リトルデビルの評価
★★★★★
個人的にこの手のホラーコメディが大好きということもあり、満点です。
タイトルからエスターのようなガチガチのホラーを想像していたのですが、いい意味で期待を裏切ってくれました。
起承転結もしっかりと別れており、登場人物それぞれに個性があり、ウィットに富んだ下ネタ満載の会話も、中だるみすることなくしっかりと楽しむことができました。
リトルデビルのあらすじ
新婚のゲイリーとサマンサは一緒に住むために彼女に家に引っ越しをします。彼女には5歳になる息子のルーカスがいました。
ルーカスはゲイリーにあまりなついていません。
ルーカスは普通の子供とは違う面があり、彼の周りでは人が死んだり、不吉なことが起きるのでした。
ゲイリーはなんとかルーカスと仲良くなろうと誕生日パーティを開いたり一緒に遊んだりしようとしますが、そのたびに不幸な事件が起きるのでした。
ある日、結婚式のビデオを撮ったカールから電話があり、彼の話を聞くと実はルーカスは悪魔の子供ではないか、というとんでもない話をし始めます。
話半分に聞いていたゲイリーですが、思いきってサマンサにルーカスの出生について聞くと、なんとサマンサが若気の至りで入っていたカルト集団の儀式によって生まれた子供だということがわかります。
ルーカスが悪魔だと信じたくないゲイリーですが、話しているうちに生き埋めにされてしまい、彼が反キリストの悪魔だと確信します。
ゲイリーはアルに「あの子を殺すしかない」と助言され、プールで殺害しようとしますが、プールで無邪気に遊ぶアルを見て思いとどまります。
結末ラスト
ルーカスとやっといい関係ができはじめた矢先に 警察が現れてゲイリーを誘拐容疑で逮捕してしまい、ルーカスはカルト集団に連れ去られてしまいます。
ゲイリーはパトカーから脱出し、アルに助けを求め、グループセラピーの仲間とともにルーカスを助けに修道院へ向かいます。
修道院ではルーカスを生贄にして地獄の扉を開くための儀式が行われており、間一髪で教団を倒し、ルーカスを取り戻します。
ゲイリーは晴れてルーカスとの信頼関係を勝ち取り、親子で自作カートレースに出場し楽しく過ごしているのでした。
リトルデビルのネタバレ感想
評価のとおり、個人的にとても楽しめた作品です。人によっては好みが分かれるところかもしれませんが、ホラーコメディが好きな人であれば間違いない作品でしょう。
ホラーコメディのイーライ・クレイグ
監督のイーライクレイグと聞いてもぱっと思いつかない人もいるかもしれません。彼の代表作はあのスプラッターコメディのタッカーとデイルです。
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ホラーコメディ好きでは知らない人はいない名作です。
ちなみに私もタッカーとデイルは大好きです。
彼はとにかく不謹慎を笑いに変えるのが得意です。
日本で言うところの「失笑」の概念なのでしょうが、笑ってはいけないシーンなのに、妙に笑えてしまう、そんなブラックコメディに近い笑いを提供する天才です。
子供は悪魔
私も子供がいるのでわかります。デビルスリーという言葉があるように、小さな子供はたいてい悪魔です(笑)。
この映画はそれを皮肉ってオーバーに書いているところがとてもいいのです。
ある日突然自分のママが知らない男に取られて、あまつさえ新しいパパなんて言われた日には反抗して当たり前です。
もちろん実際の子供は大人を生き埋めにはしませんが、心の中では煮えたぎる反抗心があること間違いなく、大人を無視する、叩くなど普通にあることなのです。
そんな新しいパパのゲイリーとルーカスの微妙なすれ違いが怖いほど絶妙に描かれているのがこのリトルデビルという映画なのです。
個性的なキャラたち
主人公のゲイリーがいかしたキャラをしているのはもちろんなのですが、映画を盛り上げているのはむしろ周りの個性的なキャラクターたちです。
太っててゲイリーの同僚のアルなんてしゃべっているだけでヤバいやつであることがまるわかりのとんでもない脇役です。
子供について悩みを持つセラピー仲間たちのする子供の不幸自慢はもはや最高に笑えます。
有名ホラー映画のパロディ
ちなみにルーカスがよくブランコに乗っていたのは映画ポゼッションのパロディでしょう。
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テレビに向かっているこのシーンはわかりますか?
これは映画ポルターガイストの有名シーンですね。
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あとはセラピー仲間を苦しめる双子の兄弟は有名なシャイニングの姉妹ですね。
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こういったホラー映画の有名一場面をパロってるのも本作品の魅力ですのでぜひとも探してください。
最後に
この映画は単なるホラー映画ではなく、子供に翻弄される大人を面白おかしく表している作品でした。
実際に男の子に手を焼いているパパママならより楽しく見れること間違いなしでしょう。