私は基本投資をしません。
定期預金や債券で運用することはしますが、株であったり、不動産であったりに投資することはありません。
若いころには勉強のために色々投資もしていましたが、そのときの成功と失敗から多くのことを学んだので今日はそんな私が貯金を投資しないシンプルな理由を書きたいとお思います。
投資はプロとの喧嘩だから
投資と聞いてまずは株を思いつきますよね。
基本的に株というのは買う人がいるから上がるわけです。
いいか、まだ売るなよ!まだ買えよ!というチキンレースが株というものです。
投資家の人たちは自分たちの何百倍、いや何億倍ものお金で相場を24時間見守っています。
私たちはその大局を固唾を呑んで見守って、上がれ売るし、下がれば売らないという選択をするわけです。
これは時間にしろお金にしろ子供と大人の喧嘩です。まるでプロのボクサーが素人と一緒に大会に出ているようなものです。
少なくとも私は有名な投資家の方々に勝てる気が全くしません。
24時間四六時中ハラハラドキドキするから
投資は山あり谷ありです。順調な日経平均でも、上がったり下がったりです。
日経電子版の速報メールが時間に関係なく、日経平均の上がり下がりについて通知してきます。
そんなことに一喜一憂したくないのです。
大事なコンペのときに日経平均が大幅下落というニュースを聞いてテンションを下げたくないのです。
必要な時に必要な資金が得られない可能性があるから
子育て世代の人にとって最もお金がかかる子供が大学に上がるころ、に向けて投資をする人がいます。
しかし、その投資は本当に必要なときに現金化できるものでしょうか。
もし、また不況が来て資産が目減りしたらそれは景気が回復するまで持っておくべき資産ですよね。
子供が成人するまでに必要な資金を計算するとどうも投資をする余力はないように思います。
投資で得たお金は浪費傾向があるから
悪銭身につかず、という言葉があります。
決して投資で儲けたお金は悪銭ではありませんが、大事なことは「汗水垂らさず得たお金は結局出て行ってしまう」という教訓です。
株で儲かったお金と言うのは、給料と違い、なぜ儲かったのかよくわからないまま得たお金です。
往々にしてこういったお金と言うのは「儲かったから外食にしよう」「旅行に行こう」「おごってやろう」「ちょっと贅沢をしよう」という思考に陥りがちです。
外食や旅行が悪いわけではありません。ちょっと見入りがあるからと言っていつもよりも背伸びをした消費をしてしまうケースが往々にしてあるのです。
一方で損した場合はどうかと言えば、「しょうがないから節約しよう」ということになりますがせいぜい1週間缶コーヒーを我慢する、ランチを外食をやめてお弁当にするなどせいぜいが数百円レベルの話です。
損した時のショックは得した時の幸福感よりでかいから
10万円投資して、1万円利益が出たときの幸福感と1万円損が出たときのショックは同じでしょうか?
経験からそんなことは決してないと思います。
1万円利益が出たときは「まあこんなもんかな」と思うはずです。一方で10万円が9万円になると「最悪、、、失敗した」と思うはずです。
こういう人間心理はとても大事だと思っています。
生活に密着するからこそ投資で一喜一憂してしかも損したときのほうがショックが大きいとくれば効用の期待値は必然的に低くなるでしょう。
証券会社の友人も言っていましたが、儲かったからといって大喜びする人は少なく、一方で損したら激昂する人は多いそうです。
お金に執着するようになってしまうから
副次的ですが、これも大事なことだと思っています。
投資をはじめるとお金にとても執着するようになります。
自分の家にどれだけのお金があるかを随時把握して生活費と投資できる金額を算定することはいいことでもあり、悪いことでもあると思っています。
これが出てくると四六時中お金のことを考えるようになってしまって投資効率ばかり考えるようになってしまうんです。
いやいや、四六時中考えなきゃいいじゃんと言うかもしれませんが、投資で最大のパフォーマンスを出すにはやはりそれなりのモニタリングが必要です。
私はこれがとてもいやです。
企業は事業投資以外はしない
これはちょっと余談ですが、企業は自分の事業での投資はします。
工場を作ったり、新しい人を雇ったり、シナジーがありそうな分野の会社へ投資することはあります。
しかし、純粋に儲けようと思って株や不動産に投資するようなことは絶対にしません。(ベンチャー投資やCVCのようなものは別です。)
上場企業でそんなことしていたら怒られるでしょう。
バブルのころに財テクと呼ばれる運用で損を出すようになってから基本的に投資は禁止です。
理由は簡単「株主から預かっている大事な資金で損を出すとは何事だ」ということ。
さて、企業はだめだけど個人にOKなんてあるんでしょうか。
最後に
投資はリスクがあることを十分承知の上で行うべきですが、そのリスクを理解している人ほど手を出さないという矛盾に私は行き着きました。
分散投資すればいいじゃないかという投資本もありますが、結局ポートフォリオの一部が塩漬けになってしまうことには変わりないので意味がないですね。
無くなっても困らないお金があればいいのですが、現状では我が家はカツカツです。