ラストシフト 最後の夜勤の評価
★★☆☆☆
ネットフリックスで「あなたへのおすすめ」にやたら出てくるのがこの「ラスト・シフト 最後の夜勤」でした。
総じて脚本はあってないようなもので終始不気味な雰囲気のまま終わります。
特に何かどんでん返しがあるわけでも理由付けがあるわけでもありません。
ただ、ちょっと血だらけの女の子が見たい、とか不気味なシーンが見たいという欲求だけを満たしてくれる作品でした。
ラストシフト 最後の夜勤のあらすじ
新人警官のローレンのはじめての仕事は警察署の旧庁舎での勤務でした。
彼女の父親も警官でしたが、ペイモンズ逮捕の事件で殉職していました。
コーエン巡査部長から仕事の引継ぎを受けたローレンでしたが、簡単な勤務のはずが奇怪なことが立て続けに起きます。
鳴るはずのない電話ではモニカ・ヤングという女性から助けを呼ぶ電話が入ります。
また、庁舎の中ではポルターガイストのようなものが勝手に移動したり、ドアが開いたり閉じたりします。
およそ現実とは思えない出来事に混乱するローレンの前にプライス巡査が現れます、彼はペイモンズ事件のときに彼女の父親と一緒に現場に行っていました。プライスと会話しながら落ち着きを取り戻すローレンでしたが、ふと彼の後頭部がなくなっていることに気づき動揺します。
次第にローレンはこの旧庁舎が実はカルトであるペイモンズによって呪われていることを知るのでした。
ラストシフト 最後の夜勤のネタバレ感想
魅力的なジャケットからこの映画の期待値は上がる一方で内容については少しがっかりな本作です。
雰囲気はすごくいいし、主役の新人女性警官を演じたジュリアナ・ハーカヴィという人の演技も素晴らしい。
ワーキャー言うだけのホラーではなく、やはり警官らしく、最後まで現実に起こることだけを淡々と受け入れるところは見ているこちら側も落ち着いてみることができました。
ラストシフトで出会った不気味な呪い
本当に脚本以外は素晴らしいと思います。
ラストシフトで旧庁舎の最後の夜勤に抜擢され、警察署であるにも関わらず一人で過ごすという怖さはまるで廃病院のようです。
時折出てくる不気味な人たちは実在の人?なのか悪魔なのか?の曖昧さは残すことで物語の進行とともに着実にローレンが悪魔の世界に引きずり込まれる雰囲気ができています。
【ストーリー考察】疑問点の多さ
とても世界観が好きな分、残念なのが脚本です。
あまり細かい辻褄合わせをするのはこの手のホラー映画には無粋というものですが、それでも気になる部分が多すぎます。大きな部分をいくつか挙げていきたいと思います。
プライスはなぜ死んだのか?
プライスの告白の中に「お父さん含む二人が死亡」とありましたので、プライスも「逮捕時の銃撃戦で死んだ」ものと思っていました。
しかし、よく考えるとプライスは後頭部が破裂しており、あの死に方は銃口を口に入れて引き金を引いた自殺スタイルだと思います。
ということはジョン・マイケル・ペイモンの呪いがかかった後に悪魔のせいで自殺したのでしょうか。プライスは重要な人物だと思うので、非常に曖昧で気になります。。。
ローレンのラストの幻覚は
そして最も納得いかないのはラストのローレンの見た幻覚です。産廃業者を襲撃者と勘違いして射殺したのですが、それはもとはと言えば父親からの電話で「やつらが来る」と焚付けられたからです。
ということはお父さんもすでに悪魔の支配下にいるのか。
さらにローレンを射殺したコーエン巡査も悪魔の支配下にいるのか?
しかも最後にローレンがペイモンの歌を歌うところも謎です。
彼女も悪魔に見初められたのか、よくわかりませんでした。
最後に
ストーリーとしては「カルト野郎が警察署に呪いをかけて、新人警官が恐怖体験をする」というシンプルなものですが、少し欲張りすぎて脚本に気になる部分が多くなってしまっています。
細かい部分を気にしなければ「あー怖かった」となるでしょうから、お化け屋敷系のとにかく怖いものが見たい、という人にはおすすめの作品です。