【ネタバレあり】なぜ映画ワンダーウーマンはつまらない駄作なのか

DCコミックの不動のヒロインと言えばワンダーウーマンです。

今ではマーベルコミックが圧倒的地位にいるためDCは後から追っていく感じですが、ジャスティスリーグもリリースされこれから期待されるシリーズです。

映画ワンダーウーマンの評価

★★☆☆☆

残念ながら、最近のマーベル作品に比べると劣化版としか言いようがありません。

見ていて違和感しか感じなく、映像のキレイさのみで勝負しているのでその点は評価して★1追加です。

映画ワンダーウーマンのあらすじ

女性だけが住む島、セミッシラで育ったアマゾン族の王女ダイアナは、幼い頃から戦士になることを夢見ていた。母親であるヒッポリタ女王はダイアナの身を案じ、戦い方を学ぶことを禁止していたが、ヒッポリタの妹で史上最強の将軍と呼ばれたアンティオペの説得もあり、誰よりも過酷な修行を繰り返し、アンティオペに勝るとも劣らない強さを得る。

ある日、成長したダイアナは偶然「外の世界」から舞い込み、海岸で墜落事故を起こしたスティーブ・トレバーを救出する。真実の投げ縄を使って彼からドクター・ポイズンがマスタードガスの新兵器を開発していることを聞き出し、ダイアナは「外の世界」の悲惨さにショックを受ける。戦いを引き起こす首謀者・ルーデンドルフ総監こそが戦いの神アレスと確信したダイアナは、トレバーとともに「外の世界」へ旅立ち、戦争の早期終結のためロンドンへ向かう。

ダイアナは「外の世界」の異文化に戸惑いながらも、スティーブが集めた仲間の力を借りつつ、戦場の最前線や要人の祝賀会へ赴いてルーデンドルフを探し、ついに倒すことに成功する。しかしその後も戦争は終結せず、それが世界に平和をもたらす唯一の方法だと信じていたダイアナは、現実に打ちのめされてしまう。その時パトリック卿に成り代わっていたアレスがダイアナの前に姿を現し、「戦争こそ人間の本性だ」とその愚かさを説き、協力して人間を一掃し世界を再創造するよう迫る。人間の「悪」に失望していたダイアナはその言葉に籠絡されかけるが、トレバーとの会話を思い出し、人間の「善」の部分を思い直す。人間の愚かさを受け入れ、与えられた力を守るために使う決心をしたダイアナは、真の力を解放してアレスとの戦いに決着をつける。やがてロンドンで休戦協定が締結され、戦争は終わりを迎えた。

ワンダーウーマン (映画) – Wikipedia

ワンダーウーマンはなぜつまらないのか

ワンダーウーマンを見た感想は「うーん」という感じ。

最近のアメコミからの映画化の映画はマーベルを筆頭にとてもクオリティが高いものになっています。

アイアンマンにしろ、マイティーソーにしろ、アベンジャーズにしろ、それぞれにドラマがあり、考えさせられたり頭からっぽにして見れたり、色んな面があります。

ワンダーウーマンはDCの主要キャラクターでそれなりに気合いれて作られているのに、なぜか「うーん」と思ってしまう理由を考察します。

神が作った割に米英贔屓だから

ダイアナはゼウスの娘であることが後程発覚しますし、そのもゼウスが作った神々を殺すための最終兵器として育てあがられます。

一方で神という超人的な立場にいながら、その実態は英米に味方して、ドイツ軍を掃討していくという完全に英米偏重に正直冷めました。

私が敗戦国日本にいるというのもありますが、なぜ中立の立場でいる紙がアメリカとイギリスに味方するのでしょうか。

マーベルのヒーローであるキャプテンアメリカはアメリカが作り上げたヒーローだからアメリカのためにナチスと戦うのはわかります。

しかし、ダイアナはあくまでも人間の嫉妬や猜疑心という心の奥底に眠るダークな部分と戦うためのヒーローであれば単純に英米に味方するシーンはいただけませんでした。

アクションと言えるアクションではない

残念ながらワンダーウーマン役のガル・ガドットの演技がアクションの領域まで達していないと思っています。

アイアンマンと違い、ワンダーウーマンは先進的技術に頼らずあくまでも超人的肉体で戦うタイプのなのでアクションの要素は必須のはずですが、残念ながらその域には達していませんでした。

まるで素人の空手を見ているような、カンフーサッカーを見ているような残念なCGによる補助は見ている人間を幻滅させました。

 世間知らずの子供だから

ワンダーウーマンははっきり言って子供です。

それまで、善悪のない、(あるいははっきりと善悪が分かれる世界にいたため)世界にいたため現実世界にいる彼女は役立たず以外の何物でもありません。

人間は醜いとか、人間は殺しあってるとか、映画を見慣れている人からするともう耳にタコのこのセリフを平然と吐く彼女は単なる「世間知らずの子供」でしかありません。

それを表現したかったのかもしれませんが2時間20分のうち、2時間をそれに割かれる身としてはかなりつらいものがあります。

戦争という完全に人間の利害関係が左右する世界で、絶対的な存在であるワンダーウーマンを期待していたのに、あっさりと正論ばかり述べる彼女にがっかりです。

キャプテンアメリカと比較されてしまう

彼女のライバルはマーベルが誇るヒーローのキャプテンアメリカです。

彼は何年も前にデビューし、戦争を勝利に導き、今では現代の正義とは何かという哲学的な問まで投げかける存在になっています。

その点ワンダーウーマンはキャプテンアメリカの3週くらい遅れてのスタートであり、キャプテンアメリカの持つダークヒーロー的な要素に勝たなければなりません。

映画の中で結局彼女は「私は愛のために戦う」と言う結論になっていますが、残念ながら彼女の愛は、愛する彼を失った弔い合戦のような流れでしかなく、はっきり言ってキャプテンアメリカの持つダークな面の10%も満たしていません。

この点今後のワンダーウーマンの続編で描かれないのであれば残念ながらキャプテンアメリカの圧勝で終わることでしょう。

次回作への布石が大きいため

内容が薄すぎて完全にジャスティスリーグの布石では?と思ってしまいます。

ワンダーウーマンが現世に降り立つ時点で「人間に絶望する」ことは明らかに読めることであり、むしろそこから彼女がどう立ち直るかが重要なのですが、「とりあえずジャスティスリーグのために作りました」感があるのはいただけないです。

最後に

ワンダーウーマンはジャスティスリーグで重要な位置を占める存在なのでもう少し繊細に描いてほしかったです。

あらゆるヒーローの中でこんなに神様に近い存在で、さらに物語で人間に近づく存在はいません。

だからこそ繊細に描かれなければならないのに、今回は結局「愛に生きる」という結論では少々残念な感じは否めません。