アリバイ・ドット・コムの評価
★★★★★
久しぶりに笑った作品を見ました!
アルバトロスの作品ということでとても心配でしたが、見終わってみるととても楽しく見ることができた作品です。
最近はコメディも会話だけで楽しませるものが多く、とにかく俳優の力量頼みの作品が多い中で、本作は俳優の演技だけでなく、脚本の細かいところまで、しっかりコメディーとして楽しめる内容になっています。
アリバイ・ドット・コムのあらすじ
【概要】
グレッグが経営する会社「アリバイ・ドット・コム」。事業内容は、秘密裏に依頼人の完璧なアリバイを作り、トラブルを回避すること。
依頼は後を絶たず、業績は順調にアップしていた。そんな中、グレッグは恋人フローの両親に挨拶をするため彼女の実家を訪れるが、フローの父親ジェラールはグレッグの顧客だった。
しかも、依頼内容は浮気相手との旅行中のアリバイ作り。ジェラールに脅され、グレッグは渋々依頼を受けることに。そして決行の日。グレッグは綿密な計画を立て、ジェラールの逢瀬の地カンヌに乗り込むが、なんと同じホテルにフローが母親を連れてバカンスに来ていた…。
果たして、グレッグは無事に依頼を遂行できるのか?!
アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件 « アルバトロスフィルム
【解説詳細あらすじ】
グレッグは子供のころ親を不倫が原因で離婚で失ってから、不倫がばれることがないようアリバイドットコムという会社を作ります。ビジネスは成功し、あっという間にいろんな人のアリバイ作りをしている。社員は以下の3名だ。
不倫のアリバイから子供が学校をさぼる理由、有名歌手のゲイ疑惑の隠蔽まで幅広くニーズはあった。
余談ですが、そもそも設定が面白いですね。
通常不倫の専門になるところですが、色々な人のアリバイを作ることでかなりコミカルな印象を与えて、不倫のマイナスイメージを払拭しています。実際は隠蔽に加担して損害賠償をガンガン受けそうな気がしますが、そこは映画なのでご愛嬌。
そんな時にグレッグは運命の女性フローに出会う。
きっかけはフローの愛犬をグレッグが逃してしまい、怪我をしてしまったこと。ここらへんもかなりコミカルに描かれています。
2人はボーリングデートをはじめ仲を深めていき、いつしか恋人同士になり、親に紹介するような仲になっていきました。
本業も好調で、次々と仕事がまわってくるように。
ある日、中年の紳士がカンヌに愛人と出かけたいからアリバイが欲しいとグレッグを訪ねて来た。
いつも通り完璧なアリバイを作り、あとは計画を実行するだけだった。
なお、ときどきこういあクソガキもアリバイをお願いしにきます。
子供が更年期障害って、、、笑
そしてグレッグがフローの両親に挨拶をしに行きました。
スーツを着て、ワインを持って訪ねます
しかし、出てきたのは見たことある男性が出迎えてくれます。
なんと以前カンヌでアリバイが欲しいと言っていた男性ジェラールではないですか。
2人は初対面のフリをして、やり過ごそうとします。
そのうち男性がグレッグを誘って二人だけになると互いにののしりあいます。
グレッグは恋人のお父さんの不倫のお手伝いはできないと言い張り、仕事を断ろうとします。
しかし、お父さんはグレッグにグレッグの仕事のことをバラすと脅します。
フローは嘘をつく人が大嫌いで、以前ゲームでずるした人を捨てた経歴もあります。
グレッグはうそつきの片棒を担ぐ仕事をしているとフローにいえず、とっさに客室乗務員をしているとフローにうそをついていました。
やむをえず、グレッグはその場は黙って従うことにします。
さて、ジェラールは無事不倫旅行でカンヌに出かけます。
恋人との甘いひと時、、、とはいえませんが、、非日常な体験に満足そうなジェラールです。
少しわがままで、シャンパーンが大好きで浪費家の彼女のためにシャンパーンを買いに外に出かけます。
シャンパンを買って帰ってくる途中、まさかの奥さんと遭遇します。
実はフローとお母さんはカンヌにバカンスに来ていたのです。
そうとは知らず、隠れるジェラール。
しかし、間違えて、二人の部屋に入ってしまいます。
もうクローゼットに隠れてるジェラールが面白くて面白くて。なんでその部屋に入る?なんで透明なドアなんだ!ってね。
いつのまにかジェラールは奥さんのために仕事を抜け出してサプライズしにきたいい旦那という設定になって親子水入らずで行動することに。
一方でグレッグは作戦変更になり、てんやわんや。
まずは浮気相手に電話しグレッグが警察に捕まったことにします。
そして足止めのためにレコード会社の人間に成りすまして彼女に接触します。
有名アーティストも手掛けたと大ボラを吹いていたら、なんとそのアーティストが目の前に!
慌てて挨拶してくると言って、抜け出します。
その頃、ジェラールたちは夫婦でカンヌを楽しんでいました。
ワイナリーを回り、ダンスをし、海で散歩をしていい雰囲気になります。
仕事ばかりで2人の時間がなかったので、久しぶりの夫婦関係にお互いの気持ちを確かめることができて熱々な関係に。
一方のグレッグは相変わらず苦境にいます。
愛人の相手をしながら今度はフローからの電話にも答えます。
しかもうっかりグレッグはホテルの名前をフローに言ってしまいます。
フローは電話がつながらないグレッグに連絡を取ろうと、ホテルに電話をかけます。
しかし、ホテルからはそんな名前の客はいないと言われてしまいます。
フローは彼が嘘をついていることを確信してショックを受けます。
人が嘘をつくことが誰よりも嫌いなフローは、彼が浮気をして他の女と旅行に行ったことを疑い、食事中もショックを受けていました。
その頃、グレッグはそんなことも知らずに道端で車がエンストしていました。
そこである男が助けてくれます。
彼はサーカスの一団で白のポニーがゼブラ柄に塗られていることに怒ります。
グレッグは自分が犯人であることがバレる前に逃げ出そうとします。
愛人と一緒にキャンピングカーを奪取して逃げ出したグレッグはキャンピングカーのトイレを使っていた男と格闘します。
しかし、操縦を誤ってキャンピングカーは大破。
目がさめるとグレッグはフローたちに囲まれて病院で目が覚めました。
全てを話してほしいと言われたグレッグはフローに仕事を切り上げて早めにきたんだと告げます。
フローがパスポートを確認するとちゃんとタンザニアの入出国記録がありました。
同じ頃、愛人はうまく逃げ切ったと思い、上着に入っていたグレッグの部屋の鍵を使ってグレッグの部屋に入ります。
中ではパソコンが起動してあり、今回のカンヌの全ての計画が入っており、自分も騙されていたと知った愛人はパソコンを持って国外へ出ようとします。
あわてて彼女の跡を追おうとするグレッグたちですが、彼女に逃げられてしまいます。
愛人はパソコンの情報をマスコミに流しました。
アリバイドットコムの全ての顧客情報が入っているため、全てが明らかになってしまいました。
グレッグの元には苦情と請求書の山が出来、アリバイドットコムは倒産しました。
フローも全てを知りグレッグと、別れてしまいます。
アリバイドットコムのラスト(結末)
その後月日が経ち、フローたちが出掛けていると、ふとグレッグが暴漢に絡まれているところに出くわします。
彼らはアリバイドットコムに恨みを持っており、グレッグを痛めつけます。
フローも追いかけて一部始終を見て、グレッグをかわいそうに思います。
暴漢たちが立ち去った後にフローと二人きりになるグレッグですが、彼女に愛しているという話をします。
すると彼女もグレッグのことに未練があるという話をし、結果的に二人は再び付き合い始めることになります。
抱きしめあう二人。
フローがふと目をやるとバスの広告に目が行きます。
「SOSカップルドットコム」
広告に出ているイカつい男性は先ほどグレッグに因縁をつけていた暴漢でした。
アリバイドットコムの ネタバレ解説
ラストはしっかりハッピーエンドで締めてきて大満足です。
ジェラールたちが仲直りして、終わりかと思いましたが、その後愛人が情報を暴露して、アリバイドットコムが倒産、どう持ち直すのかと思いきやしっかり、今度はカップルの仲直りの会社を作って、ただではおきない根性です。
フローもちょっと変わっていますが、素直ないい子ですし、グレッグも色々間違っているものの素直ないいやつなので肩入れしたくなります。
そして、随所に小ネタがちりばめられているので、気づく人にはとても楽しんで見れます。
余談ですが、フランス人は本当に不倫に対して寛容ですよね。
歴代フランス大統領はみんなすごい女性遍歴です。
不倫相手を女性記者につっこまれても「で、それがなに?」と回答するそうです。
実際に大統領が不倫していても「政治は政治、プライベートはプライベート」という考え方の国民が半数ほどいるらしいです。
そういう意味では日本では絶対的に生まれにくい映画が、アリバイドットコムなのです。
カップルで見てもくすっと笑えるところが多分にあるので、おすすめの作品です。
最後に
愛の国フランスから来た、心温まる笑える作品です。
B級映画であるものの、それを感じさせない細かい設定とシナリオが久しぶりの良作となりました。ぜひ一度ご覧ください。