悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲
出演: アレクサンドラ・ダダリオ, ダン・イェーガー, タニア・レイモンド, スコット・イーストウッド, マリリン・バーンズ
監督: ジョン・ラッセンホップ
【悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲評価とあらすじ】
75/100点
若者たちが人間の皮をかぶった大男に惨殺された事件から1時間後、狂気に満ちた猟奇殺人一家を村人たちが皆殺しにする。
20年後、心当たりのない財産を相続することになったヘザー (アレクサンドラ・ダダリオ)は自身の出生の秘密を探るため、友人たちと共にテキサスの田舎町へ向かう。
相続する大邸宅にはしゃぐ一行だったが、そこには恐るべき殺人鬼が潜んでいた。
【悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲のあらすじ・ネタバレ】
1974年の悪魔のいけにえから7作目にあたる本作。唯一1作目からの続編として制作されています。
実は私自身1作目を見ていないというまがい物です、すいません。
実はマイケルベイ制作のリメイクテキサスチェーンソーからの視聴者なんです。
もちろんテキサスチェーンソービギニングなど周辺映画も全てチェックしているのですが、原点のあくまのいけにえを見ていないという、、、、
そんな私がレビューを書いていいのかわかりませんが、本作では初めの冒頭部分で前作の内容が振り返られていますのでどなたでも安心してご覧いただけます。
さて本作はソーヤー一家の皆殺しから物語がスタートします。
テキサスの田舎で好き放題殺しまくりの生活をしていたソーヤー一家ですが、村の人間がそんな状況を放っておくわけもなく
魔女狩りのごとく取り囲んで皆殺し。
ただ、これ自体は少しも違和感はなく、「まあ、そりゃそうだよね」とみていても納得。
あれだけ殺して人間の皮をはぎまくっている人たちに情けはいらないよね、と虐殺にかかわらず妙なすっきり感です。
そして月日は流れなんとソーヤー一家に女の子が生き残っていたという驚きの展開からスタートします。
殺人鬼一家の家族ってどんなだろう、、、、
普通に一緒に暮らしていたら迫害の対象になっていたでしょう。
そんなレザーフェイスの家族を演じたのはアレクサンドラ・ダダリオ
美しい彼女はその黒髪からなんだか魔女を彷彿とさせますが、いたって普通の女子です。
アレクサンドラ・ダダリオと言えば以前書いたゾンビガールでのヒロインを演じていました。
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彼女はその美貌でとにかくホラー映画を見る者を魅了する素晴らしい女性です。
彼女の演じるヘザーはレザーフェイス一家の生き残りです。
ヘザーは普通に暮らす大学生ですが、ある日レザーフェイス一家の遺産を相続するために一家の家に赴きます。
すでに大虐殺は20年も前の話ですから誰もいないはずの家。
その家の中で頑丈に施錠された部屋を見つけます。
そこからはお決まりのパターンですね。
レザーフェイスの無双がはじまりとにかく大虐殺。
侵入してきた若者、パーティーで騒ぐ若者、エロイことをしようとしている若者がまさにピタゴラスイッチを見ているように既定路線で殺害されていきます。
なお、本作はR18に指定されている作品ですのでところかまわず女性の裸体が出てきますのでデート映画には向かないでしょうね。
基本セクシー路線を意識した作品にもなっています。(ヘザーが鎖につながれるシーンもかなりきわどかったですね)
さて本作の目玉の一つはレザーフェイスとヘザーの関係です。
若者が虐殺されることは見る前からわかっています。ファイナルデスティネーションよろしく必ず死ぬんでしょ?どうやって死ぬの?ぐらいの興味はありますが、それは視聴者は既定路線。
注目はヘザーという血縁者をレザーフェイスはどう感じるのか。
まずは殺されかけます。
まあそうだよね、殺人鬼だもんね。
もちろんヘザーも逃げます。まさか血縁者だとは思わないですよね。
ですが、物語が進んでいくにつれて状況は変わっていきます。
映画の副題にもなっていますが、本作ではレザーフェイス一家の逆襲が一つの目的です。
あくまでも逆襲は昔家族を皆殺しされた街人への大虐殺に対する仕返しです。
そしてヘザーも知ります。自分たちの実の血縁者が街の人々によって殺されたことを。
ここではじめてレザーフェイスとヘザーの意見が一致します。
「街の人を許さない」
レザーフェイスの街人への仕返しがはじまります。
そこからはこれも既定路線の虐殺ですので割愛します(笑)
大事なことは最後の場面首謀者とレザーフェイスの戦いです。
加齢と負傷、お得意のチェーンソーを持っていないことで劣勢に立たされるレザーフェイス。
もうだめかと思ったとき、なんとヘザーがレザーフェイスに加勢します。
本作中でもレザーフェイスがヘザーを血縁者と認識する場面がありますがやはり血は争えません。
ヘザーの加勢でチェーンソーを手に入れたレザーフェイスは勢いを取り戻し首謀者を殺します。
【悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲を見終わって】
本作を見て感じたことは意外かもしれませんが「愛」です。
レザーフェイスとヘザーの間に感じた家族愛はまぎれもなく人間が根源的に持っているものに間違いありません。
特にレザーフェイスのような悪魔でもヘザーに対する家族愛は変わらないのですね。
そしてなんと不思議なことに虐殺の首謀者にレザーフェイスが殺されそうになると見ている私自身もレザーフェイスを応援していました。
これは「慈愛」でしょう。
あんなに前作までひどいことをしていた相手でも人間は愛をもって接することができるんですね。
なんとも不思議な作品に仕上がっています。
レザーフェイスも一人の人間なのだという事実を受け入れられない人もいるのでしょうが、彼はやはりただの悪魔ではないということでしょう。
見終わった後に不思議な感触が残る映画なので、時間がある方はぜひご覧ください。