映画ヘンリーのあらすじからネタバレまで紹介します
映画「ヘンリー」 の評価
★★★★☆
あぁ、ついに見てしまった映画「ヘンリー/ある連続殺人鬼の記録」。
正直言って淡々とした映画だが、まるで出汁をしっかりとったお吸い物のような映画。
ホラー映画好きの中でも好き嫌いが分かれる作品であり、個人的には記憶に残った作品です。
シンプルイズベスト。
映画「ヘンリー」 のあらすじ
ヘンリー・リー・ルーカスは刑務所で知り合ったオーティス・トゥールと一緒に暮らしながら次々と女性を殺して楽しんでいました。
ヘンリーは過去の母親から受けた虐待のトラウマで女性を見ると殺したくなる衝動に襲われるのでした。ある日オーティスの妹ベッキーが訪ねてきます。
ヘンリーたちは相変わらず外に出ては殺人を繰り返していましたが、次第にベッキーはヘンリーに惹かれていきます。
映画「ヘンリー」 のネタバレ感想
評価のところでも書きましたが、好き嫌いが分かれる作品でしょう。
多くのレビューにおいて書かれている「もう少しヘンリーの生い立ちなんかを書くべき」という意見には賛成であり、反対でもあります。
なぜなら、実在の殺人鬼ヘンリー・リー・ルーカスはやはり殺人鬼であり、物語にして劇的にして奉られる人物ではなく、単なる殺人者として描かれるべき存在なのです。
後から批評家や学者が「ヘンリーは過去のトラウマがどうのこうの」と言おうが、大切なことはヘンリー自身が人を殺すことと息をすることが同じであったという事実なのです。
逆に言えば、ヘンリーには同情の余地はないですし、本人もそれをもって「かわいそう」とか「ひどいやつだ」と思われたくもないので、変な脚色は必要ないと思うのです。
単にそこに女性がいて、その女性と会話をするようにナイフを突き立てる。
ヘンリー自身の名言を見ればわかります。
- 女は存在する必要がない。だから見つければ全て殺す。要するに俺はいいことをしたって訳さ。
- 殺人は息をするのと同じだった。
- 俺にとってセックスは最悪のものだった。俺を自然のままに受け入れてくれる奴などいなかった。セックスしたけりゃ力ずくだ。殺すしかない。
- 人間?それは俺にとってなんでもなかった、ただの白紙だった。ヘンリー・リー・ルーカス – Wikipedia
実にストレートでわかりやすい人物です。
まさにこの映画ヘンリーは ヘンリー・リー・ルーカスという人物を表現するに最も合ってる作品だったと言えるでしょう。
ヘンリー・リー・ルーカスとは
さて、そうは言ってもやはりヘンリー・リー・ルーカスという人物を知っているとそれはこの映画に深みを与えることになるので簡単にWikipediaを要約したいと思います。
ヘンリーの生い立ち
- ヘンリーは売春婦で母親のヴィオラの11番目の子供として誕生。母親は女の子を欲しがったためとても残念がった
- 母親が女の子を欲しがったのは一緒に売春をして暮らすため
- 母親はヘンリーに暴力だけでなく、客との性交渉を見せつけたり、時に女性をさせるなど性的虐待を与えた
- ヘンリーへ優しくする人を罵倒し、ヘンリーが誕生日に買ってもらった大事なロバを目の前で殺したりした
- 父親はアル中で母親から暴力を受けていたが、それを快感に思っていた変態だった
- はじめての殺人は14歳の時に17歳の女性を強姦の上殺害
- その後母親も殺害 Wikipediaより
ヘンリーは母親からの性的虐待によって女性への嫌悪感や性行為への嫌悪感が生まれたものと思われます。
さて、上記の内容を映画ヘンリーに入れてしまうとどうなってしまうでしょう。
まるでマーベルのスーパーヒーローが冷凍食品を温めているシーンを入れろ、と言っているのと同じくらい興ざめしてしまうでしょう。
映画ヘンリーは、殺人鬼として生き、殺人鬼として死んだ。そのほうがいいでしょう?
最後に
映画ヘンリーは羊たちの沈黙のレクター博士のもとになったと言われています。
「え、全然違うんじゃ?」と思ったので少し調べてみたら往年のヘンリーはその天才的犯罪センスから、「ヘンリー・ルーカス連続殺人事件特別捜査班」というものを設置し、獄中から犯罪捜査のアドバイスをしていたそうです。
なるほど、まさに羊たちの沈黙のレクター博士さながらの天才だったわけです。