映画王宮の夜鬼の評価・あらすじとネタバレ感想【朝鮮時代ゾンビスペクタクル】

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評価

 ★★★★☆

韓国発のパニックアクションです。

タイトルからはわかりずらいですが、ゾンビものの一種と言える作品で韓国×ゾンビと言えば、やはり新感染-ファイナルエクスプレスでしょう。

新感染-ファイナル・エクスプレスの評価・あらすじとネタバレ感想【感動ゾンビ映画】

ただし、本作はアクションや娯楽に力を入れた作品であるため作品の重厚感については新感染よりも下にならざるを得ないです。

しかし、ドンゴンとヒョンビンという美しい(?)俳優二人の実力は十分であり、何よりもゾンビものをここまで丁寧に奇麗に作った作品として個人的に評価できる作品です。

より詳しく「ネタバレ感想」で書きたいと思います。

あらすじ

大陸では明と清が争う時代。

朝鮮の沖には黒船が停泊しており、そこでは銃の密売が行われていました。

彼らは狂気の王イ・ジョに反旗を翻すつもりでしたが、王の舞台により捕まってしまいます。

怒った王は彼らを拷問しますが、なんとその黒幕は自身の王子だったのです。

王子は今の王の政治に異を唱え、そのまま自害してしまいます。

時はたち、王子からの書簡を受け取り、朝鮮へ向かった王子イ・チョンは部下のハクスを従え、市街地で夜鬼という化け物に襲われます。

夜鬼はもとは人間ですが、目が白く、牙が生え、人の血を吸う化け物でした。

夜鬼を撃退するチョン王子たちですが、そこでパク従事官と弓使いのトッキたちと出会います。

ことのあらましを聞いたチョン王子は王宮へ向かい、街へ軍を派遣してもらうよう要請しに出発します。

一方王宮では王位を狙う側近のキム・ジャジュンによる策略が行われていました。

キム・ジャジュンはまず王子の妃を監禁し、自分に都合の悪い人間をことごとく排除します。

そして、王宮に夜鬼を紛れ込ませ、ついに王を襲うことに成功します。

明から使者が来るひ、宴が行われましたが、その最中王が夜鬼になってしまいます。

宮中は大混乱になり、チョン王子は妃を連れて王宮からの脱出を図ります。

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ネタバレ感想

新感染 ファイナルエクスプレスから2年たち、韓国映画でもそろそろ新しいゾンビものが欲しいと思っていたころ現れた本作。

時代設定が明の時代という歴史ものなのでカタカナの「ゾンビ」はご法度。ですので、歩く死体を彼らは「夜鬼」と呼んでいるわけです。

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韓国映画の魅力(強み)

パラサイトが受賞するなど最近は躍進している韓国映画。

ゾンビ物で最近ヒットしたものといえば、新感染 ファイナルエクスプレスを上げる人もいるはず。

新感染-ファイナル・エクスプレスの評価・あらすじとネタバレ感想【感動ゾンビ映画】

私もいくつか韓国映画を見ている中でやはり感じるのは韓国映画の描く「人間模様」の巧みさです。

韓国映画は好き嫌い、愛憎、友情、かけひき、かっこつけ、忠誠、裏切り、多くの人間関係のパターンがある中で、それらを見事に描ききります。

日本にも義理人情というのがありますが、どうもそれを日本映画にすると安っぽく見えてしまう。でも韓国人はそれを平然と感情むき出しに描くのです。

実際、政治を見ても韓国は感情的、日本は淡々としているイメージがありますよね。

日本人は「隠す」ことが美徳に思っている。韓国人はそれを発言や行動に出すことが得意。エンタメ界ではそれが徹底的に生きるんですよね。

王宮の夜鬼の見どころ

では本作の見どころは何か。

まずはゾンビ映画としての完成度です。

これは申し分なし、B級やZ級映画のはびこるゾンビ映画界においてクリーチャーの造形は最高峰のレベルです。

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キャストのクオリティも高い。

特にドンゴンの演技はほとんど顔芸が多く、表情を崩さず目だけで威圧感を出しておりドンゴンのレベルの高さがうかがえます。

演技やアクションも素晴らしい。

4つ足で素早く動く夜鬼に対して、殺陣を行うアクションは見ごたえたっぷりです。

夜鬼もラストでは途方もない数になるので迫力もありました。

 満点ではない

さて、散々褒めてきましたが本作は満点ではありません。

80点のクオリティはありますが、それ以上ではない。

その最大の欠点が韓国映画最大の美点であるはずの「人間模様」が薄いことです。

例えばハクスが死ぬシーンはこの物語の一つの見せ場であると言えますが、その感動は薄くありませんでしたか?

これはハクスというキャラクターの作りこみが足りないのです。

ハクスとイ・チョンの関係はおそらく絆があるはずなのにそれが見えにくかったからです。なぜならハクスは冒頭の登場シーンで喋って以来、キャラが薄くなっているからです。

もっとイ・チョンとの信頼関係や、この戦いの中で絆を深めるような流れがないとこのハクスが殺されてもそれが感動や怒りに結びつきません。

そこにも関連しますが、スポットがイ・チョンに向きすぎているのもいただけません。

結局イ・チョンが王になるまでの物語の一節のような扱いになっており、周りは明らかに脇役なのです。

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最後に

韓国映画のクオリティの高さを改めて実感する1作でした。

特にアクション要素が強いので、パニックやホラーが苦手な人でも見れる作品になっています。文字通りヒョンビン劇場になっているのでファンの方は大絶叫の映画でしょう。