映画の評価
★★★★☆
相変わらず各国のよくわからない映画賞を受賞している怪しい映画の祭り、未体験ゾーンの映画たちの一作です。
ただ、スラッシャー映画としては中々の掘り出し物でして、8人の殺人鬼と8人の美女(笑)が殺し合いのサバイバルをするという話で、未体験ゾーンの映画たちは肩透かしの内容が多い中で、なかなか激しい描写の続く映画です。
しかも作中、ただ殺し合うだけでなく色々な”仕掛け”があるので、それも中々いい隠し味になります。
相変わらず邦題の”復讐の天使”は意味不明で、まるでリベンジ映画みたいになってしまいますが作品に罪はありません。
あらすじ
夜の街で落書きをしていたケイラは友人のマディと一緒にさらわれ、気が付くと知らない森の中で棺桶のような箱の中で目覚めます。
そこには何人かの女性と不気味なマスクをかぶった殺人鬼がいます。
殺人鬼は女性を殺しに森の中をさまよいます。
ケイラはマディを探しながら森から脱出する方法を探すのでした。
ネタバレ感想と魅力解説
8人の美女と8人の野獣が殺し合いーなんだか期待しては裏切られてきたこの手の設定ですが、見事にこの作品は期待に応えてくれました。
冒頭から早い展開でケイラたちが拉致され、シーンは人気のない森の中へ。
そこで出会った謎のマスクをかぶった小汚い殺人鬼たち。
気づけば殺人鬼たちはジェイソンだったり、レザーフェイスだったり往年の大先輩たちのマスクをかぶっていますが、小柄なせいか迫力はありません。
内容としてはそういった殺人鬼と女性たちがヒット&アウェイしていく映画ではあるのですが、この映画ではもう一味作っています。
美女と野獣で一組
作品中盤で殺人鬼同士が殺し合ったり、ケイラの前で突然野獣の頭が爆発するシーンがあります。
視聴者も「?!」となったこと間違いないと思いますが、これはここでデスゲームが8人VS8人ではなく、2人VS4組という構図だということに気づきます。
つまり、美女と殺人鬼はそれぞれがチームではなく、美女+殺人鬼で1つのチームで互いに殺し合いが行われる「美女と野獣」方式なわけです。
こうなると美女同士が協力するわけもなく、互いに見張りながら殺人鬼からの攻撃を防ぎます。
この設定は斬新かつ素晴らしかったです。
(まあその設定が生かしきれていたか?と言われると微妙ですが)
続編があるか?
美女とは到底いいがたいとか、アクションシーンの迫力がいまいちとか、目をくりぬけば脱出できるとかチートすぎ、などつっこみどころは多い本作ですがグロシーンはしっかり作りこんでいるし、続編が楽しみです。
サラリーマンバトルロワイヤルなんかもこの手の終わり方でした。
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まあ邦題の復讐の天使あたりはラストにちょこっと主催者やスポンサーを襲撃するシーンぐらいしかないので相変わらずセンスないなと思いますが。
最後に
スプラッターやスラッシャー映画好きならぜひご覧ください。