映画ザ・ビーストのあらすじと120%映画を楽しむネタバレ解説

近年過去の栄光を餌にB級~Z級までとにかく仕事を選ばず取り組んでいる熱心な男がいる。彼の名はニコラス・ケイジ。

ザ・ロック、ナショナルトレジャーなど数多くの名作に出ている誰もが知っているハリウッド俳優です。しかし、近年は先ほど書いたとおり、とにかくアルバトロス配給のB~Z級映画に出演している。

さて、今回はこのニコラス・ケイジ押しのザ・ビーストについて解説していきます。

キャスト・スタッフ

監督
ニコラス・パウエル
製作
ボビー・ランゲロフ ブレット・サクソン ダニエル・グロドニック ルイージョ・ルイス

キャスト

フランク…ニコラス・ケイジ

エレン…ファムケ・ヤンセン

ニコラス・ケイジともう一人の大物といえばファムケ・ヤンセン。Xメンのジーン役で有名な大御所で、最近では有名な作品で主演というよりはわき役が多くなっています。

私自身が最後に彼女を見たのは96時間の分かれた奥さん役でした。演技力がないわけではないのですがあまり目立たない役が多いですよね。もともとデビューが007の暗殺者役だったので、そこからすると誘拐されたり、監禁されたりという少し弱めの女性が多い印象があります。

あらすじ

遠いジャングルでフランクは獲物を狙っていました。彼が狙っていたのはジャガー、しかも真っ白なホワイトジャガーです。見事ホワイトジャガーを仕留めた彼は意気揚々、これを密輸入して売りさばけが巨万の富が手に入るからです。

フランクはジャガーのほかにも猿や鳥、大蛇まで多くの動物を掲示に入れ船に載せて出発しました。しかし、その船にはフランクと乗組員以外にNSAやその警備の人間が乗っていました。彼らは囚人のラフラーを輸送していました。ラフラーは元軍人で、暗殺も得意とする危険人物で先日作戦を離脱して逃亡したところを捕らえられ本国へ連れ帰らせるところでした。船には彼の安全を考慮するために医師のエレン大尉も乗っていました。

順調な航海でしたが、ラフラーがおとなしくしているわけもなく警備の隙をついて拘束を解いて船に潜伏します。ラフラーは逃げる際にフランクの持ち込んだ動物たちのケージを壊し猛獣たちを船内に解き放っていました。

警備隊長のリンガーはラフラーを捕らえるべく船をくまなく探しますが、一人、また一人凄腕の暗殺者であるラフラーの手にかかり命を落とします。

フランクは大金となるジャガーを逃すわけにはいかずリンガーの静止をものともせず麻酔銃を持ってジャガーをおいかけます。

船内は猛獣、凄腕暗殺者、乗組員たちの三つ巴となるのでした。

映画を120%楽しむネタバレ解説

アルバトロス配給の作品は低予算低レベルで知られていますが、本作はまずまずの出来です。

ジャケットレビュー

さて、アルバトロスといえばまずはお約束のジャケットレビューです。まず皆さん気づいたかと思いますが、ジャケットに映っているゴリラとクマは一瞬たりとも出てきません。また左にいる大蛇もこんなアナコンダではなく地を這う小物でした。アルバトロスはその勢いだけのジャケットで有名ですが今回もその威力は健在でした。

設定に負けた内容だが、拾い物

獣と暗殺者と乗船者の三つ巴というのは何とも面白い設定です。

予告編も大変興味深い出来となっていますが、実際はそれほど内容の濃いものではなく、獣はその90%の時間を逃げて過ごしていますし、結局ホワイトタイガーが自分で倒したのも1人ぐらいでしょうか(ラフラーは狩られたというより処刑された感じですしね)。映画の実態はほとんどが逃げ出した暗殺者とのアクションシーンがほとんどです。

ですので「ビースト」という題名に「アニマルパニック」を期待してみた人はとてもがっかりしたと思います。さらにホワイトジャガーですが、フルCGです。蛇は本物、鳥も本物、サルも本物、でも肝心のホワイトジャガーがフルCGなんです。さらに気づいた人も多いと思いますが、全体的な画質を落とすことでそのCGのクオリティをごまかそうとしています。気づいた方はぜひ映画をもう一度見てみてください。

なぜホワイトジャガーなのか?普通にトラとかにすればまだ本物を用意できたのでは?特にホワイトジャガーじゃないといけない理由はありませんでしたからね。

沈黙シリーズのような内容

さて、いろいろつっこみどころが多い作品ではありますが、内容はそこまで悪くありません。

エレン役のファムケ・ヤンセンが見れたのはよかったですし、三つ巴ではないとはいえ、暗殺者とのせめぎあいはまるでセガールの名シリーズ「沈黙の●●」みたいでいいです。ニコラスケイジ演じるフランクが元軍隊というのも、まさに沈黙シリーズそのものですしね。(まあその設定が生かされるシーンは0ですが)

そんなわけでアルバトロスという期待値低めの中でアニマルパニックではなく、海洋アクションとして作品を見てみれば拾い物の作品といえるでしょう。