【映画レビュー】発情アニマル~アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ1978のあらすじ・ネタバレ感想と評価

※以下暴力的グロ表現を含んでいますので苦手な方は読まないでください

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日本のVHSでは「悪魔のえじき」という題名でも出ています。

当時は発情アニマルと聞くとポルノのような題名なので、どんな映画かと思ったらポルノよりたちの悪い映画だった、というオチのようです

発情アニマルの評価

70/100点

2010年に アイ・スピット・オン・ユア・グレイブが作られたときに逆に原作ということで注目された作品と言われています。

個人的にアイ・スピット・オン・ユア・グレイブのほうが好きです。

やはり古い映画ということもあり、淡々と流れるこの雰囲気よりも激しくすすむリメイク版のほうが展開が好きです。

ただし、発情アニマルでは古い映画特有の生々しさがあり、男性女性器が出てくるところでの取ってつけたようなモザイクはとても生生しかったです。

発情アニマルのあらすじ

バカンスを過ごそうと、ニューヨークから湖畔に建つ別荘を訪れた小説家ジェニファー(カミール・キートン)。

都会の洗練された雰囲気を放つ彼女に、町の青年マシュー(リチャード・ペイス)は心惹(ひ)かれていくが、チンピラのスタンレー(アンソニー・ニコルズ)たちは激しい劣情を催していた。

そんな中、湖に浮かべたボートでくつろいでいたジェニファーを、マシューを連れて現われたスタンレーらが襲い掛かる。

ひたすら陵辱を繰り返した彼らは警察に駆け込まれるのを恐れて彼女を殺そうとするが、命だけは取り留める。

Amazonより)

発情アニマルの感想

1978年という古い時代はレイプリベンジ映画がとても流行った時期です。

映画鮮血の美学などが1972年であることを考えると少し遅めに出てきた映画ではあるものの、当時はこういった女性がレイプされるということを生々しく描く映画は世の中に衝撃を与えたのではないでしょうか。

その衝撃は2018年になった今でも変わることはなく、今見てもレイプシーンはとても残酷でとても悲しくなる描写になっています。

さて、本作はアイ・スピット・オン・ユア・グレイブとしてリメイクされていますが、原作では原作の怖さがリメイクとは別にあります。

リメイクのアイ・スピット・オン・ユア・グレイブのレイプ犯の若者たちはたしかに悪い奴らなのですが、その場の勢いというか、文字通り性欲の奴隷として鬼畜の所業を行います。そしてリメイクの見どころはリベンジシーンです。これはもはや生き返ったジェニファーが別人のように100倍返しで奴らを拷問していくのです。

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発情アニマルの本当の怖さ

女性レイプ⇒男性復讐という単純な流れの中で、発情アニマルの怖さは犯人たちのレイプ行動にあります。

リメイクとの大きな違いはレイプに至る行動です。

リメイク版では多くの人間が一斉に女性に襲い掛かり暴力をしますが、発情アニマルでは一人づつ、しかも場面を変遷させながら痛めつけていきます。

これはまさに文字通りアニマル=獣の所業で、獣が獲物をもてあそぶように冷静に相手を痛めつけます。

この展開を考え付いた監督は本当に天才としか言いようがなく、まさにこれこそ鬼畜の所業なのです。

特にハーモニカを吹きながら森を先回りしたシーンは圧巻でした。彼女にとってどこにも逃げ場はないという絶望が私たちにも襲い掛かってきます。

発情アニマルの最後に

本作は監督がレイプ犯に対して警察の対応が甘いところから制作のヒントを得ているそうです。

警察が動かないなら自分たちでやるしかない。

まさにダークヒーローというかパニッシャーのようなアメリカ人が好きそうな展開ではあります。

確かにアイ・スピット・オン・ユア・グレイヴのリメイクでは1では警察自身がレイプ犯の一味であったり、3では無能な役割を演じたりとコンセプトはしっかりリメイクでも受け継がれているものと思います。