映画リベンジの評価
★★★☆☆
俳優の演技などがよく、シンプルな脚本ながら王道のリベンジ映画です。
一方でリベンジものを見慣れている人からすると少し物足りなさを感じる作品かもしれません。
映画リベンジのあらすじ
若くて美しいジェニファーは、セレブのリチャードと不倫関係にありました。
リチャードが狩りの大会に出場するために、大会より1日早くジェニファーと一緒にヘリコプターで砂漠の中の別荘に遊びに来ます。
2人だけの甘い休日を過ごしていると突然銃を持った二人の男が現れます。
彼らは、リチャードの狩猟仲間のスタンとディミトリでした。
セクシーなジェニファーの体に、スタンは夢中になってしまいます。
翌日スタンはリチャードが狩猟のライセンスを取りに行っている間に、ジェニファーに襲い掛かります。
ディミトリーは見てみぬふりをしていました。
リチャードはスタンに激怒しましたが、奥さんにばらすと詰め寄ったジェニファーを口封じのために崖から突き落として殺してしまいます。
崖下の木に串刺しになったジェニファーでしたが、奇跡的に一命を取り留めます。
リチャードたちはがけ下にいるはずのジェニファーを探しましたが、見つかりません。仕方なく、あたりを捜索して息の根を止めようとします。
手分けして彼女を探していた彼らでしたが、ジェニファーはまずは小便をしていたリチャードを殺し銃とナイフを奪います。
一度洞窟に隠れたジェニファーはリチャードからもらった麻薬でトリップして自らの傷を焼いていました。
幻覚に悩まされるジェニファーでしたが、目が覚めると復讐の炎が彼女の心の中で燃え始めます。
翌日になるとスタンがディミトリーの死体を川で発見します。
二人はジェニファーを探しますが、彼女が先にスタンを発見し、狙撃します。
銃撃戦の末に彼女はスタンを殺します。
リチャードはスタンとも連絡が取れなくなり、急いで帰りのヘリを手配します。
しかし、ジェニファーが別荘に現れ、リチャードと銃撃戦になります。
最後はジェニファーがリチャードを殺しました。
映画リベンジのネタバレ感想
1978年の発情アニマルに代表されるような「リベンジもの」のジャンルの作品がこれまでいくつ出てきたことでしょうか。
「リベンジもの」は女性が「弱者」、男性が「強者」として当たり前に認識される中で、それでも女性の力強さを見せつけるところが作品の魅力にあります。
それはリベンジというのがどうしてか、とてもパワフルで時に悲しく、時に切ない物語だからだと思います。
まるでジャイアンにいじめられるのび太が、道具の力を頼ったり、時には頼らないデジャイアンをぎゃふんと言わせる、そういう爽快感があるのです。
映画リベンジの魅力は
本作もそのまんま「リベンジ」という題名の通り、復讐に燃える女性を描いています。
パリピの女が裏切られて捨てられた男を恨んで殺しまくる、という極めてシンプルな作りになっています。
「リベンジもの」の映画は女性が主人公であり、いかに力強く役柄を演じられるかが勝負です。
つまり、通常レ○プされた女性というのは泣きながらシャワーを浴びて証拠を洗い流し、レイプキットを自らダメにしてしまうのです。つまりは精神的にも科学的にも泣き寝入りするケースが大半なのです。
ですが、主人公のジェニファーは生き延びた命を逃げるのに使うのではなく、復讐することに使いました。
はっきり言って、前半のジェニファーは金持ちの男に遊ばれるだけのお気楽女子でした。彼女の夢はとにかく「有名」になること。目的もなく、夢もない、そんなありふれた「イマイチ」な女子だったのです。
ですが、自分の尊厳と生命が瀕死の重傷を負ったとき、彼女の野生が目覚めます。
彼女のお腹に刻まれたタカのマークはそれを物語っています。
彼女の力強さこそが本作の、そして「リベンジもの」の映画の最大の魅力です。
映画リベンジに足りないもの
リベンジ映画はあらすじを書いてみるとこんなに起承転結が同じ作品と言うのも少ないのではないでしょうか。
幸せな女性⇒男性の暴力⇒女性のリベンジという3段構成です。
正直言えば、リベンジ映画は内容も残酷で「この映画が好き」なんて言ったら精神的に大丈夫か?と疑われてもおかしくないのですが、敢えて言わせてください。
これらの映画はまぎれもなく、徹底的に作られています。
この手のレ○プ映画は鬼畜な男たちをしっかり描くことで、そのあとのリベンジが爽快に映るのです。
つまりリベンジ系の映画は、
女性が受ける暴力+リベンジで男が受ける暴力
の度合いの合計で評価が決まると言って過言でありません。
先のアイスピではとにかく男性は鬼畜の所業ですが、なんとリベンジを果たす女性は鬼畜には鬼畜でリベンジするとんでもない作品です。
目には目を、歯には歯を、アンフェアにはアンフェアを、、、、、という言葉が聞こえてきそうです。
その点、今回の映画リベンジは残念ながら、こじんまり落ち着いてしまっています。
自業自得
もっと言えば、まずジェニファーがスタンに性的暴力を受けたのは前日にセクシーなダンスを踊って彼をその気にさせたからではないですか?
さらに彼を断るときに「背が低いから」と彼がコンプレックスに思っている内容で彼を傷つけたからではないですか?
何よりジェニファーは妻子ある男を寝取っているロクでもない女ですよね?
しかも、愛人として一番やってはいけない「妻にばらす」という切り札まで使っていますよね?
これらをもって少しでも「ジェニファーにも悪いところがあったのでは?」と思いませんでしたか。
もちろん 現実の事件では100%リチャード達が悪いでしょう。
しかし、映画の作品としては「まあジェニファーもしょうがないよね」という意味のないバッファーを与えてはだめなんです。
やるなら徹底的にやらないといけません。
リチャードをいかに鬼畜に仕立てあげられるか、ジェニファーをいかに処女のように仕上げられるか、そこがリベンジ作品としての完成度を左右すると私は思っています。
裸のおっさんを追い回す女
ちょっと作品の本質ではないですが、少し印象なのはラストのリチャードVSジェニファーです。
映画の歴史がいかに古かろうとフルチンのおっさんをショットガンを持った女子が追いかけるなんて映画はあまりないでしょう。
しかもフルチンの時間が長すぎて、なんだか目が慣れてくるから不思議です(笑)
役者さんもちょっと癖になってるんじゃないかなって思ってしまうほどはまっていましたね.
最後に
そうは言ってもしっかり作られた作品だと思います。
この手の映画は役者の演技力で作品の完成度が決まりますが、どの役者もとても演技が気合入っていてよかったです。
スプラッタ好きとして、血の量は満足できる量でした。
むしろ、そんなに出血したら普通死ぬから、と言いたくなるような血の量で少しやりすぎなくらいですね(でもOK)
血が苦手な人は避けたほうがいいです。リベンジものが好きなら一度見るのはアリですね。