映画ポゼッション
全米ナンバー1!!
サムライミが仕掛ける驚愕の実話を映画化!!
とありますが、監督や製作総指揮はサムライミでないので少し心配でした。
映画ポゼッションのキャスト・評価
【キャスト】ジェフリー・ディーン・モーガン、キーラ・セジウィック、ナターシャ・カリス、マディソン・ダヴェンポート、マティスヤフ
プロデューサー:サム・ライミ『スパイダーマン』、『オズ は
じまりの戦い』
【スタッフ】製作:ゴースト・ハウス・ピクチャーズ、監督:オーレ・ボールネダル、脚本:ジュリエット・スノードン、スタイルズ・ホワイト
評価:85/100点
映画ポゼッションのあらすじ
物語のスタートは木箱と老婦人の格闘から始まり、冒頭いきなり老婦人が木箱によってボコボコにされる。
その後物語は、妻と離婚し、週末ごとにふたりの愛娘と一緒に過ごしている中年男クライドに移る。ある日ふと立ち寄ったガレージセールで娘のエミリーがアンティークな木箱を欲しがり購入することになった。
その木箱こそ冒頭に老婦人をボコボコにした木箱である。
エミリーはその箱を開けて以来、異常な執着を箱に対して示し、時には凶暴な振る舞いを見せるようになり、それまでと打って変わって性格が変わってしまった。
その後もエミリーの奇行はエスカレートし、天真爛漫だった我が子の信じがたい変わりように危機感を覚えたクライドは、現代医学では解明できない原因があるのではないかと独自の調査を開始する。
しかしそのときすでにエミリーの小さな体には、この世ならぬ恐ろしい何かが棲みついていた。
クライドは大学の教授に相談し、箱には「命にかかわる」「絶対にあけるな」と書かれており、それが悪霊を閉じ込める封じ箱であることを知り、エミリーはその悪霊にとりつかれてしまったことがわかる。
そして、それを退治するためにユダヤの霊媒師に除霊をお願いすることになった。
閉じ込められていた悪霊の名は「アビズー」
子殺しの名であり、開けた子供の魂を狙う悪魔であり、アビズーの名前を呼ぶことで死闘の末、箱に戻すことに成功した。
箱はユダヤの霊媒師が安全に保管することで合意するが、ユダヤ協会に帰る帰り道、不運な事故にあい、箱が道路に置かれた状態でエンドとなる。
映画ポゼッションのネタバレレビュー
サムライミの久しぶりのホラー映画です。監督や総指揮ではないのですが、彼が噛んでいれば必ずおもしろいはず!
以前スペルという映画を紹介しましたが、彼自身は死霊のはらわたをはじめとするホラー映画の天才です。そのサムライミだからこそこのポゼッションにも期待が高まります。
結果的に彼が噛んでいることがよくわかる、期待に応えるホラー作品であったと言えます。
物語が実話であるかどうかはそれほど今回は大事ではないと思いますね。むしろ、呪いの箱に悪霊がいて、それが子供に乗り移ってしまうという話であるためあらすじは1行で終わります。しかし、ここにサムライミらしいホラーの表現を見て取れました。
映画スペルとの比較から見るホラーの特徴
映画の作りとしては映画スペルと似ています。
つまり悪霊や呪いの表現力で脅かしにくるのです
彼は人をどんどん殺して脅かすことは得意ではなく(死霊のはらわたは例外だが)、呪いや悪霊などの超常的なちからが人間に怖い体験をさせるということを表現するのは得意です。
特に実話とは言え、呪いがどのように作用したかはおそらくサムライミが自分で考えたのではないかと思います
本作での呪いの表現は主に3つ
・大きな虫(今回は蛾)を大量に登場させる
・悪魔の表現(エミリーの目が白めになったり、悪魔の形相になったり、不気味な動きをしたり、口から手が出てきたり)
・若干のスプラッタ(義父の歯がすべて取れて血だらけになったり)
実はこのホラーの表現はサムライミが死霊のはらわたや映画スペルの中でもよく使っていた手です。特に映画スペルでは上記の3つをバランスよく配合していました。3つ目のスプラッタも大量の吐血という残酷ではない不気味さをうまく演出しています。
今回は特に2つ目の悪魔の表現が怖かったです。
エミリーは子供だったのでまだ怖さが軽減されてましたが、エクソシストしかり少女の悪魔というのはなんだかか弱さと怖さを両方持っているので不安定さというか危なかっしさというところから見ていて不安になりますね。
映画ポゼッションにあえてつっこむとすれば?
(以下悪魔の画像があるので苦手な方は閲覧注意!!!)
あえて言うならば、悪魔との闘いが若干パワー不足だったような気もします。
あまりCGやVFXを使わないようにした気配りが見えますが、どうしても悪魔物は死霊のはらわたや元祖エクソシストと比較してしまいます。(順にエクソシスト、死霊のはらわた、死霊のはらわたリメイクです)
うーん、怖い。
そして今回の悪魔はこれ
怖いけど、なんだか清潔感がありますね。
あとは悪魔なのにそんなに特殊能力もなく、あくまでも力とかは基本人間のまんまでしたね。
ここらへんはサムライミが総監督に入っていないので少し薄まったかな?
まあ少しマニアックな指摘ではありますね。
映画ポゼッションの最後に
基本的には悪魔物が好きな人にはとてもおもしろい映画だと思います。
ホラーとしても怖い作品なので十分楽しめる作品だと思います。
個人的にはスペルとかのほうがお話的には好きですかね。
どうしてもエクソシストと比べてしまうのでそうすると二番煎じ感が出てしまうんです。
それでもサムライミが好きな私としては十分見る価値があります。
彼らしい適度なグロが映画を盛り上げてくれること間違いありません。
ちなみに映画スペルはこちら