クライモリデッドエンドのキャスト・評価
<キャスト&スタッフ>
ニーナ…エリカ・リーセン(山口由里子)
デール…ヘンリー・ロリンズ(大塚芳忠)
ジェイク…テキサス・バトル(佐藤 淳)
キンバリー…キンバリー・コールドウェル(高乃 麗)
マイケル…マシュー・カリー・ホームズ(蓮池龍三)
監督:ジョー・リンチ
脚本:テューリ・メイヤー/アル・セプティエン
製作総指揮:エリック・フェイグ/ロバート・クルツァー
評価:85/100点
グロも多いが、マウンテンマンたちのパンチの利いた設定が面白い
クライモリデッドエンドのあらすじ
5日間のサバイバル・ゲームで勝ち抜くと賞金10万ドルというTV番組の撮影で、“アポカリプス(=黙示録)”と称する森の中に選ばれた若者たち6人が集合する。
キンバリーもそれに参加するため森へ向けて車を走らせていたその時、突然何者かが飛び出してきたため、ブレーキをかける間もなく轢いてしまった。
キンバリーは生存を確かめるため、倒れた男に恐る恐る顔を近づけると……その男に一瞬にして噛み付かれ、さらには森の中から出てきたもう一人に、斧でカラダを縦に真っ二つに切り裂かれた。
そう、この森は人喰い一家の棲む森だった。
ゲームの参加者達とスタッフは、何も知らないままその森へと入っていく……。
クライモリ デッドエンドのネタバレ感想
クライモリシリーズは大方見ましたがこれが一番おもしろかったです。
よく一作目がいい!といわれて2作目は1作目のコピーかまったく違う別物が出来上がってとても残念な出来になることが多いです。
しかし、本作では前回の世界観をしっかり保ちつつ、ぜんぜん違う世界で、むしろ“彼ら”の世界観をより深く掘り下げたような作品になっているところもとてもグッドです。
なにしろ前作では特に何の前触れもなく、”突然”彼らが現れてくるわけです。
彼らは人間なのか、化け物なのか、宇宙人なのか、何もわからないまま“とりあえず”進んでいくのです。
もちろん新しい作品というのは勢いが大事なので、そういった細かい設定などは後付けで作られることが多いのですが、であればやはり2や3というのは1を超えてしかるべきなのですが、世の中そうはならないのです。
さて、本作では化け者の化け物性、彼らがもし人間なら“人間性”が大きく出てきます。
通常の作品では化け物性の心理描写などまったくなく、あくまでも主人公や殺される人間の心理描写だけが描かれます。
そのプロットをうまく演出しなければ、人間がなぜ化け物に襲われるのか、またなぜ化け物は化け物なのか、それが判り兼ねるものと思われます。
ちゃんと作れば、化け物が見せる恐怖のどつぼにはまり、それで笑ったり悲鳴に変わったりするものではないかと思います。
極論すると彼らを知れば知るほど彼らに愛着が沸いてくるのです。(信じられないかもしれませんが)
化け物だって人間だもの
前置きが長くなりましたが、一言でいえば化け物だって人間だもの(みつを)ということ。
本作でチラチラと見え隠れする人間味が最高のスパイスなのです。
やはりもともと化け物というよりはどちらに近いかというと人間なので、人間的な行い、たとえば性交シーンなんかは実にリアリティがある内容になっています。
彼らも生きているんです。お父さんがいてお母さんがいて、赤ちゃんがいて、旦那が違う女に目移りしていたら嫉妬する奥さん。
家族をとりいれる事で、化け物にも悲しいという感情が表われる事を意図的にやる。
化け物の怒りが人間に向けられているという事が判る心理的かつそれを決定づける演出です。
やられる側の人間が多すぎるというのを微妙だという人もいますが、個人的にはこれぐらい派手にやられるのも好きです。
ダラダラ長くみんな生き残ってもしょうがないですし、何よりゲーム性がありますしね。
しかもみんな殺され方はさまざまです。シーンなんかも1から引き続きぱっぱっと変わっていきますので脚本はそういった意味でも慎重に練っているなあという感じが窺えます。
ばかばかしさが生きる
元々三流サバイバル番組という企画。
出てくるメンバーはアホかバカかどちらか。お決まりのお色気シーンなんかもあるのでそこはご愛嬌という感じ。
でもそのばかばかしさが化け物との戦いを見事にイーブンにしているんです。
ばかばかしいこいつらだからこそ化け物たちに襲われても「まあしょうがないか」と思ってしまうわけです。
お色気の女の子がいるから化け物がその子に興奮しても「まあしょうがないか」となるわけです。
クライモリ デッドエンドの最後に
食人族シリーズの中で一番おすすめなのがこの作品です。
シナリオ、グロ、ブラックユーモア、エロ、チープさ、キャラクターそれぞれのバランスがほどよくできているので残虐なシーンが苦手な方でなければぜひご覧ください。