ジョージAロメロが最後に認めた映画という誘い文句につられて見ました。
余談ですが、ネットを見るとどうもこの作品は4作品目ということがわかりました。
元々はハチェットという作品があり、それのリブートとして制作されたようです。
それではあらすじを基に作品をレビューしていこうと思います。
ヴィクタークロウリーの評価
★★★☆☆
スラッシャー映画として及第点。ブラックユーモアを交えて見れるので、それなりに楽しめて見れます。
スプラッタ描写を含んでいます。
ビクター・クロウリー(ヴィクター)のあらすじ
ハニー・アイランドの沼で物語りはスタートする。
二人の男女はなんとも微妙なカップルで、絶妙にかわいくもかっこよくもない。
そこらへんにいそうな「昔はぶいぶい言わせてたぜ」 みたいなおばさんと絶対マザコンのおじさんがどう考えても不気味な沼でデート中だ。
彼らはロマンチック(?)な雰囲気の中指輪を交換し、互いの愛を確かめる。
視聴者の中には開始3分で「早く死なないかな?」と待ちきれない思いであったろう、私もその1人だ。
監督はそんな私たちの思惑を組んだかのように、まずは男の頭部を貫通。
その後はおばさんを四つんばいにしてレ○プでもはじめるのかと思いきや。。。。
彼が興味があるのはスラッシャーだけです。
まずは手、そして足を1本1本取り除いていきます。
非常に興味深いシーンにもかかわらず、とにかくおばさんの服がダサすぎていまいち怖さが半減します。
そして改めて今回の主人公 ヴィクター(ビクター)・クロウリーが登場して物語りがスタートです。
ところ変わって昔ビクターの魔の手から生き延びて自身の本を執筆して生活しているアンドリューは新作を出版していた。
テレビに出演しているアナウンサーは偽金髪で常にズラがズれている黒人ナイスバディ。でも性格は悪く明らかに金だけでアンドリューと結婚した感じですね。
今回はこのアンドリューたちテレビ番組制作グループだけでなく、もう一つ若者たち(とも呼べないばばあたち)の映画製作グループの一団も出てきます。
彼らはビクターに関する映画を製作するためにアンドリューに会いに行きます。
しかし、アンドリューのサイン会はおっぱいにサインしろ、とかチン○にサインしろとか正気の沙汰とは思えないひどいサイン会で彼らはサインをもらうことができませんでした。
サイン会は突然中断。
それはなんとアンドリューにドキュメンタリー撮影の特大オファーが舞い込んできたからです。
喜ぶマネージャーに対してアンドリューは
「二度とハニー・アイランドへは行かない」という強い意志を見せます。
しかしその自信は完全に崩壊することとなります。
結局金かよ。
のど元すぎれば暑さを忘れるというか、命より金な気がするのですが、 アンドリューは結局ハニーアイランドへもう一度戻ることを決意します。
プライベートジェットで向かうおのおのの面子。どいつもこいつも胡散臭い面々だけです。
メイク担当のゲイにデキてるディレクター陣など三流ドキュメンタリーになること間違いない流れです。
とんでもないのはスタッフだけではありませんでした。
操縦していたのもとんでもない やつらでした。
笑いを織り交ぜながらエンジンに問題があることを伝えていきます。
そして、そんな飛行機が当然まともに動くわけもなく、出発してまもなくして空中で爆発し不時着します。
同じころ、映画を作ろうとしていたおばさん大学生たちはすでにハニー・アイランドへ到着していました。
ヴィクターを地獄から呼ぶにはのろいの言葉が必要なのですが、その言葉すらもよくわからないというグダグダな展開にこいつらはすぐに死ぬなということが確信しました。
しょうがなく、のろいの言葉をググってYoutubeで再生すると黒人が読み上げる動画が再生されます。
昔はのろいの言葉は人が読み上げることが当たり前でしたが、今ではYOUTUBERたちが読み上げるだけでOKなんて便利な世の中になったものです。
ビクターを呼び出すには時間がかかるらしく、場面は不時着した飛行機の場面に戻ります。
スラッシャー映画にとって登場人物の数はサッカーで言うとシュートの数みたいなもので、多ければ多いほど見所が多くなります。
今回のケースですとテレビ撮影組みと映画撮影組みでかなりの数がいるので、多くの場面を期待していたのですが、なんと飛行機の不時着でテレビ撮影組みが半減するというまさかの展開。
おいおい、ビクターにちゃんと殺させろよな。
グダグダな救出劇が少し続いた後にやっとビクターの生家が出てきます。
今ではテーマパークになっているヴィクターの家です。
なぜか定期的についたり消えたりする謎の設定のライトが画面をちらつかせます。
そして次の瞬間!
走ってくるビクターが!
これは怖い!正直このシーンは最近見たスラッシャー映画の中で5本の指に入る名シーンかも!
通常ジェイソンやブギーマンなんかはこんな全力で走ってきて驚かすなんてことしませんから。
まるで日大のルール無視のアメフトタックルのように映画サークルのボーイフレンドに馬乗りになって、PUSHPUSHPUSHPUSH!!
なんとも楽しそうにハンマーを振り上げては振り下ろしているではないですか。
まるで大工のように、まるで子供のように。
どうでもいいですが、今回のビクターはやけに人間の頭を狙ってる?
ゾンビ映画で人間がゾンビの頭を狙うように、今回のビクターはとにかく頭を狙って釘を打ったり、ハンマーで頭を割って見たり、力いっぱい頭を引き抜いたり、どこかで習ったのでしょうか?
さて、彼氏を殺した後は当然彼女です。
ヒロインが誰なのかわからなかったのですが、これでまた1人候補が消えました。
彼女の死に様はほとんど放映されませんでした。。。。。一体何のために出演しているのか(怒)
そして、実は本作で一番素晴らしいのが、この映画主役やる気満々の彼。デイブ・シェリダン と言いまして、有名な作品としては「ウォーキングゾンビランド」のリンカーン保安官です。
シリアスな場面で、頭のネジが1本どころかほとんどすべて抜けている彼は、ひときわ目立つ存在です。
映画仲間の顔の小じわが目立つおばさんに一目ぼれして、友人を救いに行くから「キスしてくれ」なんていう援助交際も平気で申し出ちゃう韋駄天です。
キチガイですが、間違いなくこの中では正確がかなりイケメンで憎めません。むしろ死んでほしくない唯一の存在でした。
さて映画も中盤を過ぎて殺すペースが遅い?なんて思っていたらようやくビクターが飛行機に到着。とりあえず、ディレクターを瞬殺。
ちょっとオカマっぽい女もついでに粛清。
ここが殺人シーンとしては見どころかな。
腕を切り落として、ケツから突き刺して、口まで貫通させる!素晴らしい!
この映画ジャンルとしてはホラーコメディなんて書かれていますが、ホラーよりの作品です。
コメディはあくまでもブラックジョークが多く、映画「フィースト」のような失笑してしまうシーンがあります。
うーん、このシーンのスクリーンショットは重宝しますね。
ホラーコメディとしてはこういう描写がばんばん欲しいところです。
徐々にビクターの全容が出てくるようになります。
見た目完全に落ち武者って感じ?頭がはげてて、筋肉質で、しかもロン毛ってのがね。。。。
なんか恐怖のモンスターというよりもヤバいキチガイっぽい感じで「100万にくらい人口がいたら1人くらいいそう」と思えるリアルさがあります。
ここから脇役っぽい映画撮影の女の子が一気に躍り出ます。
彼女が望もうと望まなかろうと女子で生き残っているのは彼女だけなので必然的にそうなってしまいます。
てか、早く逃げろよ、その湖から。っていうつっこみを散々したくなるようなチープな鬼ごっことかくれんぼが繰り返され、最終的に飛行機に戻ってきたところでビクターとご対面。
我々の代わりにビクターが彼女につっこみを入れてくれました。
そして、物語はクライマックスへ。
よし、飛行機の羽にあいつを巻き込ませよう!というかなり回りくどいやり方を思いついた彼らはビクターをおびき寄せます。
男を見せるアンドリュー。手には発煙筒をもって相手へ打ちまくります。
1発目が頭にヒット!「本当は股間を狙ったんだが」なんていうジョークなんだか、ガチなんだかわからないコメントをして、2発目、3発目を発射しますが、カスリもしません。完全にまぐれあたりをさも狙ったかのような発言であったことが明らかになります。
誰もがアンドリューの腕に失望しかけた(しきった)とき、あのヒーローが突然動き出します。
消去法でヒロインになってしまいったおばさんに「子供が欲しかった」と突然のプロポーズ。
観客を全員置き去りにして彼は走り出し、ビクターとともに飛行機の羽につっこんでいくのでした。
事件は無事解決し、ヴィクターの存在はまたうやむやのまま終わりました。
テレビではいまだに沼での話が放送されています。
ラストで誰かわからないおぼさんがショットガンを準備していました。
(これは誰?過去の出演者か?)
ヴィクター(ビクター)・クロウリーのネタバレ感想
スラッシャー映画としてはそこそこ楽しめる作品です。
お化けやモンスターというよりは殺人鬼というジャンルのほうがあっていて、ジェイソンやブギーマンといったほうに似ている感じですかね。
ただし、顔がしっかりと出てきて、しかも奇形の形相ですので少しそこらへんは違ってきます。
奇形と言うと、クライモリの食人族というのも思いつきますが、彼らに比べると個体の特性が強く、彼だけがやけどで負った傷のために顔がかなり歪んでいます。
知性は少しはあるみたいですが、基本的に知的行動というよりはとにかく獲物に突っ走ってくる傾向があり、アメフトマンのようなイメージですかね。
キャラクターとしてはあんまり感情移入できず、ジェイソンほどのキャラはたっていないのが残念です。
やはり、あまりに奇形だと親近感がわかないんですかね。
余談ですが、ジェイソンやレザーフェイスというのは結構フィギュアを見かけますが、こういう奇形な顔のモンスターはフィギュアを作りにくいんですかね。
B級映画としてはかなりの及第点ですが、やはり出演者の高齢化は免れず、お色気シーンもお預けでした。昨今はとにかくスラッシャー映画でもおばさんのお色気シーンが無駄になったりするのですが、潔く削っているあたりはかなり高評価です。
各個人の評価はそこそこですが、それでもデイブ・シェリダンがひと際他の役者の個性に七味のようにピリっと刺激を与えていて、彼自身がこの作品に与えているスパイスとしての役割はかなりでかいと思います。
最後に
続編がありそうな終わり方ですが、こういう映画だといくらでも作れそうですね。
その点ではよく言えば及第点、悪く言えば、ありきたり。
ぜひとも若い子をもっと起用してお色気シーンを入れるなり、あとはスラッシャーシーンはしっかりと工夫して撮影してほしいです。そうすればあと3つくらいは作品が作れそうですね。