私たち が来る!映画アス(US)の謎や結末をネタバレ解説!

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アス(US)のキャスト

ルピタ・ニョンゴ – アデレード・ウィルソン/アデレードのドッペルゲンガー
マディソン・カリー – 子供時代のアデレード
ウィンストン・デューク – ガブリエル・ウィルソン/ガブリエルのドッペルゲンガー
エヴァン・アレックス – ジェイソン・ウィルソン/ジェイソンのドッペルゲンガー
シャハディ・ライト=ジョセフ – ゾーラ・ウィルソン/ゾーラのドッペルゲンガー
エリザベス・モス – ミセス・タイラー
ティム・ハイデッカー – ミスター・タイラー
ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世 – デヴィッド・ストーン
アナ・ディオプ – スーザン・ストーン
カリー・シェルドン、ノエル・シェルドン – タイラー姉妹
デューク・ニコルソン – マーレイ
カーラ・ヘイワード – ナンシー
ネイサン・ハリントン – グレン

アス(US)のあらすじ

1986年のカリフォルニア州サンタクルーズ。幼いアデレードは家族で遊園地に遊びに来ていました。

父親がゲームに夢中になっている間、アデレードは一人迷路に入ってしまい、そこで自分そっくりの分身に出会います。

驚いた彼女は以後、精神的なショックから言葉を話すことができなくなってしまいます。

その後、リハビリの末、普通の生活に戻ったアデレードは、夫のゲイブ、娘のゾーラ、息子のジェイソンとともに夏休みを過ごすため、幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの別荘を訪れます。

楽しく過ごしていた夜に庭に4人組がいることに気づきます。しかも彼らは自分たちとそっくりな“わたしたち”で、赤いつなぎに皮の手袋、大きなはさみを持っていました。

彼らは狂暴で家に侵入してきてアデレードたちを襲い始めます。

同じころ町では同様の衣装を着た自分そっくりな人間が町を襲っているのでした。

オチの解説

これ以降は映画アス(US)の重要なネタバレを含んでいます。

まずこの映画最大のオチを整理していきます。

自分と同じ私たち(アス)はクローン

見た瞬間に気づいた人たちがいるかもしれませんが、この映画の「私たち」はクローンです。

彼らは大戦後に政府の実験の一つとして作られましたが、「器ができても魂が入れられなかった」という言葉通りとすれば、教育、知性、精神的な部分がオリジナルに比べて劣っていたと考えられます。

そのため実験は延期、クローンの彼らは長らく地下に閉じ込められたのでした。

アデレードとレッドは過去に入れ替わっていた

1986年にアデレードが遊園地に遊びに行った際に入った迷路でレッドは偶然自分と同じアデレードに出会い彼女を地下に監禁、服を入れ替え自らが地上に出て行ったのでした。

彼女が突然言葉がしゃべれなくなったことなどはここの設定からきているものでした。

結末ラストの解説

いきなりネタバレですが、ジョーダン・ピール監督の映画アスは一言で言えば、「貧富の差」を裏にメッセージとして含んだ映画です。

私にとって非常に興味深いのはアデレードとレッドが過去に入れ替わっていたという事実よりもその後のジェイソンの行動です。

ラスト車を運転しているアデレードは自分がクローンであることを思い出します。

彼女は自らが地上に出てきて幸せを噛み締めたことで自然と笑みがこぼれます。

そして、助手席に乗っていたジェイソンはそんなアデレードを見てそっとお面を被ります。

補足しておくとジェイソンはレッドにさらわれた地下でロッカーに入っていたので、レッドとアデレードの最後の会話を聞いているので真実(アデレードは実はクローン側の人間であること)を知っていると思われます。

しかし、ジェイソンは怪訝そうな顔をしながらもお面を被ります。

彼は「見て見ぬフリ」をしたのです。

これは貧困問題に当てはめると、富裕層の人間が地下の人間たちから目を背けることを暗示している描写だと言えます。

アス(US)のネタバレ解説

※以下一部私見が入っています。

物語はアデレードとそのクローンであるレッドが互いに生き残りをかけて殺し合う映画です。

はじめにレッドが話していたお話の通り、ある人間にはその裏側で苦痛を味わっている人間がいました。アデレードは地上で裕福に幸せに暮らす人間、レッドは地下で生のウサギを食べて、娯楽も何もない不幸な人間というのがまさにそれです。

現実世界でも毎日食べていくのすら苦しい人もいれば、一方で何億、何十億とお金を稼ぐお金持ちもいます。同じ人間なのにこれほど対照的な世界を皮肉っているのがこのアスという映画なのです。

ウサギの意味

さて、オープニングから始まり、レッドたちクローンがいた地下でも多くのウサギがクローズアップされていました。

聖書では主にウサギは以下の意味を持っています。

  • 汚れている生き物
  • 食べてはいけない生き物
  • 祝福を受けなかった生き物
  • 復活を象徴する生き物

なるほど、まず汚れている生き物としてクローンたちは失敗作として作られたわけですのでこの汚れている生き物というのは合いそうです。

食べてはいけない生き物というのは、レッドが言っていた「私たちはウサギを生で食べrていた」というセリフからもレッドたちを皮肉っている生き物だと言えます。

また、祝福を受けなったという点においてはレッドたちクローンと全く同じ存在であり、彼らこそウサギと同じ存在です。

そして、イースターの象徴となっているウサギはキリストの復活を象徴しており、彼らが地上に出て、自らがオリジナルたちを殺していくことを表しているものと思われます。

エレミヤ書11章11節

遊園地で旧約聖書の11章11節のプラカードを掲げている男がいました。

この映画においては11という数字は二つの1が並ぶ、オリジナルとクローンという意味と11:11というこれも「:」を境に同じ文字が並ぶ重要な象徴です。まるで「:」が遊園地シーンの鏡にうつったアデレードとレッドのようです。

また、エレミヤ11章11節とは簡単に言えば「神を信じれば救われる、信じない者は罰せられる」であったり、「神から目を背けて間違ったものを信じれば罰せられる」という内容です。

今のアメリカでは多くの人間が貧困にあえいでいる一方でそれを見てみぬフリをする人たちが多くいるわけです。

そんな状況を皮肉ってか警告か、エレミヤ11章11節を引用しているわけです。

地下の人々の意味

冒頭にもアメリカには多くの地下がある、という文字でスタートします。これはニューヨークでは実際に地下に住む貧困層がいるのです。

いわゆるホームレスたちはニューヨークの寒い冬を過ごすために地下にある下水道だったり地下道で暮らしているのです。

クローンたちが地下に押し込められたのもまさにそれと近似するところです。

ハンズクロスアメリカの意味

1986年に行われたハンズクロスアメリカはアフリカの飢餓やホームレス救済のためのチャリティイベントです。

はじめにアデレードがテレビを見ていた時に広告がされていました。(ちなみに同時にビーチでの遊園地の広告も流れ、アデレードはチャリティではなく遊園地に行きました。)

クローンたちが地上に上がってからハンズクロスアメリカのまねごとをしていたのはやはり自分たちのような恵まれない人間たちに救いを差し伸べて欲しいという思いからだったのでしょう。

赤いつなぎの意味

クローンたちが来ていた衣装はとても特徴的でした。

赤ははじめはカリスマ的指導者のレッド=赤から来ているのもありますが、実は黒人への迫害、差別、貧困と戦いぬいた人間マイケルジャクソンの衣装から来ているという説があります。

マイケルジャクソンはちょうどハンズクロスアメリカのころにWe are the worldなどのチャリティもやっていましたし、まさに黒人への迫害、差別、貧困と打ち勝つために作ったBeat it やThrillerなどの名作ができ、その時に来ていた衣装は赤い衣装でした。

最後に

ジョーダン・ピール監督のゲットアウトに続く2作目は完全に成功に終わりました。

1作目のゲットアウトは人種差別について、本作アスは貧富の差をテーマにした興味部会映画です。

【ネタバレ】映画ゲット・アウトのあらすじと内容解説【人種差別のメッセージ】

ただ一つ、この映画はゲットアウトに比べるととてもわかりずらい一方で、見れば見るほど味のある映画になっているので、しっかりネタバレを理解しながら見ると何度見ても楽しめる作品だと思います。

また、主演のルピタニョンゴの多彩な演技が見たい人は「リトルモンスターズ」でのかわいい演技も見ることができます。

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