キューバ産のゾンビ映画と言えば、ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッドです。
ジャンルとしてはゾンビとなり、ホラーと言うよりはコミカルな感じで描かれます。
実際監督はショーンオブザデッドにインスパイアを得て作品を作っているとのことで、それも非常に納得です。
ゾンビ革命のあらすじ
40歳になっても、まともに働こうともしないフアン(アレクシス・ディアス・デ・ビジェガス)。
親友ラサロ(ホルヘ・モリーナ)と怠惰な日々を過ごしていたが、人々が突如として凶暴化して襲撃し合うという異常事態がキューバの首都ハバナで起きる。
新たな革命か反体制派による蜂起かと思われたが、徐々にフアンとラサロは凶暴化した集団がゾンビであることに気付く。
恐怖と混乱が街に忍び寄る中、フアンはゾンビ化した近親者を殺せないでいる人のための代行殺りくビジネスをスタートさせる。
しかし、ゾンビが次々と増殖していき……。
ゾンビ革命フアン・オブ・ザ・デッドのネタバレ
キューバという設定自体が新しすぎて興味をひきます。
まずは冒頭海のシーンからはじまり、なんだか落ち着かない雰囲気です。
海で寛ぐファンの光景で幕開けします。釣りをしているフアンの糸に獲物がヒット、手繰り寄せると死体が出てくるあたりがテンポよくすすんで素晴らしいですね。
魅力的なキャラクター
本作はユニークな仲間達のキャラがたっていてとても素晴らしい。
気丈な性格で美貌の持主であるファンの娘カミーラ。母親と離婚した父親をファンと呼び、冷めた態度で接する。
ファンに愛想を尽かしマイアミに行く予定であったが、異常事態の発生により、ファンと行動を共にする様になる。
ラサロの息子カリフォルニアはイケメンで少々間抜け。
父ラサロに従順で素直。同じ状況の中でカミーラとお互いに惹かれあう。
運動神経抜群でスポーツ万能。
筋肉質のオカマ野郎チナはシリコン注入手術の為にせっせと貯金する金の亡者。ファンとの口論が多い。ゴキブリ恐怖症。
マッチョ大男プリモはチナの連れで、無口で怪力無双。その割に気が小さく、血を見るとその場で気絶するのが難点。ゾンビと闘う時は目隠しして戦う。
ファンの愛用武器はボートの櫂とヌンチャク、
然も二刀流の構えを見せる演出は宮本武蔵とブルース・リーの共存である。
水中銃(銛)を携帯するラサロも負けてはいない。
これらの個性豊かなキャラクターがゾンビがはびこる最悪な世界の中でも笑いながら、泣きながら生き残っていくのである。
笑い満載の展開
ゾンビコメディも大分見慣れてきたが、こういったハリウッドから外れた作品というのはゾンビコメディというくくりだけで説明するのがとても難しい。
まずキューバという政治的不安が高い国において、もはやゾンビなのか、反体制派なのかもわからないくらい国が混乱するのもある意味とても皮肉が効いていてジワジワと笑えてくる。
そして、不謹慎なくらい金もうけに汚い主人公フアンがなんだか憎めない。
ゾンビの世界でもビジネスをはじめてしまい「身内殺します」と宣伝して電話機一つで起業してしまうあたりがある意味真面目であり不謹慎であり、ものすごい展開を期待してしまう。
最終的に終わるに近づくにつれて出オチ感のつよい展開を拾いきれずにしぼんでいく展開で残念であるが、とても楽しめる作品である。
最後に
ゾンビ映画をある程度見慣れた人にはおすすめの作品。
作品的にはゾンビ映画を笑って見られるぐらいの心の余裕が必要である。
総じておすすめの作品だと言える。