ゾンビ映画「ディストラクションZ」ネタバレ徹底解説

【】

 ディストラクションZのキャストと評価

出演: トニー・トッド, レイナ・ハイン, スティーヴン・ルーク, アマンダ・デイ, アーロン・コートー
監督: ハミッド・トラブポー

評価:50/100点

最近のゾンビ映画としてはパンチが無さすぎますね。

もう少しひねりが欲しかったところ。

ラストで少し点を稼ぎたかったのでしょうが、ラストありきのストーリーでは1時間以上が退屈な時間で終わってしまいますね。

 ディストラクションZのあらすじ

突然発生した原因不明のゾンビ・ウィルスにより、世界は滅びた。

ミネソタ州のある街では、生き残った人々が荒れ果てた警察署に立てこもり、元警官のサマーズをリーダーとして絶望的な戦いを続けていた。

殺しても殺しても、ゾンビの大群は果てしなく押し寄せてくる。

そんなある日、ルークは離れ離れになっていた恋人のベナと再会する。

だがその喜びも束の間、ゾンビとの戦いの中でベナが負傷、ウィルスに感染してしまうのだった。

苦汁の決断を迫られるルーク。

ベナの挑発に乗る形でベナを殺したルークはサマーズのものに戻り、ゾンビを元に戻すワクチンが開発されたことを知り絶望する。

大勢の死体の前でうつむくルークであった。

 ディストラクションZの感想レビュー

B級映画であることは間違いないものの、丁寧に作り上げているゾンビ映画です。

ゾンビの数もそれなりに出てきますし、R指定にならないように血しぶきなどは抑えめの演出です。

B級映画特有のブラックユーモアやウィットにとんだ会話なども少なく、どちらかと言えばパニック映画としての要素を重視した王道のアクションゾンビ映画となっています。

重火器もそれなりに出てきますし、ゾンビの数も出てくる、刀剣をつかったアクションもあり、まあまあの出来になっていますが、一方でパニックものにしては物足りなさを感じずにはいられませんでした。

(ネタバレ)見どころはラストの結末

いきなりラストの話で恐縮ですが、見どころはやはりラストシーンでしょう。

ラストでゾンビを人間に戻すワクチンが開発されてしまいます。

一方でルークは恋人のベナをゾンビ化させる前に殺してしまいますから、その絶望たるや想像できないでしょう。

しかも主人公は正しいと思って3000を超えるゾンビを殺してきました。

一方でゾンビの中では常に人間とゾンビの葛藤が行われており、しっかり薬で治すことができるとのことを考えると主人公からすると自分はいったい何と戦っているかわからなくなってしまうのです。

この展開は映画ミストでのバッドエンドをイメージして作ったものであることは明らかでしょう。

ただ、展開が唐突すぎてなんだか置いてきぼりにされたまま映画はエンドを迎えてしまいました。

風呂敷を広げすぎた

結局世界観を急いで作ってラストで語りたかったワクチンのために猛スピードでストーリーを組み立てたのがわかる雑さでした。

伏線もいっぱいあるようで全く回収されなかったのは残念です。

眼帯の女性とルークの関係は不明。しかもなぜ彼女はゾンビに襲われないのか。なぜ、彼女は片目だけゾンビのようになっているのか。

彼女が弁護士を恨んでいるのはいいが、だから何なのか。(ストーリー上意味がある設定なのか?)

なんとも不思議なキャラが出てくるわりには肝心のストーリーにはそんなに絡まないのは残念です。

ディストラクションZの最後に

結局最後にゾンビワクチンが開発されるにも関わらず彼女を殺してしまった男の苦悩を描きたかったのですが、いまいちでしたね。

なんだかそれが唐突すぎて拍子抜けしましたし、結局ゾンビの勢いがないというか、ゾンビに圧倒されるイメージがなかったです。

B級映画だからと言えばそれまでですが、R指定を恐れずにもっとチャレンジした描写を取り入れていけばよかったかもしれません。

例えばコンバインでゾンビをミンチにするシーンがありますが、ミンチにするならする、しないならしないで微妙なCGでごまかすのは勘弁してほしいですね。