映画カムガールのあらすじとネタバレ解説【彼女の正体は?】

カムガール
カムガール

カムガールの評価

★★★★☆

Netflix(ネットフリックス)配信の映画カムガールです。

一人のチャットサイトにはまった女の子がトラブルに巻き込まれる話ですが、かなりリアリティのある話で楽しめました。

インターネットの怖さも去ることながら、今の若い人のSNSとの付き合い方やリスクというのを時に面白く時に残酷に表現している良作です。

ただし、細かいところの「なぜ?」はあまり解説してくれませんので、細かいところが気になる人にはうけない作品かと思います。

カムガールのあらすじ

ローラはFREEGIRLS.LIVEというサイトで、自分のリアルタイム動画を投稿していました。

このサイトでは閲覧者が自分に”投げ銭”でコインをくれるシステムで、ローラはトップ50位内を目指して日々投稿していました。

このサイトではどんな動画の投稿も可能で、自殺してスプラッター状態の動画だったり、多くの女の子が裸になることで投げ銭をもらっていました。

ある日、ローラがいつものように起きてサイトを開こうと思うとログインできません。ふと、自分がオンラインにいることに気づきます。

不思議に思い、自分のページを見てみると自分そっくりの誰かが動画に出演しているではありませんか。

困惑と怒りで運営会社に電話しますが、取り合ってくれません。

友人、はたまた警察にも相談しましたが、どうすることもできませんでした。

そんな間にもネット上の偽の自分は過激な動画をアップし続けみるみる順位を上げ続けていくのでした。

カムガールのネタバレ解説

カムガール最大の謎はローラのアカウントを乗っ取ったの偽ローラは何者だったのか?ということでしょう。

作中では詳細に明かされていないのでいくつかの仮説を立てていきたいと思います。

説①第三者による悪意あるハッキング

まずシンプルに考えて、何者かがローラのアカウントを奪って自分のものにしたという説です。

IDとパスワードさえ分かれば乗っ取り自体は可能ですが、問題はローラそっくりな偽物はどうしたか?ということです。ローラの動画自体はネット上にいっぱいあるので整形して、それに似せたということも考えられるでしょう。

ただし、ローラと偽ローラが個人チャットで話していたとき「向こうは自分の外観を知らないらしい」という話だったのでどうもこの説は無理がありそうです。

説②運営側による乗っ取り

おそらくこのFREEGIRLS.LIVEというサイトではトップ10はとんでもない金額の報酬を受け取れると考えられます。そのため、運営側が人気が出そうな子のアカウントを没収して自分で運営することで儲けるということは考えられそうです。

しかし、ここでも偽ローラがローラそっくりであることの説明がうまくできそうにありません。

しかも、もし運営側が黒幕ならローラによる「パスワードをよこせ」などという要望には答えないと考えられます。

 説③悪魔やお化けなどホラーの類

ネット上でまことしやかに言われているのがこの実は「お化けが犯人」説です。

ホラー映画「アンフレンデッド」ではSNSに怨念が住み着いて自分を自殺に追い込んだ奴らをどんどん殺していきました。

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今回もローラのアカウントにある種のお化けが作用したとも考えられます。

事実ベイビーガールなど過去に死んでしまった人まで登場しているので何かしらの因縁を感じます。

ただし、もう少し現実的な答えはないでしょうか。

説④インターネット上のAIプログラム

お化け説をもう少し現実にすると何者かが作ったネット上のAIシステムが作用していることが考えられるのではないでしょうか。

これらを裏付ける証言もあります。

まずはストーカーのティンカーの証言です。

「僕はあれを見つけただけ…君のネット上の全情報を取り込む…大体わかる、この娘はコピーされるなって…十分見てるからあれが選ぶ娘の見当がつく、でもあれの正体や仕組みは知らない」

つまりネット上でローラのあらゆる情報をクローリング(スキャン)して、ローラ自身をデジタルに作り上げるということです。

ローラはネット上で動画や音声を大量に残していました。それを解析して再構築していけば完全なCGを作り上げることができるのではないでしょうか。

また、受け答えについてはチャットボットのようなものを考えれば可能なように思います。

スレッドに書かれた要望をもとに 自動で動画を生成して、映し出す。

実はローラの動画では一部画像がバグるシーンがあったのを覚えているでしょうか?

例えば拳銃で撃たれて起き上がるシーンではバグがあったあとに血だらけのローラが出てきます。また、ラストでローラと偽ローラがまねっこゲームで対戦する際に偽ローラは画面にバグが入る前と後で血のあとが違うのです。

つまり、これこそ偽ローラが動画編集で作られた存在であることがわかります。

さらに付け加えると、偽ローラにしろ、死んだベイビーガールの動画にしろセリフが同じなのです。

「文字通りこの家に火をつけるわ、消防士に寂しいお尻見せたい、そう 私の炎を消さず つけて欲しいから」

これは台本があるというよりは、文字通りシステム的に動画が作られたという見方ができます。

余談ですが、弟のジョーダンの誕生日パーティで女の子が「ヤダ、シミが出てる。でも大丈夫修正できるから」とぱぱっと写真を修整してしまったのもこのデジタルの修正を暗示したものだったのかもしれません。

偽ローラのまとめ

個人的には説④が一番あっているのではないでしょうか。

ファンには怒られるかもしれませんが初○ミクを実際の女性で作ったらどうなるか、、、そんなことを考えた人が作ったAIシステムが独自にネット内で進化している、、少しオーバーテクノロジーなところはあるかもしれませんが話としては面白いかと思います。(あくまで私見ですが)

カムガールの結末ラストの考察

ラストにローラは整形し、顎や鼻を変え、カツラを被り別のアカウントで再度サイトに登録しました。

これを見てどう思ったでしょうか。このラストを解説していこうと思います。

ラスト結末はバッドエンド説

ラストをバッドエンドとする見方があります。

ローラは何者かにアカウントを乗っ取られ、結局周りのみんなに「ポルノ女優」と揶揄され、社会的に生きづらくなってしまいました。

それでも彼女は自らの承認欲求を抑えきれずにまた戻ってきてしまいます。そんな彼女を多くの人が「かわいそう」「哀れな女」と見ます。

これがバッドエンド説です。

確かに、作中ジョーダンの誕生日での周りの会話からFREEGIRLS.LIVEというサイトでローラは莫大な金額を稼いでいたこともわかります。そのため容易にはこのサイトの世界から足を洗って誠に働くことは難しいでしょう。

ですがこの見方は悪魔でも第三者目線すぎると思います。

ラストはハッピーエンド説

元々ローラは自らの裸体をネット上に投稿したり、挑発的で性的な動作の動画をネットにあげていました。

それはアカウントを乗っ取られる前から行われていたもので、彼女がポルノ女優と言われた所以は決してアカウントが乗っとられたからではありません。

確かに有名になりすぎて家族や友人にバレましたが、それ自体はトップ10を狙っていた彼女にはわかり切っていたことです。

ですので、発覚したときの言い訳は「あれはポルノではない」じゃなく「トップ10に入ったら話すつもりだった」という言い訳でした。

では、彼女は何が悲しかったのか。

それは自ら一から積み上げてきた、順位が偽物に乗っ取られ、さらにはその偽物が自分の姿でどんどん上位へ食い込んでいったからです。

ローラの偽物はローラがどんなに頑張ってもできなかったことをものの数日でやってのけました。

ローラにとってこれほどの屈辱はありませんでした。

母親との和解

作中ローラと母親の溝がラストに向けて埋まっていきます。

母親はローラのチャットサイトを見て「あなたは実力あるわ、少し見たわ。パジャマで爪をかじっていた子がみんなに愛されていた」と言い、ローラは安心したような顔を一瞬します。

あのライブチャットのサイトは彼女の表現の場であり、それを他人にとやかく言われるのはどうでもよく、自分の表現の場を奪われたことがやはり彼女にとっては痛かったのでしょう。

新たなスタート

だからラスト、ローラは一からまた頑張るのです。

母親にも認められ、自分を表現する場であるあの場に、もう一度髪型や顔を少し変えて、別の名前でスタートしたのでしょう。

最後に

SNSの闇と光の両方が見える作品でしたが、我々にとって闇でもローラにとっては光に見えて仕方ないのでしょう。

ある時期からポルノ女優が社会的に認められるようになってきたり、Youtuberのような人たちが少しづつ市民権を獲得してきているように、私自身はローラの生き方を全く否定しません。

むしろ大変失礼ですが、彼女のように何の取柄もない人が一生懸命生きる世界があるというのはそれはそれで幸せな世界ではないかと思います。