイク作品です。チープな人形がシンプルにオークション参加者を殺していくという、かつてのオールドクラシックなカルト映画を忠実に再現している、過去作を見た人も、今作が初見の人も楽しめる1作になっています。
さて、殺人人形といえばチャッキーを思いつく人もいるのではないでしょうか。チャイルドプレイもリブートされていますが、チャッキーはどちらかというと前作の設定はあまり踏襲せずにかなり現代仕立ての作品でした(AIだったり、ベトナムで制作されたりと時代を感じる設定でした)
一方でこのパペットマスターはチャイルドプレイよりもマニアックな作品で、今回のリメイクも前作に比較的忠実です。
パペットマスターの魅力
この映画の魅力は間違いなく、グロ度と絶妙なコメディ具合でしょう。登場人物が主人公とバーテンダーのくまさん、刑事を覗けばそのほとんどが死亡するというとんでも映画ですがその分開始早々からスプラッタの嵐で首を切るわ、人体破壊はあるわ、でゴアファンにとっても飽きない映画となっています。
しかし、そんなシリアスな状況にも関わらず出てくるのは人形ということもあり、どこかコミカルで絶望感はあまり感じません(人形と対峙すると妙な汗をかくことはありますが)
この手のコメディは大笑いするような類のものではなく、恐怖がねじ曲がって「ふふっ」と笑ってしまうたぐいのものです。例えばマーコウィッツなんてキャラだけでかなり立っていますが、彼は最後の最後まで冗談を言い続けて死んでいきます。マーコウィッツの狙っていた子なんて人形に殺されるどころか勝手に地面に激突して死んでしまうなんて正直「えっ?!」ってなりますよね。そんなところどころ小さな驚きや発見が笑いの起きない笑いを誘ってきます。
一般的には悪趣味と言われるのでしょうが、「ゲットアウト」のジョーダン・ピールも言っている通り「恐怖と笑いは紙一重、ホラーとコメディも紙一重」なのです。
ラストは「To Be Continue」ということなのでシリーズ化していくものなのでしょう。個人的にはとても好きな作品なのでシリーズ通してみていきたいと思います。