映画「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」のあらすじとネタバレ解説 【殺人鬼の巣窟へ】

鬼才「イーライ・ロス」とクワイエットプレイスの脚本家が送るパニックホラー映画「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」を今日はご紹介します。

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷の基本情報

【原題】
HAUNT

【監督・脚本】
スコット・ベック、ブライアン・ウッズ

【プロデューサー】
イーライ・ロス

【キャスト】

ハーパー役:ケイティ・スティーブンス

1992年12月8日生まれ。「NYガールズ・ダイアリー 大胆不敵な私たち」(17-20)で主人公ジェーン・スローンを演じ人気を獲得。主な出演作に「フェイキング・イット~噂のカップル!?~」(14-16)『ポラロイド』(19)など。

ネイサン役:ウィル・ブリテン

1990年8月10日生まれ。主な出演作に『エブリバディ・ウォンツ・サム!!世界はボクらの手の中に』(16)『キングコング 髑髏島の巨神』(17)『女教師』(13)など

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷のあらすじ

DVの彼氏に悩むハーパーはハロウィンの夜にルームメイトのベイリーに誘われてパーティに出かけます。パーティの帰り道、騒ぎ足りない彼女たちはネイサン、エヴァン、アンジェラ、マロリーとともにお化け屋敷に出かけます。

お化け屋敷の入り口にはピエロのマスクをかぶった不気味な男が立っており、そこで携帯電話などを預けお化け屋敷に入っていく6人。子供だましなお化け屋敷の仕掛けにうんざりしながらも進んでいくと女性が拘束されている部屋にたどり着きます。そこでまたおそろしい仮面をかぶった男が女の顔に熱した火かき棒を突き刺します。

驚いた6人ですが、お化け屋敷の演出だと思い、さらに前に進むと道が別れています。そこには「安全な道」と「危険な道」と書いてあります。6人は3人づつに分かれそれぞれの道に進みます。

ハーパー、エヴァン、マロリーたちは3つの木箱の部屋にたどり着きます。どれも中はカラでしたが、扉を閉じると壁の向こう側のドアが開く音がします。順番に進んでいく彼らでしたが、最後のマロリーの番になると箱の中に蜘蛛が大量に投げ込まれました。パニックになるマロリーでしたが、なんとか外に出て事なきを得ました。

ネイサン、ベイリー、アンジェラが進んだ道では不気味な壁に手を入れる穴が開いていました。順番に手を入れていくとベイリーの番で誰かがベイリーの手を掴んで離しません。パニックになるベイリーですが、やっとのことで手を抜くことができました。しかし、その時ハーパーの指輪を落としたことに気づき手をもう一度入れます。

すると今度は剃刀のようなもので手をひっかかれてしまいます。突然の出来事にさらにパニックとなる三人でした。

木箱の部屋を抜けたハーパーたちですが、狭い通路を抜けることになります。エヴァンを先頭にハーパー続きます。通路を抜けた先にでたときにマロリーがいないことに気づきましたが、戻るわけにもいかず先に進むとネイサンたちに出会います。

けがをしているベイリーのために出口を探すネイサンたちでしたが、仕方なく先に進むことにします。すると、目の前の金網越しにマロリーが拘束されて寝かされています。そこではまた、例の不気味なマスクを被った男が熱した鉄の棒を持っており、次の瞬間その棒をマロリーの顔に突き刺します。

彼らはこのお化け屋敷の異変に気付き早く脱出しようと躍起になりますが、一人また一人とお化け屋敷の殺人鬼たちに殺されていくのでした。

結末ラスト

エヴァンは出口でゴーストの仮面をかぶった殺人鬼に殺されます、アンジェラはデビルの仮面をかぶった殺人鬼にくし刺しにされます。ベイリーは拘束され、意識がもうろうとしたまま、化け物の仮面をかぶらされお化け屋敷を歩かされたところ誤ってハーパーに殺されてしまいました。

ハーパーとネイサンだけになってしまい二人は必死に逃げ出します。途中のショットガンのトラップなどを乗り越えなんとかお化け屋敷を脱出しました。そのころピエロの仮面の男がお化け屋敷に火を放っていました。事件はうやむやになり、二人は病院に運ばれます。

大きなけがの無かったハーパーはその後退院しました。同じころピエロの仮面をかぶった男はハーパーの家を目指していました。男は家に入ると入り口にあったトラップに足を取られ動けなくなります。同時にオルゴールの音楽が流れ男はパニックになります。そこではハーパーが銃を持って待ち構えていました。彼女はピエロの仮面の男を射殺しました。

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷のネタバレ解説

「ホステル」「キャビンフィーバー」「グリーンインフェルノ」などホラー映画界の鬼才イーライ・ロスということでとても注目度の高かった「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」。

彼の持ち味である、精神にまで浸食してくる人間の怖さ、目をそむけたくなるような残虐描写が一部入ってくる作品になるので苦手な人は注意が必要です。

とは言ったものの少し大衆向けに作られた作品というイメージがあるのでその点はマイルドに作られているといわざるを得ません。

それではこの作品を120%楽しむためのネタバレを解説していきます。

世界一怖いお化け屋敷の正体は?

この世界一怖いお化け屋敷の正体は殺人鬼が作った”狩場”です。ハロウィンにかこつけてお化け屋敷を作り、そこに若者を集め、お化け役の殺人鬼たちは自分の好みの相手を殺していったのでした。

壁に塗ってあった油は?

冒頭壁にペンキの代わりに油が塗ってありました。壁に油を塗る理由はずばり”証拠隠滅のため全部燃やしてしまうため”です。

殺人鬼たち(おそらく主犯と思われるピエロ)はすべてが終わった後証拠とともにあのお化け屋敷ごと燃やしてすべてをうやむやにしようとしたのです。

ハーパーの持つトラウマは?

彼女は父親がDVをふるっていたことを告白しています。そのせいで彼女の母親は傷ついた(もしくは死亡した)と考えられます。彼女は自分の家を”お化け屋敷”と呼んでいました。そのままのとおりに取れば彼女の家がお化け屋敷を運営していたとも聞こえますが、優しい父親が突然DVで何かにとりつかれたように家族に暴力をふるう様子をお化け屋敷と例えたとも考えられます。

ちなみに本作の原題は「haunt(憑りつかれる)」であって「haunted(お化け)」ではありません。

邦題のホーンテッドは「お化け」という意味がありますが、原題からは父親が何かに憑りつかれるように別人になるということを指しているかもしれません。

これは余談ですが、DVの経験を持つ女性は自身もDVの相手を選んでしまうようです。そういう意味ではハーパー自身も彼氏は酒浸りのろくでなしを選んでしまいました。

ラストでハーパーが仕掛けた罠は?

お化け屋敷を脱出したハーパーたちは一度入院をしましたが、その後退院し、彼女の生家でピエロを待ちます。彼女の読み通り、彼女が書いた”退院届”に書いてあった住所にピエロがやってきます。

今回の生存者である彼女をピエロが殺害しにいったと思われますが、彼女はそれを逆手に入り口に罠をしかけます。

彼女の罠は自身があのお化け屋敷で体験したものであり、オルゴールの曲が終わるタイミングでショットガンが撃たれるというもので、同じようにオルゴールをセットした彼女は曲に合わせてピエロを殺害します。

ネタバレ感想・レビュー

「ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷」は既視感のある設定が数多く見られます。この手の建前はどうであれば建物に閉じ込められて殺人鬼に襲われるスラッシャーものはかつて多くの作品で表現されてきました。

例えばロブゾンビの31だったりワナオトコ、パーフェクトトラップ、SAWシリーズなどすでにこの手のジャンルを見るホラー映画ファンはすでに目が肥えていることが多く、そういう意味ではゴア描写も控えめ、殺人鬼も特に個性がない上に、弱すぎるという点で物足りなさを感じるかもしれません。

ただ、一方で描きたかったのは完璧な殺人鬼というよりは地元のなんちゃって殺人鬼だったのかもしれませんし、作品を見進めていくと殺人鬼の強さよりもハーパーのトラウマからくる力強さのほうが目を見張るものがあります。

作品としては丁寧に作られていてはじめの導入部分はダルい部分も多々ありますが、少しづつお化け屋敷に入っていく感じを視聴者に与えたいという感じも伝わりますし、展開もそれなりに早いので安心してみることができる作品になっています。