評価・レビュー
★★★☆☆
★4寄りの★3というところでしょうか。
ホラーコメディとなっていますが、シリアスな展開のほうが多く、コメディはおまけのようなものです。
むしろホラー映画ファンにしかわからないネタが多めになっているので「これのどこがコメディ?」と思う人も多いかと思います。
途中まではハラハラドキドキですが、後半は捻りすぎて逆に先が読める展開になっていきます。ラストは賛否わかれるところでしょうが、個人的には味気ない終わりかっただったので★3つです。
フィアー・インクのあらすじ
夜の駐車場で何かから女性が逃げています。
慌てて自分の車を目指す彼女は警備員に話しかけられますが、話半分に彼を追い払い自分の車に乗り込みます。
女性がラジオをつけるとラジオから話声が聞こえます。それは彼女を追い詰めるための話し合いのやりとりでした。
あわてて女性が逃げようとすると後部座席から首を絞められます。
ところ変わり、無職で人を驚かすこととホラー映画が大好きなジョーはお金持ちで恋人のリンジーと一緒に、お化け屋敷に行きますがあまりの子供だましにつまらなそうにしています。
するとある男がジョーに話しかけ「フィアー・インク」と書かれた名刺を渡します。
友人のベンとアシュリーに話すとフィアー・インクは今流行のエンターテイメント企業で、“恐怖”を提供してくれると話題の会社でした。
一方でフィアー・インクはやりすぎ、過激すぎるという批判もあり、ベンたちは絶対に電話をかけるなとジョーに釘を刺します。
退屈で仕方ないジョーは「フィアー・インク」に電話してしまいますが、電話に出た男から「もう売り切れです」と言われ、がっかりします。
しかし、その夜不気味な侵入者が家に押し入りアシュリーが殺されます。
驚いたジョーはリンジーとともに逃げ出しますが、捕まってしまいます。
ジョーが気付くと椅子にベンが縛り付けられていて、テレビ画面の向こうにはリンジーがベッドに縛り付けられています。
一人自由に動けるジョーは、フィアー・インクからベンの腕を切り落とすように言われます。
ジョーは仕方なく従いますが、次は部屋を出るためのカギを手に入れるためにベンの腹を切り裂けと言われます。
ジョーはベンの腹を切り裂きカギを取り出しますが、突然暗くなり、ベンがいなくなります。
すると今度はベッドのリンジーが襲われています。
慌てて彼女のもとへ向かったジョーはそこに現れた犯人と揉み合いになり、犯人を殺してしまいます。
結末ラスト
驚いたリンジーはこれは全部フェイクで、犯人役の彼はフィアー・インクの役者だと説明します。
そこでネタバラシのためにベンとアシュリーも現れますが、事態の深刻さから逃げ出してしまいます。
自首しようとするジョーですが、死体を始末できると言い張るリンジーはフィアー・インクの車に死んだ役者を載せます。
途中警察の車に止められましたが、なんとか逃げ切った彼らでしたが、ついにフィアー・インクの人間に捕まってしまいます。
復讐のためリンジーは殺され、一人生き残ったジョーは命からがら一軒のダイナーに助けを求めます。
なんとそこには殺されたはずのリンジーがおり、フィアー・インクのキャストがどんどん入ってきます。彼は全てドッキリだとネタばらしし、ビールを飲み始めました。
ジョーは安心したようにリンジーやベンたちと話していると突然フィアーインクの人間がベンを殺し、ジョーやリンジーも殺されてしまうのでした。
ネタバレ解説・感想
評価でも書いたとおり、ホラーコメディですがホラー要素がかなり強い作品です。
主人公のジョーがコメディよりのふざけた軽い人間ですが、彼が地獄のような体験をするので見ている側としてはホラーを見ている展開です。
フィアーインクとは
”客に人生最大の恐怖を与える”会社、それがフィアーインクです。
フィアーインクの見どころ
この映画の見どころはやはり「ドッキリなの?現実なの?」という展開でしょう。
映画で言えば、「スケアキャンペーン」などがそれにあたるのでしょうが、ドッキリを仕掛けたら本当に恐怖体験になってしまうのか?それともドッキリなのか?という微妙なラインをいきます。
ちなみに世の中としては前者のほうが多く、後者のように全てドッキリでした、というような展開は少ないですね。後者はやはり拍子抜け感が大きく映画として成り立たないからでしょう。(どうしても軽い作品になってしまうからでしょう)
ホラー映画好き向け
途中、いくつかホラー映画好きのための”ネタ”が散りばめられています。
個人的にはベンが殺されるフリをするSAWの拷問のシーン(のパロディ)がとても好きです。
縛られている人の体の中から鍵を探すなんて、テンション上がりますよね!
逆に言えば、元ネタを知らない人からすると「何が面白いの?」という白けた感想になってしまうので、ホラー映画好きのみ見ることをおすすめする映画でもあります。
ラスト結末の解説
最後は結局ドッキリ(フェイク)だと思いきや実はフィアー・インクは殺人集団で、殺すことを生業にしている集団でした。
電話番もやる気のないお爺さんでした。
ラストについては賛否あると思いますが、個人的には少しあっさりしすぎなかなとも思います。
あそこまでドッキリに時間をかけたのに、殺すときは銃で一撃なんて。。。。もっとじっくり殺していくほうが見ごたえがあるように思いましたが、そこは尺の問題なのか文字通りサクっと終わってしまいます。
最後に
フィアー・インクはホラー映画好きにはおすすめの映画です。
コメディとしては笑えないシーンが多いのでそこは要注意です。
ただ、お客さんに「人生最大恐怖を与える会社」としてはラストでじっくりお客さんに恐怖を味合わせて欲しかったところです。