※映画グロテスクは閲覧注意・グロな内容が含まれています
映画グロテスクの評価
★★★★☆
日本のグロ映画としてかなり激しい拷問シーンのある作品。
グロ系の映画は長く見てきた私ですが、ここまで圧倒的に主人公たちが不利な状況で拷問される映画は後にも先にもこのグロテスクに勝てるものはないと言い切れます。
そして、さらに残酷さを増しているのがゲーム性のあるシーン。愛する女性を守るために男が勝ち目のない戦いに、当然勝つことなく進むストーリー。
この手の作品は多くの人に拒否されますが、人間の本性をむき出しにして楽しめる私たちのような人種には貴重な作品です。
元AV女優である長澤つぐみ主演で、体当たりの演技も見どころの一つです。
映画グロテスクのあらすじ
和男(川連廣明)は、会社の同僚であるアキ(長澤つぐみ)に想いを寄せています。
はじめてのデート。和男はとにかくアキが大好きで、いきなり告白してしまいます。
アキはかわいいし、気持ちはわかります。彼女もお見合い話があるようなので、やはりモテるのでしょう、
ここで通常なら熟年カップルや夫婦を持ってくるのでしょうが、あえて1回目のデートというのがかなり設定として面白いと思いました。
変に付き合っていたり、結婚していたりしたほうが誓約による制約というか、義務感のように相手を救わないといけなくなりますが、和男の片思いであれば、それは和男にとって見返りがあるかわかりませんから、純粋な愛情になるわけです。(性欲かもしれませんが)
さて、話に戻ります。
二人は突然何者かに襲われ見知らぬ地下室で目を覚ましました。
手足は拘束され、口には猿ぐつわをはめられ、互いに向かい合わせに立てさせられます。
完璧なる監禁、事態を飲み込むことができるハズもなく、ただただ恐怖におびえる二人の前に、医師の免許を持つ謎の男が現れます。
当然混乱する二人。
離せよ!なんでこんなことするんだよ!
誰にも言わないから!
開放して!
お決まりの文句を一通り言ったあと開始12分のことでした。
謎の男が取り出した1本の尖った棒。
え、それどうするの?!
まじか
もう、不用意に医者に口の中は見せません。
そして、その細い棒を今度はしっかり脇腹にも指す、脇腹を押すを繰り返し、和男は嘔吐と失禁を繰り返す。
アキはただただ声も出せなく、見ていることしかできず、目には涙を浮かべている。
男は気絶した和男を置いて、今度はアキのもとへいきます。
アキもやられてしまうのか?!と思ったところで、アキへは涙をペロっとなめて終わるやさしさを見せてとりあえず、第1ラウンドは終了。
ようやく状況を理解した二人。
抵抗すればやられるのでとにかく言うことを聞いていくしかない。
そして、男は言います。
「お前ら何回ヤった?」
ここにきて高校生のような質問かよ。
ただ二人は今回が初デート。いやアキに好意がなければもはやデートどころですらない。
そして男は続けます。
「僕を感動できれば解放するよ」と男は話します。
この人やばすぎる。見たことあるような見たことないようなヤクザ顔で、繭一つ動かさずに淡々と演技をするんです。
これもナイスキャスト。
男は、二人に恥辱の限りを尽くし、そして拷問につぐ拷問で死なない限りの虐待を施します。
まずは手始めに凌辱系の拷問です。
男は突然アキの下着を切り刻みます。
そして、手マ〇をはじめます。
正直極限状態なので全く笑えません。
セクシーな描写なはずなのに、全く盛り上がりません。
アキは涙ながらに逃げられずなすがまま。
そして、和男は和男でシ〇られフィニッシュ。
アキの身体には和男の出したものが垂れ流れます。
ここの演出は正直お見事。
単にスプラッタで血を吹き出すのではなく、とにかく二人が性的に結ばれなければ今後のゲーム性が盛り上がらないため、ここのシーンがあるのとないのでは、全然違うでしょう。
第2ラウンドは血こそ流れなかったものの、互いの愛を試すための大事なワンステップとなりました。
二人の第3ラウンドはほどなく訪れます。
目を覚ますとまさかの手術台の上。
おおよそ手術では使わないであろうmakita製のチェーンソーを取り出して
彼曰く彼らの愛情で感動を得る為、和男と傷つけるので耐えるようにと言う。
「?」どういう意味だ?
理解する間もなく、どんどん男の手術はじまります。
まずは指をカットからのネックレス製作無料サービスにはじまり、それを互いの首にかけてくれるハワイ顔負けのサービスです。
そして、黙っているという約束を守れなかったアキには罰ゲームで乳房のカ〇トが、、、、
これは痛い、、、
もうお腹いっぱいかなと思い、第3ラウンド終了かなと思った矢先でした。
なんやその釘は!
この釘は和男のキン〇マに打ち付けるためのくぎです。
男は聞きます
「やめてもいいけど、そしたらアキをいたぶるよ?どうする?」
そこは漢の和男が耐えます。
その後も和男に対して拷問が続きます、
性器を失いますが、和男は耐え抜きます。
ついに男は叫びます
「感動した!」
総理大臣のセリフはもしかしたらここから来ているのかもしれません。
男は突然豹変し、二人の回復のために手を尽くします。
傷の手術はもちろんのこと、三食ちゃんとした食事、介護から奇麗なベッドまであらゆる手を尽くします。
もはや意味がわからない二人は、それでもきれいな布団で寝れることに安堵します。
二人に愛が芽生えて、ここを出たら一緒にいよう、などと言い出し、ハッピーエンドの予感。
しかしそうは問屋が卸しません。
再び死のゲームへ。
ファイナルラウンドの開始です。
ここまで上げて落とす作品も珍しいですが、絶望するには十分の高さまで登りました。
そして最後のゲームは半端ないです。
簡単に言えば自分の腸を切って前にすすむ、ということ。
もう筆舌に尽くしがたいですので、自分で見てください。
もう和男が男前すぎて見てられない。。。。
必死にハサミまでいく和男。
これでロープを切ればアキは自由の身。
自分は内臓が飛び出してるから、死んでしまうけど、アキのためなら死ねる。そんな気迫です。
必死に食らいつき、ロープを切ります。
き、切れない。。。。。。。
どんなに切っても切れません。
そう、アキを拘束しているロープには針金が入っているのでハサミなんかで切れるわけがないのです。
男は彼らを自由にするつもりなどなかったのです。
和男は唯一の希望を消され、死んでしまいます。
アキは和男が死んでしまい、吹っ切れたのか、溜まっていたものをぶちまけます。
男の母親は売春婦で、客が一人も取れない。理由は鼻がうまく機能しておらず自分の体臭に気づかなかったからだ。
しかもその男からも全く同じ匂いがするため、親子だと気づいたことを。
さらにその匂いのせいで男は周りから嫌われていたことをアキは指摘しました。
逆上した男はアキを殺害し、首をはねます。
しかしアキも執念で生首の状態で男の首元にかみつきます。
息絶えたと思っていた和男も力を振り絞り、落ちていたはさみで男を刺し殺します。
最後は二人が向かいあって見つめあったまま絶命してエンドです。
映画グロテスクのネタバレ・見どころ
文字通りのグロ映画の邦画代表グロテスク。
こんな映画を見るのはグロ好きスプラッタ野郎でしょう。
さて、それなりにスプラッタに慣れている私ですが、本作のスプラッタは手術のように一つ一つが丁寧に描かれているので、さすがに目を背ける場面が多くありました。
サディズムをむき出しに
サディストとしての才能をいかんなく発揮している犯人。
理由などなく、単に自分が愛されなかったことへの八つ当たりの映画である。
人が人を傷つけるのに大した理由は必要ではなく、おおよそがそんな下らない理由だったり、取るに足らない理由なわけです。
本作の犯人も誰からも愛されなかったことを理由に、感情を失っていき、「感動したい」という理由から無理やり人を拷問するというとんでもない野郎です。
彼がカップルに拷問をするのはただ一つ。感動がしたいから。
そのためにあらゆる方法で人間を痛めつけます。
本来人を救うはずの医者が、その知識をもって丁寧に人を痛めつけるとこうなるのか、とサディズム的手法には感服。
特に男性器への拷問は本当に自分のものが縮み上がるのではないか、と思うくらい恐縮しました。
ツンデレなサイコパス
登場人物が3人で、しかも3人ともいい演技をします。
特に犯人は冷静沈着。血しぶき踊る中でショートケーキなんか喰ってるし、眉一つ動かさず人間を切り刻む。
しかし、和男がアキのために拷問に耐えたことに感動し、拷問は中止。
一転犯人は心優しき医者に戻り献身的な介護に豹変。
もうこれが気持ち悪いのなんのって!!
「君たちは僕が責任をもって治す」
とかってもう頭がおかしすぎるとしか言えません。
だってさっきまでありとあらゆる拷問を理由不問で繰り返していたのに突然一生懸命介護するなんて頭がおかしくなりそうです。
そんなツンデレ犯人も和男が復活すると「やっぱもっと感動したいから拷問の続きね」ってどんだけサイコパスなんだ?!って話です。
長澤つぐみ
注目キャストはなんといっても元AV女優である長澤つぐみでしょう。多分に性的内容を含んでいる本作ですから、グロから性的シーンまでなんなくこなせる女優というのは限られています。
ここでAV女優を持ってくるあたり監督のセンスを感じます。
特にラストで犯人を罵倒するシーンもそれなりに迫力あってよかったです。
グロテスクのラスト・結末は?
グロテスクのラストは和男が頑張るものの、なんと和男が命をかけて切ろうとしたアキを拘束するロープには針金が入っているというなんとも救えないゲームでした。
自分の腸を切り刻んでまで助けようとしたアキは絶対に助けることができないカラクリだったのです。
こんな不条理なことがあるのか。。。
なぜこんな残酷にできるのか。。。
見ていて胸がきゅーと苦しめられました。
和男がかわいそうで、アキもぷっつんブチぎれて犯人にキレだします。
「この変態ワキガ野郎!!!」
まさかのワキガでした。
こんな拷問のあとで笑えるわけもなく、そこらへんがシュールすぎるラストです。
しかもラストは執念で二人が犯人を道ずれにしてエンド。
ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、それでもそれなりにすっきりしたラストでした。
最後に
とんでもないグロな上にストーリーがトラウマ級に不条理ですので要注意です。
アメリカではSAWの後期のシリーズがこれに近いのかもしれませんが、SAWのほうがゲーム性が強く、不条理度が低いです。
見る方は注意してご覧ください。