ロストバケーションのあらすじからネタバレ解説まで

暑い夏にぴったりな映画と言えば、海、そしてサメ。ロストバケーションとは直訳すると「失われた休暇」であり、文字通り夏休みを台無しにされた医学生ナンシー・アダムズの怖い海での体験のお話です。

ロストバーケーションのキャスト・スタッフ

ナンシー・アダムズ – ブレイク・ライブリー(甲斐田裕子)
カルロス – オスカル・ハエナダ(英語版)(斉藤次郎)
ナンシーの父 – ブレット・カレン(仲野裕)
クロエ・アダムズ – セドナ・レッグ(朝井彩加)
ナンシーの母 – ジャネール・ベイリー
ミゲル – パブロ・カルバ

原題:The Shallows
監督 ジャウム・コレット=セラ
脚本 アンソニー・ジャスウィンスキー
製作 リン・ハリス
マッティ・レシェム(英語版)
製作総指揮 ダグ・メリフィールド
ジャウム・コレット=セラ

ロストバケーションのあらすじ

病気で母を失い傷心気味のナンシーは自身の医学生としての道をあきらめようとしていました。彼女は亡き母がよく話していたメキシコの秘密のビーチを探し、そこでサーフィンをすることに決めます。

二日酔いでこれなくなった友人は置いて、一人ビーチへ向かうナンシー。そこにはほかにもサーフィンを楽しむ人がいましたが、一定の距離を保ちながらサーフィンを楽しむナンシーでした。

しかし、その美しいビーチとは裏腹に波はすさまじい勢いで押し寄せ、ナンシーはバランスを崩し、サーフボードごと荒波にもまれます。なんとか体制を立て直す彼女でしたが、何かに噛まれます。それはサメでした。やっとの思いでサメから逃げ出し沖で死んでいたクジラの死体の上で傷をいやします。

あたりには誰もおらず、助けを呼んでも声は届きません。さらに不幸なことにナンシーの周りにはあのサメが彼女を狙って徘徊しているのでした。このままでクジラごと沖に流されてしまうと思ったナンシーは近くの岩場まで避難します。そこからなんとか岸まで戻ろうと浜辺にいた何人かに助けを求めますが、皆サメの餌食となってしまいます。

時間がたつにつれて満潮になっていく岩場にナンシーは、沖の浮きまでいくことを決意します。

毒クラゲや毒サンゴに気を付けながら浮きまでたどり着いたナンシーはそこからサメへの反撃をはじめるのでした。

映画を120%楽しむネタバレ解説

ロストバケーションはサメ映画というよりはシチュエーションスリラーのジャンルの作品になります。サメというのはもちろんナンシーを脅かす存在ですが、ナンシーを襲ったのはサメだけでなく、大波、サンゴ、クラゲ、日光、飢え、渇きなど多くの要素であり、サメはその一つ(ラスボス)だったのかなという印象です。

そういう意味では原題のSHALLOWは浅瀬という意味があり、すぐ目の前に陸が見えているのに手が届かないというシチュエーションスリラーらしい名前になっています。

主演はブレイク・ライブリー

正直私はあまり知りませんでしたが、ライアン・レイノルズの奥さんというのでなるほどと思いました。テレビドラマ「ゴシップガール」で大ブレイクした人みたいですね。

中々の引き締まった肉体と演技力でこの映画をひっぱっていく実力派の女優です。

ナンシーの成長

映画を通して描かれるのはナンシーの心の成長があります。母を病気で亡くし、自身の医学の道事態に疑問を持ち始めたナンシー。もしかしたら彼女は母の病気を治すために医者になろうと思ったのかもしれません。そんな願いかなわず母は他界。父親とも素直に話せず一人傷心のまま母親が昔話してくれたビーチへ来たナンシーでしたが、状況は一転。

彼女は自身が命の危機を迎え、その過程で、医学には限界があるが、救える命があることを確信し、また医学の道へ戻っていくのです。

彼女が救った命

サメに噛まれ出血多量で死んでもおかしくなかった彼女は自身で傷を縫い、生き延びます。彼女が救ったもう一つの命はカモメです。岩場で翼を脱臼したカモメは普通であればそのまま衰弱してその場で死んでいたでしょうが、彼女が脱臼を治してあげます。彼女が生き残れたのはカモメという存在がいたことが大きかったのでしょう。

映画キャスト・アウェイのウィルソンをご存じでしょうか?無人島で遭難したトムハンクス演じるチャックノーランドは、無人島での絶望的な生活をなんとか希望に変えようとボールに書いた顔にウィルソンと名付け、話し相手としました。

今回カモメも自身が離したり、世話をする相手として希望を失わない役目としてカモメは大きな役割を果たしたのです。

妊婦の形に見えた岩

ビーチにはじめて降り立ったナンシーが見つけた遠くの島を「妊婦みたい」と言っていました。ただ、現地の人は「そうは見えない」と言っていました。

島の形というのはその見る人によって何を想像するか違うようです。

彼女にとって「妊婦」にその島が見えたのは母が死んで自身が次のステップに進むべく、そんなメタファーが隠れているのかもしれません。