「ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷」のあらすじとネタバレ解説(「呪怨」ハリウッドリブート作品)

ハリウッド版『呪怨』の第4作目として作られた本作品。既存の物語との関連はなく、呪怨を見たことない人でもこれ単体で1つの作品として見ることが可能です。制作陣は無名の人が多い中、サム ライミが(ちょっと)参加していることで大々的な宣伝が行われています。

キャストとスタッフ

監督 ニコラス・ペッシェ
脚本 ニコラス・ペッシェ
原案 ニコラス・ペッシェ
ジェフ・ブーラー
原作 清水崇『呪怨』
製作 一瀬隆重
サム・ライミ
ロバート・G・タパート
製作総指揮 ダグ・デイヴィソン
ジョセフ・ドレイク
ネイサン・カヘイン
ロイ・リー
ジョン・パワーズ・ミドルトン
スカイラー・ワイス

キャスト

主要キャストは「オブリビオン」「ナンシー」のアンドレア・ライスボロー、「死霊館のシスター」のデミアン・ビチルです。

マルドゥーン刑事 – アンドレア・ライズボロー(庄司宇芽香)
グッドマン刑事 – デミアン・ビチル(竹田雅則)
ピーター・スペンサー – ジョン・チョー(浪川大輔)
ニーナ・スペンサー – ベティ・ギルピン(島田愛野)
フェイス・マシスン – リン・シェイ(藤貴子)
ローナ・ムーディ – ジャッキー・ウィーヴァー(犬山イヌコ)
ウィルソン刑事 – ウィリアム・サドラー(森宮隆)
ミスター・マシスン – フランキー・フェイソン(俊藤光利)
バーク – ジョン・J・ハンセン(濱口綾乃)
フィオナ・ランダーズ – タラ・ウェストウッド
佐伯伽椰子 – ジュンコ・ベイリー
コール – ナンシー・ソレル
看護師 – ステファニー・シィ
グレコ刑事 – ジョエル・マーシュ・ガーランド(真木駿一)
サム・ランダーズ – デヴィッド・ローレンス・ブラウン
メリンダ・ランダーズ – ゾーイ・フィッシュ
フリードマン – ロビン・ルエル
マイケルズ – ブラッドリー・サワツキー

あらすじ

マルドゥーン刑事は旦那を癌で失ったのちに息子のバークとともに新しい地へ引っ越してきました。転勤してまもなく、森林地帯で車に乗った状態の変死体が発見され、駆け付けたマルドゥーン刑事と相棒のグッドマン刑事はその死体の異様さに目を疑う。死体は何カ月も放置されたもので遺品からこの遺体は“レイバーン通り44 番地”の関係者であることがわかります。そこは、2年前にグッドマン刑事が担当し、未だに強烈な印象を残している「ランダース事件」の現場でした。グッドマン刑事はその事件で相棒の気がおかしくなってしまったといいます。

グッドマン刑事が積極的にランダース事件との関連を調べようとしない中、マルドゥーン刑事は、一人事件の舞台となったレイバーン通り44 番地の屋敷を訪れます。屋敷で特に有力な手掛かりを得ることができなかった彼女でしたが、その日を境に何かに憑けられているような不気味な厳格に襲われ始めるのでした。

映画のネタバレ解説

ホラー映画ファンにとって呪怨シリーズは避けて通れない道であり、一方で過去何度も”呪怨”というタイトルに騙され続け”はずれ”を引いた人たちもいることでしょう。

ただ、おそらく本作品「ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷」については期待が高かったはず。それもそのはず「サム ライミ」という文字が並んだからです。

評価はどうか

いきなり評価の話ですが、アメリカのレビューサイトでは支持率16%、10点満点中4点というかなり低い評価になっています。もともとジェイソンだ、フレディだとモンスター系がホラーとして受けていたアメリカでは呪怨のように静かに呪われる作品は受けにくいのが事実です。ただ、それでもさすがに評価が低すぎますね。

個人的に見た感想は「ありきたりだが、退屈というほどではない」というのが正直なところでしょうか。呪怨を見たことない人からすれば、ある程度の新鮮さや恐怖を感じることができるでしょうし、呪怨ファンにとっては作中に過去の事件として初代伽椰子役の藤貴子さん、その旦那役の松山鷹志さん、俊雄役の小山僚太くんが載った新聞記事が映ったりするのでそれなりに見どころもあるかなと。

リブート版なので似ているところと全く違うところがあっていいし、無理やりではあるが一応日本から呪いを持って帰ったというのも原作へのリスペクトがあって個人的には評価できるかなと思います。

作品の構成

詳しく作品に入っていきますが本作は大きく呪われた家に関係する4つの家族ができてます。大きく①ランダーズ家が遭遇した出来事、②スペンサー家が遭遇した出来事、③マシスン家が遭遇した出来事、④マルドゥーン刑事が遭遇した出来事の4つのストーリーから構成されています。

各ストーリーを時系列順に並べると①(2004年)→②→③(2005年)→④(2006年)となっています。ただ、それが入れ代わり立ち代わり画として入ってくるためどれがいつの設定なのかわかりずらくなっています。さらにマシスンさんははじめから少しイカれてる部分もあったので正直呪いでおかしくなったのか、その前からおかしかったのかもわからず余計混乱します(笑)

逆に言えば、4つの家族が呪いにより苦しめられるため1粒で4回おいしい作品ではあります。ただ、妊婦だったり家族だったりが惨殺されるので苦手な方はやめたほうがいいでしょう。

作品のオススメ度

個人的にはしっかり作っているので「見てがっかり」というほどではなかったかと思います。化け物の造形もそれなりに力が入っていますし、映像だけでも十分楽しめます。ただ、ストーリーとしては一方的に悪霊にやられ続けるだけの話なので、(もともと呪怨ってそういうもんでしょ)そこを期待するとよくないでしょうか。

金曜日の夜中にビール片手にボーっとしながら見る分にはいい作品だと思います。