残穢(ざんえ)の評価
★★★★★
残穢(ざんえ)の評価の「穢」という字は「けがれ」という意味で残穢(ざんえ)とは文字通り、怨霊の穢れが残っている部屋のことを指します。
古い家の畳にお化けがいる、、、日本らしいホラー映画です。
残穢(ざんえ)のあらすじ
小説家である「私」(竹内結子)のもとに、女子大生の久保さん(橋本愛)という読者から、1通の手紙が届きます。
「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」
好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、
自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がります。彼らはなぜ、“音”のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどってしまったのか。
「私」と久保さんは、作家の平岡芳明(佐々木蔵之介)、心霊マニアの青年・三澤徹夫(坂口健太郎)、そして「私」の夫・
直人(滝藤賢一)らの協力を得て、ついに数十年の時を経た、壮大なる戦慄の真相に辿り着く。だがそれは、
新たなる事件の序章に過ぎなかった―。
すべての事件をつなぐ【穢れ】の正体とは?
予定調和を許さない驚愕のラストまで、目が離せない。
残穢(ざんえ)のネタバレ感想
(以下重要なネタバレを説明しています!!)
この映画は友人が私にすすめてくれた映画ですが、なぜ薦めてきたのかがわかりました。
一言で言えば彼は私を「呪い」にかけたかったのでしょう(笑)
順を追って説明しましょう。
本作は事故物件での「穢れ」に関するものです。
日本古来から地縛霊といわれるものがあるように土地につながれている幽霊のようなものは多くの人に信じられてきました。
本作でも岡谷マンションというところで起きた不可解な事件について調査が行われていきます。
地縛霊の場合、その場所に行けばその幽霊に会うことができ、その場所から遠ざかれば逃げることができますが、本作ではそうではありません。
「穢れ」は確実に伝染します。
その場所に触れたり、呪われた一族と友好関係を持ったり、何が原因かはわかりませんが、穢れは確実に相手に伝染します。
残穢(ざんえ)の本当の恐怖
本作では最終的に「穢れ」の正体を没落した資産家奥山家の不幸に起因するものとしてあたかも全てが解決したかのように一見見えます。
しかし、これは終わりではなく、始まりにすぎません。
奥山の屋敷を出た後、この捜査にかかわった人間は何らかの不幸に見舞われています。
謎の電話、影との接触、程度の差はあれ彼らは穢れが伝染しています。
そして忘れてはいけません。私たちもスクリーンを通じて奥山家の事実を目撃し、知ってしまったのです。
本作最大の特徴は竹内結子演じる「私」に名前がないことでしょう。
すなわち主人公の「私」こそ見ている「あなた」であり、あなた自身がこの映画を見ることで「穢れ」が移っているのです。
最初に私が友人から「呪いをかけたかった」というのはまさにこのことです。
本作はそれを目撃させることでどんどん視聴者を穢れの輪の内側に誘っているのです。
残穢(ざんえ)の最後
残穢(ざんえ)は正当な日本ホラーだと思います。
化け物だったりスプラッタだったりという小手先のものはなく、ただたんたんとサスペンスのように謎を解いていく。
そして最後に穢れの正体に迫り、視聴者をビビらせる。
中村監督お見事としか言いようがありません。