普段生活していれば絶対に聞くことのない単語「トーチャーポルノ」。
もちろんメジャーな単語ではなく、これ単体で固有名詞ではなく、造語なので確定した定義もないのではないかと思います。
今日はそのトーチャーポルノについて考えてみます。
トーチャーポルノの語源はなんだろう?
トーチャーポルノはそもそもトーチャー(拷問)+ポルノ(性的興奮を呼ぶもの)の造語です。
SAWやホステルといった人を痛めつけるような作品のことをそう呼んでいる人が多いように思いますが、一見全く関係なさそうな単語が作られたのでしょうか。
①トーチャーとポルノは脳内で同じ働きをするから
私がはじめてこの単語を聞いた時にはトーチャーは納得だが、ポルノというのは何とも違和感を感じるところでした。
ポルノといえば女の人が服を着ずに男の人と声を出しながら踊っているような、例のあーいうイメージを持っていませんか?もちろん拷問系の作品では少なからず衣服が乱れることもあり、ポロリなどということもあるのですが、ただそれはセクシャルな意味ではなくあくまでも残虐性の範囲内の演出です。
だが実は調べてみると性的興奮と暴力行為というのは脳内でリンクしていることがニューヨーク大学の研究ではわかっているといいます。すなわち性ホルモンの中枢と性行動の中枢と攻撃性の中枢は脳内で非常に近い場所に存在しており、ときおりそれらは混同されることがあるというのです。
つまり、トーチャー(拷問)とポルノ(性的興奮を呼ぶもの)は脳内では同一のものとみなされ、トーチャーとポルノを分ける意味はない。なので、トーチャポルノは存在しうると考えられます。
ある意味SMも似たような感覚で人間を興奮させるのでしょう。
②両方とも人間が本能的に持つ不合理な娯楽だから
人間は動物で狩りをします。ただ、クライモリやヒルズハブアイズ、ハンティングパークなど食人族の映画では人が人を食べたり、狩りをしたりすることがあります。
だが、狩りは決して食べるためではなく、殺すことが楽しいから殺すのです。
同様にポルノは子供を作るためではなく、単に楽しい(?)からやるのです
どちらも非常に不合理な行為であり、人間を興奮させると同時に最も不快にさせる行為のトップ2でもあります。
この点においても視聴者を煽るためにもこれらトーチャーとポルノを組み合わせるような映像を作ることが効用の最大化を図るようにできているのかもしれません。
【トーチャーポルノの意味 最後に】
SMに代表されるように暴力行為やトーチャー行為はポルノの領域に該当し、実際にアンダーグラウンドでもそういうジャンルはあるという記載も見かけました。
そもそも歴史を遡ればサディズムの定義は、他人を痛めつけることにより自身が性的興奮を覚えること、であり性的興奮がサディズムには必ず含まれます。つまりサディズムをより具体的な作品の落とし込んでいったものがトーチャーポルノと言えそうです。