悪魔に呼ばれる前にの評価
★★★★☆
ネットフリックスのインドネシア発ホラー映画「悪魔に呼ばれる前に」
インドネシア映画もここまで来たか、と感動した一作でした。
一部シナリオ的には中だるみする部分があるものの、まるでサムライミの「死霊のはらわた」を初めて見た時のワクワク感を思い出させてくれる一作です。
もちろんはじめの期待値が明らかに低かったことも高評価の理由ですが、それを抜いてもアジアホラーの特殊メイクや特殊効果のレベルの底上げに純粋に感動しました。
悪魔に呼ばれる前にのあらすじ
悪魔と契約儀式をしたことで大金持ちになったレスマナは、不動産で大成功を収め大金持ちになります。
しかし、妻が謎の自殺を遂げてしまい、その後に元女優のラクシュミーと再婚します。
その後も悪いことは続き、事業は失敗、多くの借金とともにレスマナは昏睡状態になってしまいます。
レスマナには前妻の娘、アルフィとラクシュミーの子供のマヤと息子のルーベンがいます。
ある日アルフィが昔自分が住んでいた家に行くとラクシュミーたちがいました。
彼女たちはレスマナが死んでしまう前に金目の物を漁っていたのでした。
しかし家には一か所、お札で封印された部屋がありました。
その部屋を無理やりあけた彼女たちは世にも奇妙な体験をすることになるのでした。
悪魔に呼ばれる前にネタバレ感想
ホラー映画で高評価をネット上で見かけた「悪魔に呼ばれる前に」
インドネシア映画という未知の領域であったにも関わらず結果的にはとても満足いく映画でした。
インドネシア映画のレベル
インドネシア映画でまず思い出すのはバイオレンス映画「ザ・レイド」です。
俳優のイコ・ウワイスの超絶格闘アクションが光る個人的に最高の映画なのですが、ハリウッド映画の派手さとアジア映画の落ち着いた雰囲気を両方持つ独自の進化を遂げているのがインドネシア映画だと思っています。
今回のこの「悪魔に呼ばれる前に」も話の展開や設定はハリウッドらしい派手なスプラッタや悪魔系の色を出しながら、演出なんかはアジア映画らしい髪の毛だったり、人形を使ったりした描写などまさにアジア版の「死霊のはらわた」のような作品になっています。
エンタメ作品としての完成度
正直に言えば、シナリオはそんなに完璧な作品とは言えないかもしれません。
それにこの手の映画にしては”長すぎる”というNetflixオリジナル作品の悪いところが出てしまっています。
それでもこの作品がエンタメ作品としてホラー映画好きの目に留まるとすれば、それは気合の入った特殊メイクでしょう。
ところどころチラチラ映る悪魔の特殊メイクや動きが怖いのなんのって。
特殊メイクではラクシュミー(継母)が悪魔になった後の白塗りの顔がヤバすぎる。
正直サムライミの死霊のはらわたの悪魔と同じレベルの怖さだと思いました。
動きについては特に乗り憑られたマヤの動きは不気味すぎます。
まるでエクソシストのような動きで、人間とは思えない動きを繰り広げました。
そして、小道具です。日本人にもなじみ深い黒い長い髪を使ったホラー描写や人形を使った骨折描写などバイオレンス映画とは違う怖さというかエグさがあり、新鮮でした。
スプラッタも本格派
スプラッタ描写やグロ描写も多くあり、ホラーになれていない人には衝撃的な作品になっているかも。
悪魔が吐き出す黒いゲロみたいなものだったり、泥をなめるような演技は本当に感心します。
長らくハリウッド映画ではロブ・ゾンビのような「汚なければいいだろ」みたいな安直なホラーが多かったのですが、アジアですでにこういうスプラッタができていることにホラー映画好きとしてとても嬉しく思います。
最後に
インドネシア映画では他にもネットフリックスではサードアイがあります。
こちらもホラー映画としては少しマイルドですが、しっかりホラーとしての怖さを保った作品としておすすめできる作品です。