本記事は実写映画「がっこうぐらし!」の大きなネタバレを含んでいます。
実写がっこうぐらし!の評価
★★★★☆
「がっこうぐらし!」と言えば原作のアニメも大ヒットした異色の日常系アニメです。
とても実写化は難しいという前評判を見事に覆したよくできた映画だと思います。
もちろんアイドル映画ですので有名女優が出ているわけではなく、駆け出しの女の子が出ているので演技はうまいわけではないのです。
ですが、日常系アニメ+ゾンビ+実写化という難しいハードルをいくつも乗り越えてよくぞ再現したなという感動もあり、今回は★4としています。
映画がっこうぐらし!のあらすじ
巡ヶ丘学院高等学校に通う3年生ののくるみ、ゆき、りーさんは楽しい学園生活を送っていました。
しかし、ある日ゾンビのウィルスが蔓延、瞬く間に学校中の生徒がゾンビになってしまいます。
くるみたちは保健室の先生めぐねえとともに逃げまわり、階段にバリケードをしくことでなんとか生き延びます。
状況を理解しきれず絶望する彼女らは、めぐねえの発案で学園生活部という部を発足し、生き残った分の生活を楽しく生きていくことを決意します。
ゆきだけはゾンビ襲撃のショックから幼児退行を起こし、しばしばクラスメートが生きているような幻覚を見るようになります。
そんなゴタゴタした生活の中で、生き残っていた2年生のみーくんも入部し、四季折々でイベントをすることで楽しく過ごしていた4人でした。
4人で文化祭をしていたある日、突然火災警報がなり、下の階で火災が起きました。
音に反応するゾンビたちは激しく興奮し、バリケードを破ってしまいます。
混乱するくるみたちは必死に逃げ回り、保健室にたどり着きます。
結末ラスト
そこにはゾンビになっためぐねえがいました。
彼女はゾンビ発生のあの日、逃げる途中で噛まれてしまっていました。
彼女たちが見ていためぐねえは全て幻覚だったのです。
めぐねえは他人を襲わないように自らを紐で縛っていました。
くるみはめぐねえに止めを刺しました。
4人はこの学校を出ることを決意し、卒業式をしました。
くるみの運転で街に出ると次は大学を目指すのでした。
実写映画とアニメのキャラ紹介・比較
ゆき
アニメでは主役級の存在でピンク色の髪に猫耳のような帽子をかぶっているゆきを演じたのは長月翠です。
映画でもアニメのキャラを踏襲し、天真爛漫な性格に、幼児退行、現実逃避を持っています。
おそらく4人の中で一番演じるのが難しいと思いますが、見た目以外は一番キャラを踏襲した再現したものと思います。
くるみ
アニメでは紫色の髪にツインテールにシャベルをかついでゾンビをなぎ倒すくるみを演じたのは阿部菜々実です。
映画では主役級の活躍をし、しゃべるを振り回す姿がかっこよかったです。よく転ぶおっちょこちょいの面は映画特有の描写です。
アニメではゾンビにかまれてしまいますが、本作では特にその描写はありませんでした。
阿部菜々実自身が168cmという高身長のため、他の人よりも手足の長さが少し目立ってしまっていました。
りーさん
学園生活部部長でしっかりもののりーさんを演じたのは間島和奏です。
アニメでは隠れ巨乳キャラだったのですが、映画ではその設定は封印されていました。
ゾンビを校内放送でかく乱するなど計画力がとてもある反面、不測の事態でゾンビに襲われると思考停止してしまうのはアニメも映画も同じでした。
アニメに比べてくるみに少しリーダーシップが備わっているので、映画のほうがまとめ役感が薄れていました。ここらへんは彼女らの出身番組であるラストアイドルで間島和奏が阿部菜々実に敗れたこともちょっと影響してそうです(邪推)。
みーくん
他のメンバーよりも1年年下でショートカットのみーくんを演じたのは清原梨央です。
アニメではショッピングモールに身を隠していたという設定でしたが、映画では学校の別棟に隠れていたという設定でした。
アニメでは太郎丸という犬がいて、犬好きという設定がありましたが、映画では完全カットされています。
めぐねえ
学園生活部の顧問でゆきの心の支えになっている教師めぐねえを演じたのはおのののかです。
アニメでは国語の教師でしたが、映画では保健室の先生でした。
ゆきたちを守るためにゾンビ化してしまったのはアニメと映画で同様でした。
アニメではゆきだけの亡霊でしたが、実写映画ではりーさんもめぐねえに話しかけているシーンが見られました。
また、死に際して、アニメでは地下に自分を閉じ込めることで他の人を襲わないようにしていましたが、映画では保健室の壁に縄で自分を括り付けていました。
さらにめぐねえに止めを刺したのはアニメではみーくんでしたが、映画ではくるみでした。
実写版がっこうぐらし!のネタバレ感想
ここからはがっこぐらしの実写版を見た感想を書いていこうと思います。
実写映画の難しさ
アニメを実写化するときの難しさ、それは一言で言えばコスプレ感でしょうか。
演じるのが日本人である以上、ピンクや紫のなどの髪色が全く合わないの誰もが想像できるところで、衣装も原作を再現すればするほどコミケの人?のような感じになり緊迫感が吹き飛んでしまうのですが、今回のがっこうぐらしでは原作の設定やキャラは原則維持しつつ、実写にあたり大分衣装や見た目は独自の路線を進んでいます。
髪の色は基本的にナチュラルな黒かブラウン、制服も現実的なものに即した衣装になっています。
ここが映画にリアルと独自の世界観を与え、ファンもファン以外の人が見ても十分楽しめる映画に仕上がっています。
シナリオやオチはお見事【ネタバレ】
原作でも衝撃だったシナリオが、映画でも盛り込まれています。
一つ目はゆきちゃんが見ている世界はすべて妄想であり、学校の人間はすべてすでにゾンビになっているというオチ。
二つ目はあんなにみんなを元気づけていためぐねえが実は死んでいたというオチ。
古くはシャマラン監督のシックスセンスであった「実は死んでるオチ」ですが、アニメで10話以上ある話をうまく1時間半に詰め込んだと思います。
おのののかの好演
実は一番の好演はおのののかではないかと思います。この映画の一番のオチは実は「めぐねえ」は死んでいたということですが、実はその事実を知った後で映画を見るとまさに幻覚のように見えるのです。
微妙に話に浮いているというか、会話に入っていないというか、脚本もあるのでしょうが、彼女の”実は生きていない感”(ただ演技が下手なだけかもですが)は後から見ても納得の演技でした。
最後に
また一つ邦画のゾンビものに新たな歴史が刻まれました。
またアイドル映画でも何年かに一回は面白い良作が出てくるものです。
個人的にはコープスパーティなんかは面白かったですね。
また、原作では高校生編と大学生編があり、映画でもがっこうを脱出し大学へ向かうとい設定があります。
映画でもぜひ大学編をやってもらいたいものです。