評価・レビュー
★★★☆☆
もちろんこれは新感染 ファイナルエクスプレスの便乗タイトルで、中身は続編でもパロディでも全く関係ない内容です。
新感染-ファイナル・エクスプレスの評価・あらすじとネタバレ感想【感動ゾンビ映画】
タイトルからどうしても色眼鏡で見てしまいますが、プレーンに判断すると無難なゾンビ映画、というのがこの映画の評価になるでしょう。
おおよそ大きな目新しい展開もなく、人間模様のほうがむしろクローズアップしているのでパニックものとしてみると少し物足りなさを感じるでしょう。
ゾンビ映画隙が暇つぶしに見るにはぴったりの映画かと思います。
あらすじ
リッチとその運転手のジャックはホテルに向かっています。
ジャックはその昔リッチが自分の母親の治療費を肩代わりしてくれたことに恩を感じ、ずっと彼の小間使いをしているのでした。
そんなリッチは高級ホテルでお金持ちのウーを接待しにいくところでした。
ホテルの部屋へ向かうリッチを待つ間、ジャックは駐車場で待っていました
そこで、アナウンサーのヘレンに出会います。
ヘレンは出世欲が強く、自分の冠番組を持つために、ウーを接待しにいくところでした。
しばらく車で待っていたジャックですが、リッチからの連絡でお酒を部屋に持ってくるように言われます。
エレベーターに乗り込んだジャックはふと大学時代の友人のマイケルに出会います。彼は記者になっていてウーを取材しにいくところでした。
意気投合した二人ですが、マイケルはウーに会いに、ジャックはまた駐車場に戻ります。
ところかわりホテルでは異変が起きていました。食堂では料理にむさぼりつくゾンビたちがおり、確実に感染は広まっていました。
ゾンビたちはリッチやウーたちのいる最上階のスイートルームまで向かっていました。
宴会も終わりかけたころ、リッチたちは外の異変に気づきます。部屋の外ではゾンビが迫っていました。
リッチは慌てて駐車場のジャックに自分のバットを持ってくるように言います。慌てて最上階へ向かったジャックたちはゾンビを撃退しながらホテルの脱出を試みながら、安全な軍事基地を目指すことにします。
途中、ウーが隠れ家にできる場所があると言い、まずはそこを目指します。
しかし、ウーの隠れ家にはすでに別の集団により占拠されていました。
結末ラスト
ウーの隠れ家を目指した一行はそこにいた集団に歓迎されます。しかし、彼らは若いシンディを奪うことを企んでいました。
リッチの裏切りによって、まんまと罠にはまったジャックたちはシンディを奪われてしまいますが、隙をついて隠れ家を脱出します。
シンディも隙をついて逃げ出し、ウーと逃げます。しかし、その過程でウーが死んでしまいます。
ジャックは自分たちを裏切ったリッチとの型をつけるためにリッチと戦います。
最終的にリッチはヘレンによって射たれ、そのすきにジャックたちは逃げ出します。
車に乗り込むジャックとシンディとヘレンですが、エンジンがかかりません。仕方なくジャックは車を押しますが、迫りくるゾンビたちがジャックを襲います。ようやくエンジンがかかった車はヘレンとシンディを乗せて走りだすのでした。
ネタバレ感想・解説
評価でも書いた通り、新感染 ファイナルエクスプレスとは全く関係のない映画です。
新感染-ファイナル・エクスプレスの評価・あらすじとネタバレ感想【感動ゾンビ映画】
こちらについては映画自体に罪はなく、日本の配給会社やタイトルをつけた人間が悪いのでご愛敬です。
ジャンルとしてはゾンビコメディとなりますが、ゾンビに襲われるシーンも少なく、コメディ路線もところどころクスっとできる程度の気楽に見れる映画になっています。
映画の魅力
この映画の魅力はゾンビやコメディ要素ではなく、その人間模様にあります。
それぞれが訳ありの人間です。
ジャックは病気の母親を持ち、大学を中退、その後はリッチの言いなりになる小間使いで、心優しい一面がありつつ、少し知恵足らずのところがあります。気弱な性格もあってリッチからいいように使われてしまっています。
リッチは金もうけだけしか考えず、最後にはジャックたちを裏切ったりと自分のことしか考えていないとてもとても人間らしいクズです。
ヘレンは負けん気が強いので、有名になるためなら賄賂をはじめ何でもしてきました。
今回はウーにお金を贈ろうとしましたが、ウーが欲しがったのはヘレンの身体だったのでセクシーなドレスを着て、枕営業をしにウーのもとへ向かっていました。
ウーは言わずもがな、金持ち=クズという典型的なパターンです。自分だけが軍事基地の場所を把握し、みんなに自分の命を守るように命令します。
さて、それぞれの三者三様に程度の違いはあれ、”ダメ”なところを持つ人間同士で、このパニックをきっかけに心を入れ替えていきます。
ジャックは言われるがままのリッチの支配からの脱出を、ヘレンとウーはシンディという弱いものを守るための心を取り戻します。リッチは最後まで悪役でしたが、これはこれで重要な役でした。
新感染 ファイナルエクスプレスのタイトルに似せるのはいただけませんでしたが、あの作品も結局は心の浄化や人間同士の助け合いが大きなテーマになっているのでその点は通ずるものがあったと言えるでしょう。
最後に
超感染 ファイナルデッドは中国版のゾンビ映画として普通の出来ですが、様々な人間模様を見ることができる映画です。
駄作というほどではない作品であり、中国版のゾンビは珍しいので興味ある方はぜひご覧ください。