人喰族のネタバレ解説
古い映画ですが、最近見たイーライロス監督のグリーンインフェルノの前身の作品ということで鑑賞しました。
文字通り人を食う民族のお話ですが、グリーンインフェルノと違い、人喰族は自然に近い感じになっています。
この映画の怖さは人喰い族が人間を食うところというのもありますが、ところどころで猛獣が獲物を捕まえて食べたりするシーンが挿入されるところです。
これはジャングルの中では弱肉強食の世界が広がっていることを表しており、人喰い族とアメリカ人も同じ土俵にいます。
一時はアメリカ人が奇襲により人喰い族の一団を一掃しました、一方で後半では人喰い族の奇襲によってアメリカ人たちは捕らえられてしまいます。
最終的にはさながら家畜を裁くかのようにアメリカ人たちもどんどん裁かれていきます。
改めて自然の中では人間は無力だな、と思いました。
あのジャングルに一歩踏み入れたことでいつ殺されても文句が言えない状況に追いやられるのです。
人喰族の見どころは
やはりグロいシーンでしょう。
グロもいくつかの種類がありますが、まず1つは主題である人喰族がアメリカ人を喰うシーンでしょう。
特にただ食べるのではなく、若干拷問に近い殺し方をしているので、グロ好きにはいいシーンが見れたのではないでしょうか。
個人的には女性がかぎ爪で乳房を吊るされているシーンが印象的でした。
乳房という女性の象徴的身体特徴をつぶすことによって完全に人としての尊厳を奪っています。
おそらく一番残酷なシーンでDVDのジャケットにも選ばれています。
一方でこれを見た時にSAW FINALでのゲームで自分の胸筋に鍵爪をつけて登るゲームを思い出した。
間違いなく、この人喰族の影響を受けているのでしょう。それぐらいこの作品は大きな意味を持っているのでしょう。
あとは実はアマゾンでの捕食行為の数々です。
本作では人間だけでなく色々な動物の死にシーンが出てきます。
まずはヘビに殺されるマングース?ネズミ?
次に亀切って料理します。
個人的にこのシーンはかなりショッキングでした。
もちろん人間を料理するシーンもあります。
ここらへんが連続的に出ており、もはや人間なのか動物なのかの区別もつかなくなります。
人喰族のラスト
ラストアメリカ人は人喰い族から一人逃げ出しますが、人喰い族などアマゾンにはいなかったという論文を出し、その結果博士号を取ります。
あんなにひどい目にあったのに、なぜ彼女は世の中に人喰族がいるということを広めなかったのでしょうか。
これも諸説あるようですが、私的には彼女はアマゾンの生態を理解したというのが正しいかと思いました。
おそらく人喰族の映画のころは未開のジャングルをどんどん開拓していた時代であり、アマゾンもどんどんその生態を壊されていた頃でしょう。
人食い族がアメリカ人を殺して食べたのはあくまでもアマゾンの弱肉強食のルール内での話しであり、それをもって「野蛮だ」とかいうのは、ナンセンスなのです。
それを理解している彼女は人食い族などいない、ということによって彼らを守ったということになります。
最後に
アメリカ人を逃がしてくれた人食い族がいます。
よく家畜の子豚が食べられるのがかわいそうだと言って逃がしてしまうような光景を見ますが、さながらそんな感じです。